【市況】株価指数先物【寄り前コメント】 オプション権利行使価格の2万8125円と2万8250円のレンジ推移
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 28220 +150 (+0.53%)
TOPIX先物 1966.5 +11.5 (+0.58%)
シカゴ先物 28230 +160
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
11日の米国市場はNYダウ、 S&P500が上昇する一方で、ナスダックは下落。7月の消費者物価指数が前月比0.5%上昇と前月(0.9%上昇)から伸びが減速したことによりインフレ懸念が和らぐ格好となった。早期に景気緩和縮小に動くとの見方が後退し、買い安心感につながっている。10日に米議会上院でインフラ投資法案が可決したことを手掛りとした物色が継続するなか、グロースからバリューシフトの動きが目立ってきており、ナスダックは続落。S&P500業種別指数は運輸、銀行、素材が上昇する一方で、医薬品・バイオテクノロジー、半導体・同製造装置、自動車・同部品が下落。
シカゴ先物清算値は日中大阪比160円高の2万8230円で取引を終えた。日経225先物のナイトセッションは日中比変わらずの2万8070円で始まり、開始直後につけた2万8040円を安値に上昇基調が続き、米国市場の取引開始直後には2万8240円まで上昇幅を広げる場面が見られた。いったんは2万8140円水準まで上げ幅を縮めたものの、引けにかけて買い直されており、2万8220円とナイトセッションの高値水準で取引を終えている。
本日はシカゴ先物にサヤ寄せする形で、買い優勢で始まりそうだ。ナイトセッションではオプション権利行使価格の2万8125円と2万8250円でレンジ推移を見せており、2万8000円水準を支持線に変えてきたことでヘッジ対応の買いが意識されそうだ。また、昨日は指数インパクトの大きい値がさ株は弱い値動きではあったが、日経225先物が2万8000円を上回って推移していたこともあり、ショートカバーの動きが引き続き注目されよう。なお、足元ではクレディスイスがTOPIX先物にショートカバーの動きを見せている。
また、テクニカル面では切り上がる5日移動平均線を支持線としたリバウンドが継続するなか、上値抵抗線として意識されていた25日線を明確に上放れた。5日、25日線とのカイ離は20円程度に縮小してきており、短期ゴールデンクロス示現も近づいている。テクニカルシグナルの好転が期待されるなか、75日線が位置する2万8500円水準が次のターゲットとして注目されてくるだろう。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.35倍に低下した。足元で緩やかなリバウンドを見せているが、東京エレクトロン<8035>など指数インパクトの大きい値がさ株の弱い値動きが重荷となっている。ボトム水準からのNTショート(日経225先物売り・TOPIX先物買い)の巻き戻しを強めてくる動きを想定しておきたいところだが、米国市場でバリューシフトが見られているため、値がさハイテク株の動向に注目か。なお、VIX指数は16.06に低下しており、リスク選好に向かわせよう。
株探ニュース