【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):フロンテオ、東海カ、SBG
フロンテオ <日足> 「株探」多機能チャートより
キョウデン<6881>が大幅高で3日ぶりに反発。8日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を545億円から566億円(前期比20.4%増)へ、営業利益を41億円から50億円(同2.1倍)へ、純利益を28億円から34億円(同29.2%増)へ上方修正したことが好感された。プリント配線基板の製造を中心とする電子事業で、半導体製造装置をはじめとして、センサー・モジュールデバイス/5G関連通信機器/IoT関連機器/インフラ関係/パワー半導体関連などの受注が好調で、第4四半期以降も堅調に推移する見通しであることが要因。また、高多層・ビルドアップ基板など高付加価値品の取り込みや、継続して取り組んでいる生産効率の改善と設備投資による更なる効率改善、下期予定していた投資の一部後ろ倒しなども寄与する。
■FRONTEO <2158> 2,946円 +221 円 (+8.1%) 本日終値
FRONTEO<2158>が大幅高で3日ぶりに反発。8日の取引終了後、人工知能(AI)を用いた経済安全保障ソリューション「サプライチェーン解析サービス」の技術で特許査定を取得したと発表しており、これが好感された。今回特許査定を取得したのは、同社第3のAI「Looca Cross(ルーカクロス)」を搭載した経済安全保障対策ネットワーク解析システム「Seizu Analysis(セイズアナリシス)」の1つめのソリューションである「サプライチェーンネットワーク解析ソリューション」のために開発した技術。「Seizu Analysis サプライチェーン解析ソリューション」は、投資家情報や有価証券報告書などのオープンソースから得られる複数の情報をもとに、広大なサプライチェーンネットワークにおける特定の企業とのつながりを可視化し、これを活用することで自社のサプライチェーンが、デカップリング(望ましくない国・企業との取引の切り離し)の要件を満たしているかや、強制労働を強いる企業との関係がないかを確認したり、グローバル経済ネットワークにおけるチョークポイント(戦略的に重要な地点)がどこにあるかを把握したりすることが可能になる。同社では、今回の特許査定取得により同ソリューションが、人の力では簡単に発見できないチョークポイントや、企業間の潜在的な繋がりを見出すことのできる日本初の解析システムであると認められたことになるとしている。
■東海カーボン <5301> 1,206円 +81 円 (+7.2%) 本日終値
8日に決算を発表。「今期経常は37%増益へ」が好感された。
東海カーボン <5301> が2月8日大引け後(15:00)に決算を発表。21年12月期の連結経常利益は前の期比4.0倍の247億円に伸び、22年12月期も前期比37.3%増の340億円に拡大する見通しとなった。
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■クラレ <3405> 1,096円 +67 円 (+6.5%) 本日終値
クラレ<3405>が急伸。同社はきょう午前11時に、株主還元の強化及び資本効率の向上を図るとともに、将来の機動的な資本政策を可能とするため、1100万株(発行済み株式総数に対する割合3.20%)もしくは100億円を上限とする自己株式の取得枠を設定すると発表した。取得期間は2月10日~6月30日。あわせて、22年12月期の連結売上高6500億円、営業利益730億円、純利益430億円、年間配当42円(前期は40円)とする見通しを開示した。「収益認識に関する会計基準」適用のため、前年との比較は記載されていない。21年12月期連結売上高は6293億7000万円(前の期比16.2%増)、営業利益は722億5600万円(同63.0%増)、純利益は372億6200万円(同14倍)だった。会計基準変更のために単純な比較はできないものの、増収増益の見込みであることも好感されたようだ。また、中期経営計画「PASSION2026」も発表しており、最終年度となる26年度の数値目標として、売上高7500億円、営業利益1000億円などを掲げた。
■東亜建設工業 <1885> 2,590円 +153 円 (+6.3%) 本日終値
東亜建設工業<1885>が大幅に3日続伸。株価は前日に比べ6%超高と急伸した。8日取引終了後に業績予想の増額修正と増配、自社株買いの実施を発表したことが好感された。22年3月期の連結営業利益は90億円から99億円(前期比13.6%増)に修正した。手持ち工事の利益率改善などが寄与する。また、今期末の一括配当を従来予想から10円増の90円(前期比10円増)に増配する。更に自社株買いも発表した。120万株(発行済み株式数の6.20%)、20億円を上限としており、取得期間は2月9日から8月31日まで。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,612円 +310 円 (+5.9%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が急反発。8日取引終了後に発表した22年3月期第3四半期(4~12月)決算は、最終利益が前年同期比87%減の3926億1700万円だった。傘下のビジョン・ファンドの投資先の株価下落に伴い利益が急減した。また、英半導体設計子会社のアームを米画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>に売却する計画について断念したことも合わせて発表した。アームについては22年度中に株式上場を進める計画としており、ナスダック市場が有力視されているが、現時点では不透明な部分もある。足もとの業績低迷とアーム売却の頓挫という2つのネガティブ材料が表面化しているが、いずれも株価には事前に織り込みが進んでいた。上限1兆円枠の自社株買いも継続的に実施していることで、今のところ下値を売り込む動きはみられない。
■ネクソン <3659> 2,445円 +133 円 (+5.8%) 本日終値
8日に決算を発表。「前期最終は2倍増益で上振れ着地・10-12月期(4Q)最終は黒字浮上、今期業績は非開示、前期配当を2.5円増額・今期は2.5円増配へ」が好感された。
ネクソン <3659> が2月8日大引け後(15:00)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。21年12月期の連結最終利益は前の期比2.0倍の1148億円に急拡大し、従来予想の948億円を上回って着地。なお、22年12月期の業績見通しについては配当(10円)以外は開示しなかった。
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■大阪ソーダ <4046> 3,115円 +169 円 (+5.7%) 本日終値
8日に決算を発表。「4-12月期(3Q累計)経常が63%増益で着地・10-12月期も59%増益」が好感された。
大阪ソーダ <4046> が2月8日大引け後(17:00)に決算を発表。22年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比63.5%増の106億円に拡大し、通期計画の114億円に対する進捗率は93.2%に達し、5年平均の78.9%も上回った。
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■マルマエ <6264> 2,490円 +134 円 (+5.7%) 本日終値
マルマエ<6264>は後場一段高。午前11時30分ごろ、第2四半期累計(21年9月~22年2月)単独業績予想について、売上高を35億4000万円から39億円(前期比69.6%増)へ、営業利益を9億円から11億8400万円(同2.8倍)へ、純利益を6億2300万円から8億3600万円(同2.8倍)へ上方修正し、あわせて中間・期末各18円の年36円を予定していた配当予想を中間・期末各22円の年44円(前期24円)に引き上げたことが好感された。半導体分野の市場が好調に推移したことに加えて、FPD分野も想定以上に好調だったこと、更にその他分野でも太陽電池製造装置向けの受注が想定以上だったことなどが要因という。また、材料費や外注費が想定よりも低くなることなども寄与する。
■日産自動車 <7201> 626.6円 +33.6 円 (+5.7%) 本日終値
8日に決算を発表。「今期最終を14%上方修正」が好感された。
日産自動車 <7201> が2月8日大引け後(16:25)に決算を発表。22年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結最終損益は2013億円の黒字(前年同期は3677億円の赤字)に浮上して着地した。併せて、通期の同損益を従来予想の1800億円の黒字→2050億円の黒字(前期は4486億円の赤字)に13.9%上方修正した。
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