【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):日東電、ソニーG、日電産
日東電 <日足> 「株探」多機能チャートより
日東電工<6988>は買い先行も、急速に伸び悩む展開。同社は26日取引終了後、22年3月期連結業績予想について、売上高を8450億円から8550億円(前期比12.3%増)へ、営業利益を1260億円から1330億円(同41.8%増)へ、純利益を900億円から950億円(同35.3%増)へ上方修正すると発表した。株価は全体相場の地合いが悪化する中で、寄り付きの買いが一巡した後は失速した。プリント回路でのハイエンドスマートフォン向け高精度基板の需要増や核酸受託製造における新型コロナウイルスのワクチンに使用される核酸アジュバント(核酸免疫補強材)の需要拡大などにより、業績は当初の予想を上回る見通し。また、為替レートが想定より円安で推移しており、収益の押し上げが見込まれるため、今回上方修正したという。なお、22年3月期第3四半期累計(4~12月)連結営業利益は1083億3400万円(前年同期比42.7%増)だった。
■ソニーグループ <6758> 11,770円 -850 円 (-6.7%) 本日終値
ソニーグループ<6758>が6%超安に売り込まれ、26週移動平均線を大きく下放れる展開となった。同社株は昨年来、好業績を背景に海外機関投資家の実需買いが観測されていたが、ここにきて米国発のリスクオフ相場が加速し、「海外ファンドなどの買いポジションを低める動きが下げを加速させている」(国内証券ストラテジスト)もようだ。同社はCMOSイメージセンサーで高い商品シェアを誇り、台湾の半導体受託生産大手であるTSMC<TSM>と国内半導体工場建設で連携するなど、半導体セクターのキーカンパニーとしての位置付けや、音楽や映画分野などコンテンツ分野も好調で収益貢献が見込まれ、海外筋の評価は高かった。しかし目先は全体波乱相場に巻き込まれる展開となっている。
■日経レバ <1570> 12,850円 -885 円 (-6.4%) 本日終値
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>の下げが加速、6%超の下げで一気に1万3000円台を割り込んだ。日経レバは日経平均株価に連動するように組成されたETFで基本的に変動率が日経平均の2倍に設定されておりボラティリティが高いのが特徴。全体相場が上下に値動きが荒くなる場面では、値幅取りを狙った個人投資家などの短期資金の売りや買いが活発化する傾向がある。きょうはFOMC通過後の米国株市場が軟化したことを受け、東京市場でもリスク回避の売り圧力が強まった。後場に入り先物を絡め日経平均の下げが加速しており、日経レバも一段安で2020年11月下旬以来約1年2カ月ぶりの安値水準に売り込まれた。売買代金は全市場を通じて群を抜いている。
■インフォコム <4348> 1,712円 -116 円 (-6.4%) 本日終値
インフォコム<4348>は大幅に4日続落。同社はきょう正午に、22年3月期連結業績予想について、売上高を700億円から660億円(前期比3.0%減)へ、営業利益を110億円から105億円(同2.9%減)へ、純利益を73億円から70億円(同11.5%増)へ下方修正すると発表した。ネットビジネス・セグメントの電子コミック配信サービスにおいて、海賊版サイトの影響拡大と外出自粛による特需剥落による業績への影響が拡大したため。22年3月期第3四半期累計(4~12月)連結営業利益は70億7300万円(前年同期比0.5%減)だった。あわせて、期末に記念配当10円を実施することで年間配当予想を40円から50円(前期は37円)へ上方修正すること、及びクラウドコンピューティングを活用したシステム企画・開発を行うオルターブース(福岡市中央区)の議決権割合51%の株式を31日に取得する予定であることも発表した。
■日本電産 <6594> 9,580円 -630 円 (-6.2%) 本日終値
26日に決算を発表。「10-12月期(3Q)最終は6%減益、今期配当を5円増額修正」が嫌気された。
日本電産 <6594> が1月26日大引け後(15:15)に決算(国際会計基準=IFRS)を発表。22年3月期第3四半期累計(4-12月)の連結最終利益は前年同期比20.1%増の1004億円に伸びたが、通期計画の1480億円に対する進捗率は67.9%にとどまり、5年平均の78.2%も下回った。同時に、今期の年間配当を従来計画の60円→65円(前期は60円)に増額修正した。
⇒⇒日本電産の詳しい業績推移表を見る
■日本航空電子工業 <6807> 1,756円 -96 円 (-5.2%) 本日終値
日本航空電子工業<6807>は大幅安。26日の取引終了後、22年3月期第3四半期累計(21年4~12月)の決算を発表し、売上高は1697億5100万円(前年同期比11.4%増)、営業利益は144億7300万円(同3.3倍)だった。大幅増収増益での着地となったものの、材料出尽くし感から目先利益確定売りが優勢になっているとみられ、全体波乱相場のなか大きく売られる展開となった。主力のコネクター事業を中心に受注や売り上げの拡大を図るとともに、内製化の更なる強化によるコストダウンや設備効率化、諸費用抑制などを推進した。なお、通期の売上高は2270億円(前期比8.2%増)、営業利益は185億円(同2.1倍)の見通し。
■JFEシステムズ <4832> 2,090円 -110 円 (-5.0%) 本日終値
JFEシステムズ<4832>が反落。26日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、営業利益を52億7000万円から54億7000万円(前期比17.2%増)へ、純利益を35億円から36億4000万円(同18.0%増)へ上方修正したが、全般安もあって好材料視する動きは限定的となった。売上高は510億円(同9.8%増)の従来見通しを据え置いたものの、第3四半期において開発生産性の向上や経費支出の抑制がみられたことが利益を押し上げる。なお、第3四半期累計(4~12月)決算は、売上高371億5900万円(前年同期比11.8%増)、営業利益41億6400万円(同35.7%増)、純利益27億7800万円(同37.9%増)だった。
■良品計画 <7453> 1,553円 -63 円 (-3.9%) 本日終値
良品計画<7453>、ユナイテッドアローズ<7606>、TOKYO BASE<3415>など小売り関連株が売り込まれた。新型コロナウイルスのオミクロン株への感染が国内でも加速するなか、まん延防止等重点措置などの影響もあって個人消費動向への影響が懸念されている。26日は全国で感染者数が初の7万人超えとなり、コロナ患者向け病床使用率も急上昇している。小売セクターは、ネットショッピングなどの巣ごもり需要開拓で業績へのダメージは緩和できる部分もあるが、感染者拡大に歯止めがかからない現状は、消費意欲の低下が想定され総じて株価にはネガティブに働いている。
■J-オイルミルズ <2613> 1,664円 -58 円 (-3.4%) 本日終値
J-オイルミルズ<2613>は続落。26日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を2050億円から2015億円(前期比22.3%増)へ、営業利益を26億円から5000万円(同99.3%減)へ、純利益33億円から19億円(同63.8%減)へ下方修正したことが嫌気された。原料コストの上昇に見合った販売価格改定の実現が想定より遅れていることが要因。また、コロナ禍の長期化により業務用市場の回復が想定より下回っていることも損益を悪化させる。
株探ニュース