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【市況】物色の流れとしては決算を手掛かりとした個別対応/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 30日の日本株市場は神経質な相場展開になりそうだ。29日の米国市場ではNYダウが153ドル高だった。連邦準備制度理事会(FRB)が当面のあいだ金融緩和を維持するとの期待に投資家心理が改善。第2四半期GDPが2四半期連続で6%台の成長を記録したほか、企業の好決算も手伝い、終日堅調推移となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比55円安の27755円。円相場は1ドル109円40銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする形から利食い優勢の展開になりそうだ。米国ではクアルコムが6%の上昇となるなど、半導体株の強い動きが目立っており、本日も波及を見せてくるかが注目されるところであろう。決算が評価されて買われたアドバンテスト<6857>辺りが本日も強含みの動きを見せてくるようだと安心感に繋がりそうだ。また、前日の日経平均のけん引役だったソフトバンクG<9984>への物色も投資家の関心を集めやすいところ。

 一方で、シカゴ先物の反応を見る限りでは、米国市場の上昇の影響は限られる可能性も意識されやすいだろう。月末最終日となることから、月末下落といったアノマリーを警戒する流れにもなりやすく、積極的に上値を狙った物色は期待しづらいところ。その他、中国の規制強化に関連した報道に振らされやすい需給状況が続いていることから、引き続きハンセン指数などの動向にも神経質になりやすいだろう。

 物色の流れとしては決算を手掛かりとした個別対応となる。足元では主力企業の好決算が目立っており、物色が強まっている。昨夕の決算ではファナック<6954>、キーエンス<6861>、村田製<6981>、オムロン<6645>辺りが注目されやすく、主力処が堅調推移となるようだと、安心感に繋がることが期待されてきそうだ。

 もっとも、月末のアノマリーのほか、政府は、神奈川、千葉、埼玉の3県と大阪に緊急事態宣言を出す方針を固めたと報じられている。期間は8月31日までで、東京、沖縄についてもあわせて延長となることから、アルゴ発動への警戒などから決算評価の物色についても沈静化してくる可能性があることは注意しておきたいところか。また、マザーズ指数は反発を見せたものの、調整トレンドのなかでの自律反発の域を脱しておらず、戻り待ちの売り圧力には注意する必要も。
《AK》

 提供:フィスコ

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