【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:INPEX、郵船、コーテクHD
INPEX <日足> 「株探」多機能チャートより
キトー<6409>はカイ気配スタート。16日の取引終了後、米投資ファンドKKR系のLifting Holdings BidCoがキトーに対し、TOBを実施することを明らかにした。TOB価格を1株2725円としていることから、これにサヤ寄せする格好となっている。このTOBは、キトーとKKR系のCrosbyグループとの経営統合の一環として行われるもの。買い付け予定数は2072万6019株(下限1381万7400株、上限設定なし)で、10月下旬をメドにTOBを開始する見通し。なお、TOB成立後に同社株は上場廃止となる予定で、これを受けて東京証券取引所は16日付で監理銘柄(確認中)に指定している。
■フェローテク <6890> 2,933円 +486 円 (+19.9%) 11:30現在
フェローテックホールディングス<6890>に物色人気集中、寄り付き大量の買い注文に商いが成立せず、気配値のまま株価を上昇させている。同社は半導体製造装置向け部品を製造し、特に半導体設備で必須となる真空シール世界シェア約6割という圧倒的競争力を持っており、半導体需給逼迫を受けて収益環境に吹く追い風が強い。同社が16日取引終了後に発表した22年3月期の決算は真空シールなどが牽引役となり、営業利益が前の期比2.3倍となる226億円と大変貌を果たした。続く23年3月期も前期比33%増の300億円と大幅増益見通しにあり、これがポジティブサプライズとなった。今期で3期連続の過去最高利益更新となる。前期の年間配当は50円(前の期実績は30円)を実施、今期は更に20円増配の70円を計画している。
■三井松島HD <1518> 2,796円 +451 円 (+19.2%) 一時ストップ高 11:30現在 東証プライム 上昇率5位
三井松島ホールディングス<1518>が大幅続伸。一時500円高の2845円まで駆け上がり連日のストップ高を演じるなど異色の上昇トレンドを形成している。前週末に発表した決算発表で前期の営業利益が4倍以上に急拡大しただけでなく、今期は7割増益の143億円予想を発表したことがマーケットの驚きを誘った。前日は1本値でストップ高となり大引けに買い物を残したが、きょうも物色意欲にかげりは見られない。市場では「株主還元姿勢も高く、増配によって配当利回りが5.7%台と高い。また、PERは3倍台で超割安圏。これは、ひところの海運株人気と買いの根拠は一緒だ」(中堅証券ストラテジスト)としている。同社株は小型でボラティリティが高いこともあって、個人投資家を中心とした短期資金の格好の物色対象となっている。
■三菱HCキャピタル <8593> 606円 +33 円 (+5.8%) 11:30現在
三菱HCキャピタル<8593>が大幅高。16日の取引終了後に23年3月期業績予想を発表。純利益を前期比10.7%増の1100億円と前期に続き増益となる見通しを示したほか、配当予想も前期比3円増の31円としており、これが好感されているようだ。新型コロナウイルスとの共生に伴う経済活動の回復が期待されるなか、引き続き各事業が伸長すると想定している。また、前期に完全子会社化した米大手海上コンテナリース会社の連結貢献のほか、貸し倒れ関連費用や減損損失の減少などを見込んでいる。同時に発表した22年3月期決算は、売上高が前の期比86.3%増の1兆7655億円、純利益が同79.7%増の994億100万円だった。
■INPEX <1605> 1,544円 +72 円 (+4.9%) 11:30現在
石油関連株が高い。INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>、出光興産<5019>などが値を上げている。16日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の6月限が前日比3.71ドル高の1バレル=114.20ドルと約2カ月ぶりの高値に上昇した。中国・上海市が新型コロナウイルスの対策で続けてきた都市封鎖(ロックダウン)を6月に解除する方針を明らかにしたことから、中国での原油需要が回復するとの期待が膨らんだ。これを受け、INPEXなど石油関連株に買いが流入している。
■日本郵船 <9101> 10,120円 +410 円 (+4.2%) 11:30現在
日本郵船<9101>が3日続伸でフシ目の1万円大台を回復したほか、川崎汽船<9107>、商船三井<9104>など大手海運株が揃って上昇。きょうは前日の米国株市場でハイテク株に売りが目立ったこともあり、東京市場でも半導体関連などグロース株(成長株)への風当たりがきつくなっているが、一方でPERや配当利回りなどに着目したバリュー株への資金シフトの傾向がみられる。海運大手は、今期減益見通しながら高配当を維持することで、インカムゲイン狙いの買いが断続的に入っている。きょうはハイテク株が買いにくい環境にあり、海運株はバリュー株の象徴として投資資金を誘導している。
■山梨中央銀行 <8360> 986円 +23 円 (+2.4%) 11:30現在
山梨中央銀行<8360>は反発。16日の取引終了後、上限を100万株(発行済み株数の3.12%)、または10億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視されている。取得期間は5月17日から23年3月24日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び株主への利益還元を図るという。同時に発表した22年3月期連結決算は、経常利益66億2400万円(前の期比6.3%増)、純利益42億4100万円(同37.2%増)となり、純利益が従来予想の33億円を上振れて着地した。国債など債券償還損や株式償却の減少による経常費用が減少したほか、コア業務純益(除く投資信託解約損益)は増加したことが寄与した。なお、23年3月期の業績予想は、経常利益67億円(前期比1.1%増)、純利益43億円(同1.3%増)を計画している。
■コーテクHD <3635> 4,305円 +85 円 (+2.0%) 11:30現在
コーエーテクモホールディングス<3635>が反発している。16日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表しており、これが好材料視されている。投資単位当たりの金額を引き下げ、より投資しやすい環境を整えるとともに、株式の流動性の向上と投資家層の拡大を図ることが目的という。
■リクルート <6098> 4,725円 +33 円 (+0.7%) 11:30現在
リクルートホールディングス<6098>は3連騰、一時5%を超える上昇で4900円台まで買われ、4月21日以来となる5000円大台復帰を視野に捉えている。総合人材サービス企業として国内トップに位置し、海外展開も積極的に行うが、特に同社のHRテック事業でドル箱となっている求人情報検索エンジンの「インディード」は米国で急成長している。16日取引終了後に発表した22年3月期決算は営業利益が前の期比2.3倍の3789億2900万円と急拡大した。また、23年3月期については利益予想については開示していないが、売上高にあたる売上収益が前期比15%増の3兆3000億円と2ケタ成長を見込んでおり、これは事前の市場コンセンサスを上回る水準で株価にポジティブに働いている。
■アサヒ <2502> 4,102円 -584 円 (-12.5%) 11:30現在 東証プライム 下落率2位
アサヒグループホールディングス<2502>が大幅安で3日続落している。16日の取引終了後に発表した第1四半期(1~3月)連結決算が、売上高4968億6300万円(前年同期比8.8%増)、営業利益90億4400万円(同82.7%減)、純利益43億4600万円(同86.9%減)と大幅減益となったことが嫌気されている。日本や欧州でビールなどの販売が回復し売上高は増収となったものの、原材料費が増加したことに加えて、前年同期に固定資産の売却益を計上した反動や国内の生産・物流拠点の再編に伴い減損損失を計上したことなども響いた。なお、22年12月期通期業績予想は、売上高2兆4500億円(前期比9.6%増)、営業利益2175億円(同2.6%増)、純利益1465億円(同4.6%減)の従来見通しを据え置いている。
■JKホールディングス <9896> 946円 -87 円 (-8.4%) 11:30現在 東証プライム 下落率4位
16日に決算を発表。「今期経常は31%減益へ」が嫌気された。
JKホールディングス <9896> [東証P] が5月16日大引け後(15:00)に決算を発表。22年3月期の連結経常利益は前の期比2.5倍の131億円に拡大したが、23年3月期は前期比31.4%減の90億円に落ち込む見通しとなった。
⇒⇒JKホールディングスの詳しい業績推移表を見る
■バルカー <7995> 2,525円 -175 円 (-6.5%) 11:30現在
16日に決算を発表。「今期経常は7%減益、前期配当増額も今期減配」が嫌気された。
バルカー <7995> [東証P] が5月16日大引け後(15:00)に決算を発表。22年3月期の連結経常利益は前の期比95.8%増の71.9億円に拡大したが、23年3月期は前期比6.9%減の67億円に減る見通しとなった。同時に、前期の年間配当を115円→125円(前の期は95円)に増額し、今期は前期比5円減の120円に減配する方針とした。
⇒⇒バルカーの詳しい業績推移表を見る
■高砂香料工業 <4914> 2,386円 -161 円 (-6.3%) 11:30現在
16日に決算を発表。「今期経常は46%減益、20円減配へ」が嫌気された。
高砂香料工業 <4914> [東証P] が5月16日大引け後(15:00)に決算を発表。22年3月期の連結経常利益は前の期比39.6%増の101億円に拡大したが、23年3月期は前期比45.9%減の55億円に落ち込む見通しとなった。
⇒⇒高砂香料工業の詳しい業績推移表を見る
■日機装 <6376> 784円 -42 円 (-5.1%) 11:30現在
16日に決算を発表。「1-3月期(1Q)最終は72%減益で着地」が嫌気された。
日機装 <6376> [東証P] が5月16日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。22年12月期第1四半期(1-3月)の連結最終利益は前年同期比72.0%減の6.2億円に大きく落ち込み、1-6月期(上期)計画の137億円に対する進捗率は4.6%にとどまり、5年平均の83.4%も下回った。
⇒⇒日機装の詳しい業績推移表を見る
■F&LC <3563> 3,100円 -115 円 (-3.6%) 11:30現在
FOOD & LIFE COMPANIES<3563>が3日ぶりに反落。SMBC日興証券は16日、同社株の投資評価を「1」から「2」へ引き下げた。目標株価は6000円から3100円に見直した。9日に発表した値上げと中国のゼロコロナ政策により国内と海外のスシロー事業の中長期的な業績に不透明感が増したとみている。10月からは創業以来続けてきた一皿100円(税抜き)の看板を下ろす。ただ、くら寿司やはま寿司が協調しない可能性を踏まえると値上げが利益に貢献するのは一筋縄ではいかない、とみている。同社株への投資に当たっては(1)同業のくら寿司とはま寿司による値上げの発表(2)中国のゼロコロナ政策の緩和を確認してからでも遅くはない、と指摘。同証券では、22年9月期の連結営業利益は227億円から168億円(会社予想160億円)に、23年9月期の同利益は275億円から174億円にそれぞれ引き下げている。
●ストップ高銘柄
日医工 <4541> 328円 +80 円 (+32.3%) ストップ高 11:30現在
近鉄エクスプレス <9375> 4,100円 +700 円 (+20.6%) ストップ高買い気配 11:30現在
三ッ星 <5820> 4,995円 +700 円 (+16.3%) ストップ高 11:30現在
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
ココペリ <4167> 824円 -300 円 (-26.7%) ストップ安売り気配 11:30現在
レアジョブ <6096> 566円 -150 円 (-20.9%) ストップ安売り気配 11:30現在
デルタフライ <4598> 820円 -150 円 (-15.5%) ストップ安 11:30現在
など、3銘柄
株探ニュース