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【市況】株価指数先物【引け後コメント】 2万8000~2万8500円のレンジにシフトしてくるかに注目


 日経225先物(12月限)は320円高の2万8070円で取引を終了。寄り付きは2万7870円とシカゴ日経平均先物清算値(2万7895円)にサヤ寄せする格好から買い先行で始まった。その後、「NY州で5人のオミクロン株感染を確認」と伝わると、ショートの動きから軟化し、一時2万7580円まで下落幅を広げる場面もあった。もっとも、グローベックスの米先物はこの報道にそれほど反応を示さなかったほか、ここ最近は2万7500円辺りでの底堅さが意識されていることもあり、売り一巡後は2万7700円辺りでの底堅い値動きが続いた。そのまま後場は保ち合いが続くとみられていたなか、「米製薬大手メルク<MRK>の日本法人MSDは、新型コロナ治療薬の飲み薬について厚生労働省に承認申請」との報道を受けてショートカバーが強まった。引けにかけて強い基調が継続し、2万8070円と本日の高値で取引を終えた。

 NT倍率は先物中心限月で14.30倍に低下した。東証1部の値上がり銘柄数が2000を超えるなか、ファーストリテイリング<9983>や東京エレクトロン<8035>、ソフトバンクグループ<9984>など指数インパクトの大きい値がさ株が弱い値動きとなったことが日経平均型の重荷となり、NT倍率の低下につながったようだ。10月6日につけた14.11倍を意識したトレンド形成には注意する必要が出てきた。

 日経225先物は午後5時時点で一時2万8160円まで上げ幅を広げている。直近で上値を抑えられていた5日移動平均線を突破してきたことで、2万8000円~2万8500円のレンジにシフトしてくるかが注目されよう。グローベックスの米先物もNYダウ先物が100ドル高程度で推移している。米国市場が続伸となれば、センチメント改善にもつながりそうだ。

 ただし、来週は週末に12月限の先物オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えており、商いは限月後退に伴うロールオーバーが中心となる。積極的にトレンドを取りに行く商いは限られると想定されるため、まずは2万8000円を固めておきたいところだろう。

 手口面では日経225先物はABNアムロが1120枚、ソジェンが740枚、みずほが680枚、JPモルガンが520枚程度の買い越しに対して、野村が1400枚、バークレイズが1300枚、大和が810枚、クレディスイスが660枚程度の買い越しだった。TOPIX先物ではゴールドマンが9130枚、BofAが1570枚、バークレイズが1010枚程度の売り越しに対して、ソジェンが2860枚、みずほが2500枚、HSBCが2200枚、野村が2120枚程度の買い越しだった。ロールオーバーの商いが増えている状況である。

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