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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):日揮HD、大平金、双日

大平金 <日足> 「株探」多機能チャートより
■日揮ホールディングス <1963>  1,373円  +132 円 (+10.6%)  本日終値  東証1部 上昇率2位
 日揮ホールディングス<1963>や千代田化工建設<6366>が急伸。11日付の日本経済新聞は「米エネルギー大手のセンプラ・インフラストラクチャーは、三井物産<8031>などと合弁で運営する同国南部の液化天然ガス(LNG)プラントの生産能力を2027年に現在より6割増やして年約1900万トンにする」と報じた。欧州による脱ロシアを見据えてLNGの輸出体制を整える。具体的には、米ルイジアナ州のLNGプラント「キャメロン」の生産能力を高める。今後、LNG生産能力の増強が強まる可能性は高く、LNGプラントで高実績を持つ日揮HDや千代建に見直し買いが流入した。

■三井海洋開発 <6269>  1,221円  +114 円 (+10.3%)  本日終値  東証1部 上昇率3位
 三井海洋開発<6269>が高い。10日の取引終了後、イタリア石油大手エニの子会社から受注し、建造を行っていたFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)が、現地時間2月23日にメキシコ沖合で原油生産を開始したと発表。エニから受注したFPSO「FPSO MIAMTE MV34」は、エニ子会社がオペレーターを務めるメキシコ沖合のArea 1(エリア・ワン)鉱区の開発プロジェクトに用いられる。日量9万バレルの原油生産能力、日量7500万立方フィートのガス生産能力のほか、70万バレルの原油貯蔵能力を持つ。

■ステムリム <4599>  637円  +40 円 (+6.7%)  本日終値
 ステムリム<4599>は大幅続伸。同社は10日取引終了後、22年7月期第2四半期累計(8~1月)単独営業損益は10億600万円の赤字(前年同期は7億7700万円の赤字)だったと発表したが、織り込み済みとの見方が優勢のようだ。通期見通しは合理的な業績予想の算定が困難であるとして、記載されていない。今期は再生誘導医薬開発品レダセムチドについて、臨床試験及び適応拡大に向けた研究開発が進捗することを見込んでいるとした。また、レダセムチドに続く再生誘導医薬開発候補品について、臨床試験及びライセンスアウトに向けた交渉が引き続き進捗する見通しであるとした。

■上村工業 <4966>  5,620円  +230 円 (+4.3%)  本日終値
 上村工業<4966>は続伸。同社は10日取引終了後、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行及び資本効率の向上を通じて株主利益の向上を図るため、40万株(発行済み株式総数に対する割合2.32%)もしくは20億円を上限とする自己株式の取得枠を設定すると発表した。取得期間は4月1日~8月31日。

■プレミアムW <2588>  2,480円  +96 円 (+4.0%)  本日終値
 プレミアムウォーターホールディングス<2588>は大幅続伸。10日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を650億円から680億円(前期比20.7%増)へ、営業利益を54億円から60億円(同36.5%増)へ、純利益を33億円から34億円(同6.5%増)へ上方修正し、あわせて無配としていた年間配当についても期末一括20円の初配当を実施すると発表したことが好感された。コロナ禍にあっても、計画を上回るペースで保有契約件数が純増し、宅配水の出荷数が想定を上回っていることが要因としている。

■大平洋金属 <5541>  3,830円  +115 円 (+3.1%)  本日終値
 大平洋金属<5541>が全体軟調相場に抗して大幅反発。前日は全体相場が急騰するなかにあって小幅ながらマイナス圏で引けたが、きょうは買い直され、一時4000円大台を回復。前日のマーケットは原油価格をはじめとするコモディティ価格の下落が好感されたが、フェロニッケル製錬大手の同社にとっては逆にマイナス材料として働く。しかし、ニッケル価格はレアメタルのなかでも足もと記録的な上昇を示しており、LMEは取引を停止する事態にまで追い込まれた。ウクライナ情勢も絡みニッケル市況の高値推移は当面続くとみられており、同社株の先高期待は強いようだ。

■双日 <2768>  1,995円  +33 円 (+1.7%)  本日終値
 双日<2768>が3日続伸。原油をはじめとする資源価格の上昇による業績への貢献が期待されていることに加えて、この日はHIROTSUバイオサイエンス(東京都千代田区)と資本・業務提携契約を締結し出資を行ったと発表しており、これが好材料視された。HIROTSUバイオサイエンスは、嗅覚に優れた線虫ががんの匂いを高精度に検知することを利用して、がん早期発見のためのスクリーニング検査「N-NOSE(エヌノーズ)」を日本国内で20年に実用化したベンチャー。今回の資本・業務提携は「N-NOSE」を相互協力のもと海外で事業展開することを目的としているという。

■鶴見製作所 <6351>  1,835円  +17 円 (+0.9%)  本日終値
 鶴見製作所<6351>がしっかり。10日の取引終了後、グループ会社アロイテクノロジーが、アロイ金属工業(大阪府八尾市)から各種ポンプ部材を中心としたステンレス鋼・高クロム鋳鉄の製造・販売事業を譲り受けると発表しており、これが好材料視された。現在、鶴見製は3D砂型造形機を用いた鋳造技術の高度化に重点的に取り組んでおり、今回の事業譲受並びに一連の取り組みにより他社との差別化を図るのが狙い。なお、同件による22年3月期業績への影響は軽微としている。

■大阪ガス <9532>  2,226円  +12 円 (+0.5%)  本日終値
 大阪ガス<9532>は続伸。同社は10日取引終了後、22年3月期の年間配当予想を55円から57円50銭(前期は52円50銭)へ上方修正し、23年3月期は60円を見込んでいると発表した。あわせて、22年度のグループ経営計画を発表し、連結売上高は1兆8530億円(21年度計画は1兆5470億円)、営業利益は1065億円(同805億円)、経常利益は1150億円(同950億円)、純利益は820億円(同775億円)を計画しているとした。

■日本郵船 <9101>  11,810円  +60 円 (+0.5%)  本日終値
 日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>など海運株が全体下げ相場のなかで強さを発揮。世界的なコモディティ価格の高騰は、前日こそ原油価格の急落などで反動が出たが、ウクライナ問題が長期化するなか上昇トレンドは当面続くという見方が強い。海運市況についてもコンテナ船市況の高止まりに加え、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の上値追い基調が顕著となってきた。ばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は9日時点で200ポイントを超える上昇をみせ2558まで水準を切り上げており、海運セクターの株価を刺激する材料となっている。

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