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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):トヨタ、花王、第一生命HD

トヨタ <日足> 「株探」多機能チャートより
■トヨタ自動車 <7203>  2,197.5円  +75 円 (+3.5%)  本日終値
 トヨタ自動車<7203>が反発。前日は上昇一服となったものの陽線で引けており、足もと上値指向の強さを示している。米国ではインフレ警戒ムードが再燃するなか、米長期金利が上昇し、外国為替市場ではドル買いの動きを誘発した。ドル円相場は1ドル=128円台後半までドル高・円安が進んでおり、輸出セクターには為替メリットが期待される状況にある。特に1円の円安で営業利益を400億円以上押し上げる効果があるとされる同社にとっては、今期業績の上振れ要因として株価にポジティブに働いている。同社の今期想定為替レートは1ドル=115円で実勢とは13円以上の開きがある。単純計算で5000億円以上の営業利益上振れ要因として考慮されるだけにインパクトは大きい。

■花王 <4452>  5,365円  +169 円 (+3.3%)  本日終値
 花王<4452>が反発。きょう付の日本経済新聞朝刊で「傘下のカネボウ化粧品の主力ブランド『KANEBO』で、6月から中国でライブコマースを本格展開する」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、北京字節跳動科技(バイトダンス)が運営する動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」を通じて、商品のライブ配信を毎日実施するという。KANEBOは中国に店舗がないことから、ターゲットとするZ世代に動画で直接訴えることで越境ECの拡大を狙うとしている。

■第一生命HD <8750>  2,701円  +67.5 円 (+2.6%)  本日終値
 第一生命ホールディングス<8750>が上値追い基調鮮明、きょうで4日続伸となっている。5日・25日移動平均線もゴールデンクロスを示現している。米国ではインフレ警戒感の再燃で長期金利が上昇、米10年債利回りが2.85%台まで水準を切り上げたほか、超長期債の30年債は終値ベースで利回りが3%台を回復した。前日の米国株市場では全体相場が軟調な動きとなったものの、JPモルガン<JPM>やバンカメ<BAC>など大手金融株の一角が堅調だった。東京市場でもこの流れを引き継いでおり、特に長期運用が主体の生保にとって超長期金利の上昇は追い風材料として意識されやすい。

■マルハニチロ <1333>  2,290円  +57 円 (+2.6%)  本日終値
 マルハニチロ<1333>が反発。この日午後、グループ会社であるオランダのシーフード・コネクション・ホールディング社が、イギリスでエビ・バサ・タラ・サーモンなどの水産加工品を販売するノースコースト・シーフーズ社の全株式を取得し、イギリス市場に本格参入したと発表しており、これが好感された。欧州におけるイギリスの水産物消費はイタリア、スペイン、フランス、ドイツに次いで第5位。今回の買収でノースコースト社はマルハニチログループの一員となり、海外市場への更なる展開拡大と欧州における水産物の流通・販売の強化の一翼を担うことになる。

■ツルハホールディングス <3391>  7,200円  +160 円 (+2.3%)  本日終値
 ツルハホールディングス<3391>は3日続伸。5月31日の取引終了後に発表した5月度の月次営業速報で、既存店売上高が前年同月比2.9%減と2カ月連続で前年実績を下回ったが、想定内との見方が強いようだ。客単価が同1.0%増と堅調に推移したものの、客数が同3.9%減と前年割れが続いたことが響いた。なお、全店売上高は同6.1%増だった。

■東京海上 <8766>  7,629円  +163 円 (+2.2%)  本日終値
 東京海上ホールディングス<8766>が、寄り付き大口の買い注文が入りマドを開けて上昇する異色の展開となり、3月22日につけた高値7565円を払拭し上場来高値に買われた。22年3月期の最終利益が前の期比2.6倍の4204億8400万円と急拡大したが、23年3月期も火災保険を中心に料率引き上げなどに伴う収益押し上げ効果で、小幅ながら増益基調を確保する見通し。注目されるのは株主還元姿勢で、年間配当は前期実績から45円の大幅増配となる300円を計画しており、配当利回りも4%近くに達し、株高を後押ししている。株式需給面では信用買い残など低水準で、売り圧力が希薄な点も足もとの値動きの軽さに反映されているもようだ。

■寿スピリッツ <2222>  7,230円  +130 円 (+1.8%)  本日終値
 寿スピリッツ<2222>は反発。岩井コスモ証券は5月31日、同社株の投資判断「A」と目標株価8700円を継続した。同社は、人気ブランド「ルタオ」などを擁するお菓子の総合プロデューサー。22年3月期は営業損益が14億200万円の黒字(前の期は28億9000万円の赤字)となった。上期は営業赤字を余儀なくされたが、移動制限が緩和された下期は積極的な営業が奏功し黒字転換した。23年3月期は、経済活動が平常に向かい個人消費が緩やかな回復基調に推移すると想定し、同利益は前期比3.7倍の51億6000万円の予想。同証券では、58億円への増額修正を見込んでいる。しばらくはインバウンド需要の本格化は望みにくいが、国内旅行需要の回復や人流の回復がギフトスイーツの需要を押し上げるとみている。

■マネックスグループ <8698>  510円  +9 円 (+1.8%)  本日終値
 マネックスグループ<8698>は反発。5月31日の取引終了後、子会社のコインチェックが、米Yuga Labs(ユガラボ)が展開する新たなメタバースプロジェクト「Otherside」の仮想空間上の土地である「Otherdeed(NFT)」を取得し販売していくと発表。「Otherside」は、web3に対応したmetaRPGのゲームフィールドで、4月のローンチ初日に5万5000区画を予定していた「Otherdeed」が当日に完売したほど人気という。コインチェックでは今後も、メタバースとNFTを掛け合わせた新たな顧客体験を創造していくための取り組みを検討していくとしている。

■凸版印刷 <7911>  2,459円  +34 円 (+1.4%)  本日終値
 凸版印刷<7911>が反発。この日午後、GMOフィナンシャルホールディングス<7177>傘下のGMOアダムが運営するNFTマーケットプレイス「Adam byGMO」の新たな代理店に認定され、NFT事業を共同で推進すると発表。「Adam byGMO」の認定代理店となったことで、凸版は出品の申し込み・審査などの出品者をワンストップでサポートする体制を構築。IPホルダー(スポーツ、eスポーツ、アート、芸能、出版など)の出品をサポートすることで、NFTを活用したコンテンツ流通の更なる活性化を図るとしている。

■シスメックス <6869>  8,471円  +74 円 (+0.9%)  本日終値
 シスメックス<6869>が反発。SMBC日興証券は5月31日、投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は1万300円から1万800円に見直した。同証券では、23年3月期の連結営業利益予想を737億円から800億円(会社計画760億円)に、24年3月期の同利益予想を828億円から900億円にそれぞれ増額修正した。ロックダウンの影響はあるものの、今期中国売上高は2ケタ成長するとみており、現状の株価はリスクをやや過大に織り込んでいるようにみえる、と指摘している。

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