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【市況】来週の株式相場に向けて=SQまで膠着継続も、個別株物色には悪くない相場

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 日経平均株価は、週間ベースでは2週連続の上昇。前週まで90年ぶりと言われる8週連続の下落となったNYダウと比べても、底堅さを堅持している。

 NYダウは、前日まで5日続伸しており9週連続安は避けられそうな雰囲気だが、依然として先行きに不透明感は漂う。東京市場も米国に比べ底堅いとはいえ、日経平均株価は2万7000円が壁となっており、上値は重い展開が続く。

 来週からは6月相場に入るが、「来月10日のメジャーSQまで方向性に欠ける展開は続きそうだ」(アナリスト)との声も聞かれる。米連邦公開市場委員会(FOMC)が14~15日に開催されるだけに、来月中旬までは手掛けにくさも残りそうだ。

 ただ、「日経平均は一進一退が続くが、個別株の物色には決して悪い環境ではない」(市場関係者)との声も聞かれる。外国人観光客の新規入国の再開でインバウンド関連株が人気づき始めたが、この日はエイチ・アイ・エス<9603>やパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532>が急伸した。更に、AI通訳アプリ「ポケトーク」を手掛けるソースネクスト<4344>が大幅続伸している。バイデン米大統領による台湾防衛に絡む発言で防衛関連株が注目されるなか、東京計器<7721>などの銘柄も上昇基調を強めている。

 原発再稼働に絡んでは、29日の新潟県知事選も関心を集めるなか、東京電力ホールディングス<9501>や中国電力<9504>の動向なども注目されている。日経平均株価は膠着状態が続いても、注目テーマの人気に乗る個別銘柄は活況状態となる展開も期待できそうだ。来週は週末の3日に米5月雇用統計が発表され海外では重要経済指標が相次ぐ。30日は米国がメモリアルデーで休場だが、翌31日に中国5月製造業PMIが発表される。1日には米5月ISM製造業景況指数、2日に同ADP雇用統計が公表される。3日には雇用統計とともに同ISM非製造業景況指数が発表される。

 国内では31日に4月鉱工業生産、1日に1~3月法人企業統計が発表される。同日に伊藤園<2593>の決算が予定されている。31日にはトリプルアイズ<5026>がグロース市場に新規上場する。同日にMSCIの定期入れ替えが実施される。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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