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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):TDK、ネクソン、富士通

TDK <日足> 「株探」多機能チャートより
■デクセリアルズ <4980>  2,840円  +500 円 (+21.4%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ
 デクセリアルズ<4980>がストップ高に買われた。1日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を725億円から890億円(前期比35.2%増)へ、営業利益を119億円から210億円(同85.2%増)へ、純利益を70億円から130億円(同2.4倍)へ上方修正し、あわせて中間・期末各29円の年58円を予定していた配当予想を各30円の年60円に引き上げたことが好感された。上期において、技術トレンドに合致した高付加価値製品の拡大や新規顧客・案件の獲得、新製品の貢献などで売上高が好調に推移し、下期も高付加価値製品や新製品の拡大が続く見込みであることが要因としている。 なお、第2四半期累計(4~9月)決算は、売上高445億6200万円(前年同期比44.9%増)、営業利益122億9600万円(同2.6倍)、純利益77億円(同3.6倍)だった。同時に、上限を150万株(発行済み株数の2.34%)、または30億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は21年11月2日から22年1月31日までで、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を通じて、企業価値の向上を図ることが目的としている。

■日新 <9066>  1,907円  +235 円 (+14.1%)  本日終値  東証1部 上昇率4位
 日新<9066>は急伸し年初来高値を更新。1日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を1470億円から1530億円(前期比1.9%減)へ、営業利益を40億円から64億円(同2.5倍)へ、純利益を27億円から49億円(同2.4倍)へ上方修正したことが好感された。上期において荷動きが好調だったほか、輸送スペースが逼迫するなか、通常貨物に加え緊急貨物の取り扱いも増加したことが要因としている。

■アドウェイズ <2489>  920円  +103 円 (+12.6%)  本日終値  東証1部 上昇率5位
 アドウェイズ<2489>が急騰。1日の取引終了後、21年12月期(決算期変更に伴う9カ月決算)の連結業績予想について、売上高を75億円から90億円へ、営業利益を4億9000万円から12億円へ、純利益を1億7000万円から9億5000万円へ上方修正し、あわせて2円70銭を予定していた期末一括配当を5円21銭に引き上げると発表したことが好感された。スマートフォン向け広告サービス「UNICORN」の認知度が向上し、アプリ広告だけではなくブランド広告でも需要が拡大したことに加え、QRコード決済アプリクライアントからの広告費が増加したことことが貢献する。また、中国でゲームアプリを展開するクライアントの中国国外への展開強化に伴うグローバル広告配信が増加したこと、台湾におけるデジタル広告市況が好調なことなども寄与する。

■TDK <6762>  4,485円  +360 円 (+8.7%)  本日終値  東証1部 上昇率8位
 TDK<6762>が急伸。同社は1日取引終了後、22年3月期連結業績予想について、売上高を1兆6000億円から1兆8000億円(前期比21.7%増)へ、営業利益を1500億円から1570億円(同40.8%増)へ、純利益を1000億円から1100億円(同38.6%増)へ上方修正すると発表しており、好感された。また、中間配当を95円から100円へ、期末配当予想を32円から36円へ増額することも発表しており、10月1日を効力発生日として1株を3株にする株式分割を踏まえると実質的な年間配当は208円で、前期180円との比較では28円の増配となる。あわせて発表した22年3月期第2四半期(4~9月)連結営業利益は800億3300万円(前年同期比28.2%増)だった。上期は自動車市場において部品搭載点数増加の傾向や部材在庫確保の動きにより旺盛な受注が継続し、受動部品やセンサーの販売が拡大した。また、ICT市場においてはノートパソコン、タブレット端末の堅調な需要の継続や5G関連需要の拡大により、二次電池、受動部品、センサーの販売が拡大した。さらに、前期は低調だったデータセンター向けの需要が回復し、サーバー用のHDDヘッドの販売も好調に推移しており、以上を踏まえて通期予想も見直すとしている。

■ENECHANGE <4169>  5,720円  +430 円 (+8.1%) 一時ストップ高   本日終値
 ENECHANGE<4169>が急反発。1日の取引終了後、電気自動車(EV)充電ステーション向けサービス「エネチェンジEV充電サービス」を開始すると発表しており、これが材料視されたようだ。このサービスは自動車の駐車スペースを持つオーナーに対し、初期費用無料、月額利用料のみでEV普通充電器を設置する公共充電サービス。今後、EVステーションオーナー向けの管理システムや、EV利用者向けのアプリケーションなどの開発も進め拡販を図っていく。

■グリー <3632>  1,035円  +74 円 (+7.7%)  本日終値  東証1部 上昇率10位
 グリー<3632>は大幅高で2017年6月以来、約4年5カ月ぶりに1000円台乗せを果たした。直近、米フェイスブックA<FB>がメタ・プラットフォームズに社名を変更し、VRなどの技術を活用した仮想空間「メタバース」の構築に注力する姿勢を示したことが話題を呼んでいる。ここ東京株式市場でもメタバースへの関心が急速に高まっており、足もと同関連に位置づけられる銘柄群に物色の矛先が向かった。こうしたなか、グリーは8月にメタバース事業への参入を発表、今後2~3年で100億円規模の投資を行い、全世界で数億人のユーザー獲得を目指す方針を明らかにしており、同関連の中核として今後の展開が期待されたようだ。また、現在実施中の自社株買いも引き続き株価に追い風として働いた。

■ネクソン <3659>  2,088円  +139 円 (+7.1%)  本日終値
 ネクソン<3659>が大幅続伸。同社は1日、「アラド戦記モバイル」の配信を韓国で22年第1四半期(1~3月)に開始する予定だと発表しており、期待感が高まるかたちとなったようだ。「アラド戦記モバイル」は、同社オリジナルIP(知的財産)の「アラド戦記」をモバイル端末向けに最適化されたタイトルで、パソコン版「アラド戦記」の登録者数は全世界で7億人を超えている。なお、同作の中国サービス開始については、パブリッシングパートナーであるテンセントゲームズ(中国)と調整を続けているとしている。

■FRONTEO <2158>  2,773円  +179 円 (+6.9%)  本日終値
 FRONTEO<2158>の上昇トレンドが止まらない。時価総額は既に1000億円を超えPERは144倍前後に達しているが、株式需給面で株高誘導材料が多い。浮動株比率は3割前後あるものの、機関投資家とみられる組み入れの動きが観測され実質品薄状態にあり、貸株調達による空売りの買い戻しなども踏み上げに近い形で株価に浮揚力を与えている。ポイントとなるのはビジネスモデルに対する成長期待。人工知能(AI)を活用したリーガルテック事業のほか、AI技術を横展開してライフサイエンス分野なども深耕、ビジネス領域を次第に広げている。きょうは、前日取引終了後に国際的な不正調査案件において、AIを活用した文書レビューツール「KIBIT Automator」を活用することで、レビュー担当者による判断ミスを効率的に検出し、エラー率の大幅な改善を実現したことをリリース、重要文書の見逃しを無作為抽出の約8倍の精度で検出できるというもので、これが株価の刺激材料となった。

■京セラ <6971>  7,151円  +362 円 (+5.3%)  本日終値
 京セラ<6971>が大幅高で3連騰、7000円大台へ復帰した。同社は1日取引終了後、22年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来見通しの1170億円から1460億円(前期比2.1倍)に大幅上方修正した。半導体製造装置用ファインセラミック部品や高速通信規格5G向けセラミックパッケージの需要拡大が収益に強力な追い風となっている。半導体の部材不足などサプライチェーン問題によるコスト増を吸収しての大幅増額で株価を強く刺激する形となった。また、好業績を背景に株主還元も強化する。今期の年間配当を従来計画の160円から180円に20円上乗せするほか、発行済み株式数の1.10%にあたる400万株、金額ベースで271億円を上限に自社株買いの実施も発表しており、これが物色人気を増幅させている。

■富士通 <6702>  20,750円  +795 円 (+4.0%)  本日終値
 富士通<6702>は全般地合い悪に抗して続伸、800円近い上昇で2万円大台を大きく回復してきた。同社株は前週28日に1700円を超える大幅安に見舞われたが、これはその前日引け後に発表された21年4~9月期決算が、好内容ではあったものの市場の事前コンセンサスに届かなかったということが売りの根拠となった。しかし、市場では「営業利益段階で前年同期の実績を3割強上回っており、半導体部材の供給遅れというサプライチェーン問題の影響をこなして、この数字を確保したのはむしろ評価できる」(中堅証券アナリスト)という見方もある、株価はいったん中期波動の分水嶺である75日移動平均線をマドを開けて下抜けたものの、きょうは機関投資家と思われる実需買いが観測されるなか、再び同移動平均線の上に浮上した。

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