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【市況】ダウ平均は反落 早期利上げ期待の高まりへの警戒感も指摘される=米国株概況

NY株式17日(NY時間16:24)
ダウ平均   35931.05(-211.17 -0.58%)
S&P500    4688.67(-12.23 -0.26%)
ナスダック   15921.57(-52.29 -0.33%)
CME日経平均先物 29560(大証終比:-130 -0.44%)

 きょうのNY株式市場でダウ平均は反落。先週の米消費者物価指数(CPI)から前日の米小売売上高まで、米経済指標はFRBの早期利上げ期待を高めている。きょうはその動きへの警戒感が出ていたとの指摘も出ている。

 市場の一部ではFRBは資産購入ペース縮小を早期に終了し、来年の第2四半期にも利上げを開始するとのシナリオを描き始めている。FF金利先物市場が織り込む2022年3月の利上げ確率は先月の11.8%から20.9%に上昇。

 これまでのところ、インフレ上昇は経済成長を抑制していないことが示されているが、更に上昇するようであれば、景気回復を弱める可能性がある。今週は小売企業の決算が発表されており、好調な内容が相次いでいる。しかし、高インフレの長期化、それと伴に早期利上げ期待が更に高まるようであれば、株式市場を支えた第3四半期の好決算は陰に隠れてしまい兼ねないとの声も聞かれる。

 きょうはビザ<V>の下げがダウ平均を圧迫した。アマゾン<AMZN>が来年から、英国でのビザカードの受け入れを停止すると発表したことが嫌気されている。アマゾンはユーザーがビザカードを利用した際の手数料の高さに不服を申し立てており、今回はそれに伴う措置。

 セクター別ではエネルギーや銀行、産業株が軟調。航空株も下落していた。一方、IT・ハイテク株はまちまちの中でナスダックは軟調な推移となった。ハイテク分野は軟調だった一方、IT分野は堅調な動きも見せていた。

 ボーイング<BA>が上昇。アナリストが投資判断を「買い」に引き上げ、目標株価を272ドルに引き上げた。

 ディスカウントストアのターゲット<TGT>が下落。取引開始前に8-10月期決算(第3四半期)を発表し、好調な数字ではあったものの、粗利益率が予想を下回ったことが嫌気されている。

 スタートアップの電気自動車(EV)に利益確定売り。先週上場したリビアン<RIVN>が人気化し、ルシード<LCID>などのライバルも動意づいたが、きょうは利益確定売りが強まっている。

 家庭用品を中心としたアパレルを手掛けるTJX<TJX>が上昇。8-10月期決算(第3四半期)を発表しており、1株利益、売上高とも予想を上回った。

 バイオ医薬品のキャッサバ・サイエンシズ<SAVA>が大幅安。同社が、アルツハイマー治験薬のデータを不正に操作したとして、米証券取引委員会(SEC)が調査していると伝わった。

 ペイパル<PYPL>が4日ぶりに反落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げ、目標株価も220ドルに引き下げた。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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