【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(3):資生堂、JT、ラクオリア
JT <日足> 「株探」多機能チャートより
長瀬産業<8012>は3日ぶりに反発。同社は20日取引終了後、脳波ウェアラブルデバイスとAI技術を活用した睡眠測定サービスを提供するS’UIMIN(東京都渋谷区)に出資すると発表した。S’UIMINは筑波大学発のスタートアップ企業で、脳波を測定するウェアラブルデバイスと、そこから得られた睡眠データを独自のアルゴリズムに基づき、AIで自動解析して睡眠状態を高精度で可視化するサービス「InSomnograf」を開発・提供している。長瀬産では出資を通じて、家電や寝具、食品メーカー向けに製品評価や企業の健康経営ビジネスにおける活用を見据えており、BtoB向けの市場も開拓する方針とした。
■東亞合成 <4045> 1,180円 +17 円 (+1.5%) 本日終値
東亞合成<4045>が3日ぶりに反発。20日の取引終了後、310万株(発行済み株数の2.42%)の自社株を12月28日付で消却すると発表しており、これが好材料視された。なお、消却後の発行済み株数は1億2520万株となる予定だ。
■資生堂 <4911> 6,587円 +79 円 (+1.2%) 本日終値
資生堂<4911>が3日ぶり反発。同社はきょう、資生堂(中国)投資を通じて、中国テクノロジー大手のテンセントと3年間のグローバル戦略的パートナーシップを締結したと発表。同社では、これによりD2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)モデルの構築や、ソーシャルメディア(SNS)とEコマースを掛け合わせて商品の販売促進を行うソーシャルコマースを強化し、世界中の中国人消費者に新たなサービスを提供していくとしている。
■ヘリオス <4593> 1,291円 +9 円 (+0.7%) 本日終値
ヘリオス<4593>は続伸。同社はきょう正午に、広島大学大学院医系科学研究科の消化器・移植外科学(大段秀樹教授)と、遺伝子編集NK細胞「HLCN061」を用いた肝細胞がんに対するがん免疫細胞療法に関し、共同研究契約を締結したと発表した。ヘリオスはiPSC再生医薬品分野において、固形がんを対象に、遺伝子編集技術により特定機能を強化した他家iPS細胞由来NK細胞を用いた次世代がん免疫細胞療法の研究・開発を行っている。現在、「HLCN061」が抗腫瘍効果をより発揮しやすい固形がんの種類の探索を進めている。共同研究では、「HLCN061」の肝細胞がんに対する抗腫瘍効果を試験管内で特性解析した後に、担がんヒト肝細胞キメラマウスなどの動物モデルで評価する予定としている。
■JT <2914> 2,391.5円 +13.5 円 (+0.6%) 本日終値
JT<2914>、日本カーボン<5302>、住友ゴム工業<5110>など12月決算で配当利回りの高い銘柄に買いが優勢となった。今月28日に権利取り最終売買日を控え、駆け込みの買いを引き寄せている。きょうは全体相場が先物主導の戻りをみせているが、インデックス売買の恩恵を受ける主力銘柄とは別に、個人、機関投資家を問わずインカムゲイン狙いの投資資金が動きをみせている。
■日本M&A <2127> 2,698円 -327 円 (-10.8%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
日本M&Aセンターホールディングス<2127>は急落。同社は20日取引終了後、連結子会社である日本M&Aセンターの売上高の期間帰属などに関して疑義のある事象が判明したため、事実関係の調査を開始したと発表した。日本M&Aセンターでは四半期ごとに仲介者として担当する業務のM&A成約などに伴う売上認識をしているが、社内報告によって一部不適切なものが指摘され、社内で確認の結果、発見されたという。その事実関係解明のために、外部専門家の協力のもとで過去5年間の社内調査を実施する。なお、日本M&Aでは現時点の認識として、各四半期の売上計上の期間帰属などのいわゆる期ずれを中心とする影響があるものと認識しているとした。
■日機装 <6376> 785円 -38 円 (-4.6%) 本日終値 東証1部 下落率4位
日機装<6376>が大幅3日続落。20日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を1745億円から1700億円(前期比7.2%増)へ、営業利益を90億円から40億円(同60.9%減)へ、純利益を47億円から9億円(同86.3%減)へ下方修正したことが嫌気された。ベトナムの血液回路工場で21年7月以降新型コロナウイルス感染症蔓延による工場稼働の制限を余儀なくされたことに加えて、他社品調達に伴う調達コストの増加や、航空便利用による物流費の高騰の影響を受け、医療部門の営業利益が大きく減少する見通しであることが要因としている。また、ヘルスケア事業で装置単体販売が振るわなかったことや、工業部門で主力の海外子会社2社がプロジェクト遅延などの影響を受けたこと、宮崎インダストリアル工場の一部稼働の遅れなどで製品出荷が伸び悩んでいることなども響くとしている。
■TSIホールディングス <3608> 324円 -1 円 (-0.3%) 本日終値
TSIホールディングス<3608>は3日続落。同社は20日取引終了後、日本政策投資銀行(東京都千代田区)との資本・業務提携を契約満了に伴い、解消したと発表した。15年に提携し、人材やネットワークの紹介などで一定の成果をあげることができたため、TSIHDでは独自の成長戦略を柔軟に推進できるようにすることが望ましいとの判断から、19年7月に提携解消を決めたとしている。なお、日本政策投資銀行は8月31日時点でもTSIHDの862万5000株(発行済み株式の9.4%)を保有しているという。
■サイジニア <6031> 1,429円 +211 円 (+17.3%) 一時ストップ高 本日終値
サイジニア<6031>が4日ぶりに急反発。同社はきょう、Yext(東京都港区)が展開するYext App Directoryパートナープログラムのソフトウェアベンダーに認定されたと発表しており、これが株価を刺激したようだ。Yext App Directoryは、Yextのアプリケーションパートナーエコシステム。同社は企業やブランドが自社の公開情報を一元管理するためにYextプラットフォームに登録されたビジネス情報をYahoo!プレイス形式に変換するアプリを開発し、きょうからYext App Directoryでの提供を開始するとしている。
■ラクオリア創薬 <4579> 1,017円 +150 円 (+17.3%) ストップ高 本日終値
ラクオリア創薬<4579>がストップ高。20日の取引終了後、同社が創製した新規ナトリウムチャネル遮断薬RQ-00350215に関するライセンス契約を久光製薬<4530>と締結したと発表し、あわせて業績予想を上方修正したことが好感された。今回のライセンス契約締結により、ラクオリアは久光薬に同化合物の全世界を対象とした独占的な開発・製造・販売権を供与する。ラクオリアはその対価として久光薬から契約一時金6億円を受領するほか、開発段階に応じたマイルストンとして最大で約30億円を受け取る可能性がある。また、同化合物を含有する医薬品の承認販売に至った場合、販売ロイヤルティーとして1ケタ代後半の料率のロイヤルティーのほか、販売額に応じた販売マイルストンとして最大で百数十億円を受け取る権利を得るとしている。これに伴い21年12月期の連結業績について、売上高を22億4600万円から27億9800万円(前期比2.5倍)へ、営業利益を6100万円から7億700万円(前期4億8600万円の赤字)へ、最終利益を1億1800万円から7億5000万円(同6億600万円の赤字)へ上方修正した。久光薬とのライセンス契約による影響に加えて、前臨床試験を含む委託試験などの研究開発費が翌期にずれ込んだことなどが寄与する。
●ストップ高銘柄
キャンバス <4575> 224円 +50 円 (+28.7%) ストップ高 本日終値
アミタホールディングス <2195> 16,570円 +3,000 円 (+22.1%) ストップ高 本日終値
CCT <4371> 7,590円 +1,000 円 (+15.2%) ストップ高 本日終値
ブラス <2424> 784円 +100 円 (+14.6%) ストップ高 本日終値
など、5銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース