【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:HENNGE、プレイド、鉄鋼株
日本製鉄 <日足> 「株探」多機能チャートより
HENNGE<4475>がストップ高。きょう付けの日本経済新聞電子版で「特定の企業や組織を狙い、マルウエア(悪意のあるプログラム)付きのメールを送りつける『標的型攻撃』の対策サービスを10月1日に始める」と報じられており、これが好材料視されている。記事によると、追加する新サービス「クラウドプロテクション」は、米マイクロソフト<MSFT>の「アウトルック」などメールソフトのクラウドと、HENNGEがID管理サービスを運用するクラウドを連携させ、外部からのメールがクラウドに届くと、利用者が受信する前にHENNGE側のクラウドで診断し、安全性を確認できたメールだけ受信を認めるという。なお、診断にはフィンランドのサイバー対策企業エフセキュアのエンジンを採用したとしている。
■プレイド <4165> 2,861円 +131 円 (+4.8%) 11:30現在
プレイド<4165>が続伸。前週末27日の取引終了後、CX(顧客体験)マネジメントクラウドサービスを手掛けるEmotion Techを子会社化し、21年9月期第4四半期から連結決算に移行すると発表した。これに伴い、21年9月期の最終損益見通しを1億3200万円の赤字から7800万円の赤字(前期12億700万円の赤字)へ見直しており、これが好感されているようだ。取得関連費用と段階取得に関する差益について、連結損益計算書上で調整が発生する見込みとなったことが要因。なお、売上高54億3700万円(同40億700万円)、営業利益1億5100万円(同10億7900万円の赤字)とする従来予想は連結決算移行後も据え置く。
■日本製鉄 <5401> 2,154.5円 +94.5 円 (+4.6%) 11:30現在
日本製鉄<5401>を筆頭に鉄鋼株への買いが目立つ状況となっている。業種別騰落率で「鉄鋼」は東証1部33業種中で上昇率トップとなっている。商品市況の上昇など川上インフレが鮮明となるなか、市況関連株への物色ニーズが高まっている。そのなか、前週に日本製鉄とトヨタ自動車<7203>との鋼材価格交渉が大幅な値上げで合意したことが伝わり、鉄鋼株の収益環境の追い風が改めて意識されている。鉄鋼セクターでは、日本製鉄系の鋼板大手である中山製鋼所<5408>の上げ足が際立ち、東証1部の値上がり率で上位3傑に食い込んでいる。中山鋼のPBRは前週末終値換算で0.2倍台にあり割安感が強い。
■フリー <4478> 8,460円 +310 円 (+3.8%) 11:30現在
東証マザーズ指数が反発。前週末こそ小幅安で引け上昇一服となったが、きょうは全体強気ムードのなかで切り返しに転じている。7月中旬から8月中旬にかけマザーズ指数の下落歩調が目立ち、8月18日ザラ場には、一部個人投資家の信用取引の追い証回避による投げなどが出てフシ目の1000ポイントを割り込む場面もあった。しかし、そこがターニングポイントとなり同日大引けに持ち直して下ヒゲ付きの大陽線を形成、以降順調な戻り足をみせている。目先テクニカル的にも5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを示現し、75日移動平均線とのマイナスカイ離もあと一歩で埋めるところまで来ている。きょうは、マザーズ時価総額上位のフリー<4478>やJMDC<4483>、ビジョナル<4194>、Appier Group<4180>といった銘柄が買われ全体指数を牽引している。
■三井化学 <4183> 3,680円 +125 円 (+3.5%) 11:30現在
三井化学<4183>が3日ぶりに反発している。前週末27日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これが好材料視されている。上限を350万株(発行済み株数の1.79%)、または100億円としており、取得期間は8月30日から11月19日まで。株主還元の充実及び資本効率の向上を目的としているという。
■九州FG <7180> 428円 +12 円 (+2.9%) 11:30現在
九州フィナンシャルグループ<7180>が堅調な動き。前週末27日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感されている。上限を800万株(発行済み株数の1.82%)、または30億円としており、取得期間は21年9月1日から22年3月24日まで。機動的な資本政策により、資本効率の向上を通じて株主への利益還元を図るとしている。
■日本郵船 <9101> 8,530円 +190 円 (+2.3%) 11:30現在
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が軒並み高。コンテナ市況の高騰など収益環境の変化を背景に足もとの業績が様変わりしており、PER・PBRの低さや配当利回りの高さなどを拠りどころに、ここにきて再び買い攻勢が目立っている。きょうも業種別騰落率で値上がり上位に入っている。コンテナ船市況だけではなく、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数も8月に入ってから急速に上昇、前週末時点で4235まで水準を切り上げている。これは2008年9月のリーマン・ショック直前の水準で約13年ぶりの高値圏にある。
■エン・ジャパン <4849> 3,640円 +55 円 (+1.5%) 11:30現在
エン・ジャパン<4849>が続伸している。この日、企業向けの営業支援事業を開始すると発表しており、これが好感されている。新事業「エンSX(セールストランスフォーメーション)」事業は、転職サイト事業などで得たセールス及びマーケティング機能を「B2Bセールスメソッド」として提供し、営業戦略・戦術のコンサルティングやセールス部門のアウトソーシング、デジタルマーケティング支援など、企業の状況や課題に合わせたSX支援を提供する。また、「エン転職」など同社が運営する採用支援サービスを通じてSX人材の採用・育成を支援するとしている。
■キユーピー <2809> 2,689円 +22 円 (+0.8%) 11:30現在
キユーピー<2809>は小幅続伸。前週末27日の取引終了後、9月13日付で自社株850万株(発行済み株数の5.67%)を消却すると発表しており、これが好材料視されている。なお、消却後の発行済み株数は1億4150万株となる予定だ。
■東京エレクトロン <8035> 46,420円 +340 円 (+0.7%) 11:30現在
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>など半導体製造装置関連株に買いが先行。前週末の米国株市場では米長期金利が急低下するなか、半導体関連株が買われ全体相場を牽引、半導体製造装置世界トップのアプライド・マテリアルズ<AMAT>は3%超に買われる人気となった。また、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も約2%高と大きく切り返し、8月4日の最高値を指呼の間に捉えている。高速通信規格5Gの普及加速を背景とした半導体需要の高まりで、半導体需給が逼迫し足もとの製造装置需要を喚起している状況にある。微細化ニーズが一段と高まるなか、EUV(極端紫外線)露光装置ではオランダのASMLがマーケットシェアをほぼ独占しているが、同分野における塗布・感光装置では東エレクが、マスクブランクス検査装置ではレーザーテックがそれぞれ商品シェアをほぼ100%確保している状況にあり、市場の注目度が高い。ただ、レーザーテックについてはPERが90倍台と高いことから高値警戒感も意識され、2万2000円台では売り圧力も強い。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,154円 -27 円 (-0.4%) 11:30現在
ソフトバンクグループ<9984>が小幅ながら3日続落。8月23日のザラ場6000円台割れをターニングポイントに戻りに転じる兆しもあったが、戻し切れない。引き続き上値の重い展開で信用買い残の整理が進捗しないなかで、25日移動平均線を上値抵抗ラインとする下げトレンドが続いている。同社は米ハイテク企業への投資に積極的でありナスダック総合指数との株価連動性が指摘されてきたが、それも足もとでは機能しなくなっている。直近の株価刺激材料としては、同社が出資するカーシェアリング企業の米ゲットアラウンドがSPAC(特別買収目的会社)との合併を通じ上場を検討しているとの報道が取り上げられたが、市場では「投資家の視線は中国の規制リスクに向いており、こちらにある程度アク抜け感が出ない限りは本格的な反騰は難しいのではないか」(ネット証券アナリスト)という声もある。
■鈴与シンワート <9360> 2,380円 +400 円 (+20.2%) ストップ高買い気配 11:30現在
鈴与シンワート<9360>がカイ気配で続急騰。前週末は全市場で値上がり率トップとなる400円高はストップ高で買い物を残して引け、きょうもその余勢を駆ってカイ気配となっている。システム受託開発からパッケージソリューションサービスなど幅広く展開、NTTデータ<9613>の2次下請け開発を手掛け、NECグループなどを主要取引先としていることで安定した成長基盤を持っている。今週9月1日から発足するデジタル庁に関連する電子署名関連の有力株として目先投資資金の攻勢が継続。同社は昨年9月から印鑑Bot「Biz-Oin(ビズ オーイン)」の提供を開始。これはビジネスチャットと印鑑BotのAPI連携でテレワーク環境での押印を可能とし、ワークフロー処理の時間を大幅に短縮できるもので、需要開拓に期待がかかる。株価は小型材料株ならではの足の速さが特長で、昨年9月から10月にかけて短期間で5110円まで駆け上がり株価を5倍化させた経緯があるだけに、目先追随買いを誘っている。
■カノークス <8076> 1,104円 +150 円 (+15.7%) ストップ高買い気配 11:30現在
カノークス<8076>がストップ高の1104円水準でカイ気配となっている。前週末27日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を1118億6600万円から1164億3800万円(前期比10.1%増)へ、営業利益を11億9300万円から22億5900万円(同2.7倍)へ、純利益を9億1100万円から15億8700万円(同2.5倍)へ上方修正し、あわせて中間・期末各25円の年50円を予定していた配当予想を中間・期末各40円の年80円に増額修正したことが好感されている。鋼材の市中在庫のひっ迫が顕在化して鋼材市況が上昇していることや、国内自動車生産が回復基調であることなどを受けて、想定を上回るペースで業績が推移していることが要因としている。なお、年間配当は前期実績に対して50円の増配になる予定だ。
■グローバルウェイ <3936> 5,240円 +705 円 (+15.5%) ストップ高買い気配 11:30現在
グローバルウェイ<3936>ストップ高カイ気配。就活の口コミサイトや法人向けクラウド開発などを手掛けている。前週末27日は26日に発表された1対5の株式分割が材料視され700円高のストップ高に買われていたが、27日取引終了後に22年3月期通期の最終利益予想の上方修正を発表したことから、改めて株価を刺激する格好となっている。今期最終利益は従来予想の9500万円から1億2300万円に増額した。エモーションテック社との資本・業務提携解消に伴い保有株式を売却し、特別利益を計上したことによるもの。また、東証がグローバルウェイ株式について、30日売買分から信用取引の臨時措置を解除したほか、日証金も増担保金徴収措置を解除したことも需給面から追い風となっている。
■日鍛バルブ <6493> 357円 +32 円 (+9.9%) 11:30現在
日鍛バルブ<6493>が急動意。自動車用エンジンバルブメーカーとして、世界的に好調な自動車販売需要を取り込み、22年3月期営業利益は31億5000万円予想(前期実績は1800万円)と急回復見通しにある。エンジンバルブの中に空洞を作り、金属ナトリウムを封入した中空エンジンバルブを戦略的に展開し、とりわけ好採算の傘中空エンジンバルブが業績に寄与している。PERが6倍台であるほか、PBRは解散価値の半値以下である0.4倍台に放置されるなど株価は依然として超割安圏に位置するといってよく、水準訂正高を見込んだ投資資金の流入を誘っている。
●ストップ高銘柄
太洋物産 <9941> 996円 +150 円 (+17.7%) ストップ高 11:30現在
など、5銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース