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【市況】株価指数先物【引け後コメント】 CスイスとJPモルガンのショートが裁定解消売りに波及する格好


大阪9月限
日経225先物 27480 -510 (-1.82%)
TOPIX先物 1922.0 -35.0 (-1.78%)

 日経225先物(9月限)は前日比510円安の2万7480円で取引を終了。寄り付きは2万7800円とシカゴ先物清算値(2万7900円)を下回って始まった。その後、寄り付き直後につけた2万7810円を高値に下げ幅を広げ、一気に2万7500円水準まで急落。その後、2万7500円~2万7600円で下げ渋る場面も見られたが、前引けにかけて下げ幅を広げると、ランチライムで一時2万7380円まで売られた。ただし、後場半ば以降はやや下げ渋る格好となり、2万7500円を挟んだこう着感の強い相場が続き、2万7480円で取引を終えた。

 新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の急激な感染拡大により、政府が緊急事態宣言の対象地域の拡大を検討と伝わるなか、ショートを仕掛ける動きにつながったようだ。また、アフガニスタンで反政府武装勢力タリバンが首都カブールを制圧するなど、地政学リスクも警戒されてリスクオフに向かったようである。

 日経225先物は一気に2万7500円水準まで急落したことでヘッジ対応の売り圧力も強まったと見られる。NT倍率は先物中心限月で一時14.23倍まで低下しており、8月3日につけた直近安値14.25倍を下回る場面が見られている。ただし、その後は持ち直して14.29倍で終えており、テクニカル面ではいったんはダブルボトムが意識されやすい面はある。

 また、注目されていた東京エレクトロン <8035> の決算については、2022年3月期通期の業績予想の修正を発表しており、コンセンサスを上回る上方修正となる。日経225先物は、まずは2万7500円水準での底固めから、2万7500円~2万8000円のレンジ内での推移を見せてくるかが注目される。

 手口面では、日経225先物はクレディスイスが2030枚、JPモルガンが1400枚、ドイツが970枚、ゴールドマンが710枚、BofAが600枚程度の売り越しに対して、ABNアムロが1660枚、SBIが520枚程度の買い越しだった。TOPIX先物はクレディスイスが1620枚、JPモルガンが1500枚、BofA1380枚、ドイツが1050枚程度の売り越しに対して、BNPパリバが2520枚、ABNアムロが2040枚、ソジェンが1790枚程度の買い越しだった。クレディスイス、JPモルガンは日経225先物、TOPIXいずれもショートポジションを積み増している。また、ショートの動きにより、BNPパリバ、ABNアムロ、ソジェンなどの裁定解消売り(先物買い・現物売り)に波及する格好に。

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