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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、シダックス、サニーサイド

トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
■トヨタ自動車 <7203>  2,100円  -28 円 (-1.3%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>、ホンダ<7267>など自動車株は総じて軟調。米国ではパウエルFRB議長が金融政策はインフレ抑制を最優先することに改めて言及、7月も0.75%の利上げが濃厚となったとの見方が強まってきた。日本は日銀が超金融緩和政策を維持する姿勢を堅持しており、日米金利差拡大の思惑を背景に外国為替市場ではドル買い・円売りの動きが加速、一時約24年ぶりに1ドル=137円台に入る円安に振れた。これを受けて、為替感応度の高い自動車セクターは輸出採算向上期待から投資資金が集まりやすいところだが、一方で米国の金融引き締め強化に伴うリセッションに対する懸念が重荷となっている。輸出採算が高まっても、米国での自動車販売が減速することで売り上げが伸び悩むというシナリオが意識されている。

■データホライゾン <3628>  2,011円  +321 円 (+19.0%) 一時ストップ高   本日終値
 データホライゾン<3628>が一時ストップ高まで買われた。ディー・エヌ・エー<2432>が29日の取引終了後、データHRを連結子会社化すると発表しており、これを好感した買いが入ったようだ。ディーエヌエは子会社化に向けて、TOBの実施とデータHRによる第三者割当増資の引き受けを行う。TOB価格は1株2200円。買い付け予定数は314万8600株(下限・上限とも同じ)で、買い付け期間は30日から7月28日まで。増資は約34億円で引き受け、この資金はデータHRによってディーエヌエ子会社の買収に充てられる。両社は2020年に資本・業務提携を結ぶなど関係を深めてきた経緯があり、今回の子会社化によってこれまで以上に連携を強化していく狙いだ。

■東京通信 <7359>  1,395円  +218 円 (+18.5%) 一時ストップ高   本日終値
 東京通信<7359>が続急騰。株価は今月7日につけた高値1380円を上抜き約3週間ぶりの年初来高値更新。スマートフォン向けゲームアプリ開発やネット広告代理ビジネスを展開するが、メタバース分野への展開に注力する方針を打ち出しており、28日には人工知能(AI)や3DCGを機能させたプラットフォーム関連事業を手掛ける合弁会社を設立することを発表している。メタバース分野へは世界の大資本企業も本格的に参入する動きが相次いでおり、直近では独シーメンスが、米エヌビディア<NVDA>と提携して、メタバースの法人向けサービスを提供することを発表、これが東京市場でも同関連株の株価を刺激する材料となっている。

■シダックス <4837>  688円  +100 円 (+17.0%) ストップ高   本日終値
 シダックス<4837>がストップ高。オイシックス・ラ・大地<3182>が29日の取引終了後、シダックスが発行した第1回B種優先株式、または普通株式を取得すると発表しており、これを材料視した買いが膨らんだようだ。取得株式数はB種優先株式4000株、または普通株式1476万2298株で、普通株に転換した場合の希釈化後保有持ち分は26.5%(29日時点)となる。8月下旬から9月上旬をメドに、ユニゾン・キャピタル4号投資事業有限責任組合とUnison Capital Partners IV(F)から取得する。今回の株式取得についてオイシックスでは、業務提携の検討を加速することが目的としている。

■サスメド <4263>  908円  +108 円 (+13.5%) 一時ストップ高   本日終値
 サスメド<4263>が一時ストップ高。29日の取引終了後、アキュリスファーマ(東京都港区)と世界初のブロックチェーン技術を活用した治験の実施に関する契約を締結したと発表しており、これを好感する買いが入った。アキュリスファーマが予定しているヒスタミンH3受容体拮抗薬/逆作動薬pitolisantに関する国内第3相臨床試験の治験業務の一部を受託し、同社の臨床試験システムを導入するという。治験にはシミックホールディングス<2309>傘下のシミックも参画し、新薬開発のために必要な治験の業務効率化による開発コスト低減と信頼性の向上を同時に実現することを目指す。

■サニーサイド <2180>  669円  +61 円 (+10.0%) 一時ストップ高   本日終値  東証プライム 上昇率3位
 サニーサイドアップグループ<2180>は急伸。29日の取引終了後、22年6月期の連結経常利益を従来予想の12億円から12億5000万円(前期比87.7%増)へ上方修正すると発表。従来の3期ぶりの過去最高益予想を更に上乗せしており、これが好感された。同時に、米国子会社bills waikikの全出資持ち分を譲渡することを決定したと発表。これに係る費用を業績予想に織り込んでいたが、条件などの精査が進んだことや、直近の事業進捗などを踏まえて改めて見直したという。あわせて、発行済み株式数の0.99%にあたる15万株または1億円を上限に自社株買いを実施すると発表したことも好材料視された。

■いつも <7694>  891円  +63 円 (+7.6%)  本日終値
 いつも<7694>が大幅高。同社は29日取引終了後に、23年3月期を初年度とする5カ年の中期経営計画を策定したと発表。最終年度となる27年3月期の連結営業利益目標を44億円(22年3月期実績は6億400万円)としていることが好感されているようだ。27年3月期の連結売上高目標は510億円(同116億5200万円)。自社の強みである「ECで売る力」を活用し、加速度的な成長を実現するとしている。

■三陽商会 <8011>  972円  +47 円 (+5.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率7位
 三陽商会<8011>が大幅高で4日続伸。午前11時に発表した23年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算で、経常損益が5億9300万円の黒字(前年同期は5億2400万円の赤字)となり、これを好感する買いが向かった。今期から「収益認識に関する会計基準」の適用で単純比較はできないが、売上高は143億5500万円(前年同期は87億1000万円)に大きく伸びた。外出自粛の緩和を受けて百貨店や直営店の集客が回復したことに加え、緊急事態宣言下で休業や短縮営業を強いられていた前期からの反動も大きかった。また、「再生プラン」で実施してきた構造改革を継続し、調達原価率の低減や在庫管理の強化を進めたほか、正価販売に徹したことで採算も改善した。上期の経常損益予想は10億9000万円の赤字を計画しており、業績上振れが期待されている。

■リボミック <4591>  212円  +9 円 (+4.4%)  本日終値
 リボミック<4591>が急伸。きょう午前9時に、東京大学医科学研究所RNA医科学社会連携研究部門と進めている共同研究の成果が学術誌に掲載されたと発表。共同研究で開発した形質転換増殖因子「TGF-β1」に対するアプタマーについて、ヒト非小細胞性肺がん細胞を用いた固形がんモデルマウスに対して効果を検証した結果、既存の抗がん剤(ゲフィチニブ)との併用療法で休薬後の治療効果が長く持続することを確認したという。

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