【市況】来週の株式相場に向けて=消去法の日本株“再評価”は続くか
日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
この日本株の底堅さの背景には、日経平均ベースの連結PERが12倍台と過去10年間のレンジの下限にあるという割安さが指摘される。特に、2月下旬のウクライナ危機発生から3月初旬に大きく下落したことで「日本株は米国など海外に比べいち早く調整が進んだ」(市場関係者)ことが、打たれ強い相場を生んだとみられている。
また、大幅な円安進行は製造業の比率が高い東京市場にはプラス要因に働いている。加えて「先進国で唯一、金融緩和政策が維持される見通しにあること」「周回遅れだが、経済再開による恩恵がこれから見込めること」などが指摘されている。このため、「日本株は消去法的に見直されている」(エコノミスト)状況だ。日経平均を積極的に買い上がるだけの要因も見当たらないものの、買われ過ぎだった米国株を相対的にアウトパフォームするだけの条件は整っている様子だ。
来週は目立ったイベントは予定されていないが、25日の5月開催分米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録は関心を集めそうだ。また、26日に米1~3月GDP改定値が発表される。25日に米半導体大手のエヌビディア<NVDA>の決算が予定されており、東京エレクトロン<8035>など半導体関連株への影響が注目される。更に26日にはダラー・ジェネラル<DG>やコストコ・ホールセール<COST>といった、いま注目の消費関連企業の決算発表がある。セブン&アイ・ホールディングス<3382>やキッコーマン<2801>などの株価に影響があるかもしれない。
国内では、23日に日米首脳会談が開催される。27日にはSBIホールディングス<8473>の決算が予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは2万6300~2万7200円。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS