【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):海運株、味の素、東エレク
郵船 <日足> 「株探」多機能チャートより
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>の大手3社をはじめNSユナイテッド海運<9110>、明治海運<9115>、乾汽船<9308>など海運株が全面高。全体相場は戻り局面にあるが、そのなかで海運株は業種別上昇率で5%近くに達し、33業種の中でも物色人気が際立っている。コンテナ船市況の高騰で、大手海運の業績変貌ぶりが注目を集めており、例えば郵船はPER2倍台、配当利回り8.8%前後と株価指標面では“常識外”の安値圏にある。23年3月期の業績悪化の可能性が一方的な買いを躊躇させているが、押し目買い需要は強い。
■味の素 <2802> 3,163円 +67 円 (+2.2%) 本日終値
味の素<2802>は反発し、連日の年初来高値更新となった。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が23日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を2900円から3500円へ引き上げた。同証券では同社について、高いコストマネジメント力と単価上昇の伴ったトップライン戦略が軌道に乗る海外調味料事業の安定成長に加えて、ハイエンドBtoB事業の成長加速により1ケタ後半の持続的利益成長が実現可能な食品メーカーであると指摘。22年3月期は想定以上の原材料コスト高を背景に加工用うま味調味料の利益予想を減額する一方、第1四半期で好スタートを切った海外調味料やヘルスケア部門の業績予想を増額し、事業利益予想を22年3月期で1160億円から1230億円へ、23年3月期で1240億円から1330億円へ引き上げている。
■東京エレクトロン <8035> 44,970円 +880 円 (+2.0%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、アドバンテスト<6857>、レーザーテック<6920>がいずれも買い優勢の展開。前日の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>が5.5%高と値を飛ばしたほか、ザイリンクス<XLNX>も6.4%高に買われるなど半導体関連株への物色人気が鮮明だった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は大幅高で3日続伸と上昇を加速させており、東京市場でも同関連株への投資資金流入を促す流れにある。東京エレクトロンは前日に1150円高と大幅な上昇をみせていたが、依然としてリバウンド余地が意識され、目先25日移動平均線が位置する4万5000円台を目指す動きに。
■INPEX <1605> 736円 +9 円 (+1.2%) 本日終値
ここ調整の続いていたINPEX<1605>が8日ぶりに反発に転じるなど資源開発関連株に買いが優勢となった。原油市況は世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気減速懸念から急速に水準を切り下げてきたが、前日のWTI原油先物価格は8日ぶりに急反騰した。終値ベースで3ドル50セント高の1バレル=65ドル64セントと大幅に上昇、これを受けて前日の米国株市場ではエネルギーセクターが買い戻され、エクソン・モービル<XOM>が4%高超に買われたほか、シェブロン<CVX>も上昇した。これを受けて東京市場でも原油価格と株価連動性の高いINPEXなどに買いが波及している。
■高砂熱学工業 <1969> 2,071円 +25 円 (+1.2%) 本日終値
高砂熱学工業<1969>が続伸。SMBC日興証券は23日、同社株の目標株価を2100円から2300円に引き上げた。投資評価は「2」を継続した。6日の第1四半期(4~6月)の決算発表と同時に、自己株式の取得(上限60億円)を公表したことを同社の総還元に対する前向きな姿勢を示すものとして評価している。また、同証券では22年3月期の連結営業利益は、産業空調の回復などで145億円(会社計画138億円)を予想している。
■サンアスタ <4053> 2,090円 +17 円 (+0.8%) 本日終値
Sun Asterisk<4053>が5日続伸。きょう昼ごろ、NFTマーケットプレイスを運営するDigital Entertainment Assetと資本・業務提携したと発表。この提携により、NFTやブロックチェーン技術を活用したプロダクト開発やエンターテインメント事業の拡大を図る方針。
■オムロン <6645> 10,150円 +80 円 (+0.8%) 本日終値
オムロン<6645>が続伸。前日にマドを開けて買われ、1万円大台に乗せ上場来高値を更新した。きょうも機関投資家とみられる実需買いが観測されるなか上値追いを続け、青空圏突入を印象づけている。制御機器の大手だが電子部品も手掛け、ヘルスケア事業にも積極展開を図っている。特に強みとする血圧計を生かして、コロナ禍でニーズが高まる遠隔診療分野に本格参入。今年4月から英国で高血圧症患者を対象とした遠隔診療をスタートさせ、グローバル戦略の第一歩を踏み出している。22年3月期営業利益は前期比12%増の700億円予想と2ケタ成長を見込むが、進捗率から判断して保守的で一段の上振れ余地を指摘する声が強い。
■日産化学 <4021> 6,030円 +20 円 (+0.3%) 本日終値
日産化学<4021>はしっかり。午後1時ごろ、8月31日付で自社株100万株(発行済み株数の0.69%)を消却すると発表。なお、消却後の発行済み株数は1億4300万株となる予定だ。
■ケイアイスター不動産 <3465> 5,130円 -730 円 (-12.5%) 本日終値 東証1部 下落率トップ
ケイアイスター不動産<3465>が急反落。23日の取引終了後、国内外で140万株の公募増資とオーバーアロットメントによる売り出しに伴う上限21万株の第三者割当増資を実施すると発表しており、一株利益の希薄化や需給悪化を懸念した売りが出たようだ。発行価格は9月1日から6日までのいずれかの日に決定する予定で、調達資金91億2100万円は分譲住宅事業の土地仕入れ・建築などに当てるという。
■昭和電工 <4004> 2,506円 -267 円 (-9.6%) 本日終値 東証1部 下落率2位
昭和電工<4004>は急落。23日の取引終了後、国内外で3266万5500株の公募増資を実施すると発表した。また上限252万4500株のオーバーアロットメントによる売り出しも実施する。これを受け、1株利益の希薄化を警戒する売りが膨らんだ。調達資金は約1093億円で、半導体材料の生産能力増強などに充てる。この公募増資に伴い発行済み株式数は最大で約23%増える見通し。発行価格は9月6日から8日までのいずれかの日に決定する。
株探ニュース