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【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 6月高値2万8350円を目先ターゲットに、まずは底堅さを見極めたいところ


大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 27940 +190 (+0.68%)
TOPIX先物 1950.0 +12.5 (+0.64%)
シカゴ日経平均先物 27975 +225
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

 29日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。6月の米個人消費支出(PCE)は前月比1.1%増加し市場予想を上回った。依然としてインフレへの警戒感は根強いものの、予想を上回る決算を発表したアマゾン・ドット・コム<AMZN>やアップル<AAPL>が買われるなど、投資家のセンチメントは一段と改善。また、エクソンモービル<XOM>とシェブロン<CVX>の石油大手2社が発表した決算はいずれも四半期として過去最高だったことから大幅高となり、NYダウを押し上げた。S&P500業種別指数は小売、自動車・同部品、エネルギーが上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品、ヘルスケア機器・サービス、医薬品・バイオテクノロジーが下落。

 シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、日中大阪比225円高の2万7975円で終えた。日経225先物(9月限)のナイトセッションは日中比40円高の2万7790円で始まり、直後につけた2万7760円を安値に、2万7760円~2万7870円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後に2万7920円まで上伸し、買い一巡後にいったんは2万7790円まで軟化する場面も見られたが、終盤にかけて上げ幅を広げ一時2万7980円まで買われ、2万7940円で取引を終えた。

 日経225先物はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢で始まることになりそうだ。米国ではPCEを受けた市場反応は限られており、決算を手掛かりとした物色を強めるなど、センチメントは改善傾向にあるようだ。東京市場でも決算発表がピークを迎えるなか、決算を手掛かりとした主要銘柄の動向に影響を受けやすいだろう。29日取引終了後に決算を発表したところでは、ソニーグループ <6758> [東証P]が2023年3月期業績予想を下方修正したほか、富士通 <6702> [東証P]の第1四半期はコンセンサスを下回る進捗だった。この2銘柄の下落が重荷となる可能性があるなか、日経225先物が5日移動平均線(2万7782円)を支持線とした底堅い値動きを見せてくるかが注目される。

 底堅さが意識されるようであれば、オプション権利行使価格の2万7750円~2万8000円辺りでのレンジ推移から、心理的な抵抗線となる2万8000円突破を狙ったロングも入りやすいだろう。ナスダックは上値抵抗線として意識されていた75日線を突破した後もリバウンドを強めて、6月戻り高値水準を突破したほか、NYダウ、S&P500も6月高値に接近してきた。日経225先物も6月高値2万8350円を目先のターゲットとしたセンチメントに向かいやすく、まずは底堅さを見極めたいところだ。

 なお、VIX指数は21.33に低下した。これまで支持線として機能していた52週線を下回ってきたことから、トレンドとしては4月4日につけた18.45倍辺りが意識されてくる。また、13週線の切り下がりによって26週線とのデッドクロスが迫っている。同線のデッドクロス示現となれば昨年6月以来となるため、テクニカル面で見ても、よりリスクオンに向かわせる可能性があるだろう。

 もっとも、決算発表がピークを迎えるなかで積極的にはポジションを傾けづらい需給状況でもある。そのためリスクヘッジを考慮した形でスプレッドを狙ったトレードが入りやすいと見られ、NTロングの動きに向かわせよう。先週のNT倍率は先物中心限月で14.32倍に上昇した。14.17~14.19倍に位置する13週、26週線を支持線に、14.28倍辺りに位置していた52週線を突破してきており、反動安から52週線に接近する局面ではNTロング組成の動きが強まろう。

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