【注目】前週末4日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―
日ピス <日足> 「株探」多機能チャートより
■日ピス <6461> 1,517円 (+300円、+24.7%) ストップ高
東証1部の上昇率トップ。日本ピストンリング <6461> がストップ高まで買われ、年初来高値を更新した。同社は4日、メドトロニック(アイルランド)と植込型医療機器協同開発プログラムを開始したと発表しており、これが材料視されたようだ。メドトロニックは150ヵ国で事業を展開する世界的な医療機器メーカーで、心臓補助装置や頭部・脊椎手術用ロボット、インスリンポンプ、手術機器、患者モニタリングシステムなどを含む70種類以上の疾患に対する治療法を提供している。一方、同社は2014年以降、歯科用インプラントをメインとした歯科製品の製造・販売や、放射線科医療機器の輸入販売を手掛け、生体適合性の高い金属材料などの開発・製品化にも取り組んでいる。
■東ソワール <8040> 1,445円 (+170円、+13.3%) 一時ストップ高
東京ソワール <8040> [東証2]が12連騰と上げ足が止まらない。同社は婦人フォーマルウェアの最大手で百貨店や量販店向けに展開する。コロナ禍で業績は低迷しているものの、株価は需給思惑を背景に5月下旬から急速人気化した。4日は更に上値追いが加速し、カイ気配のまま水準を切り上げた。フリージア・マクロス <6343> [東証2]が3日付で財務省に提出した大量保有報告書と変更報告書によると、フリージアが保有する同社株の保有比率は7.75%となり、新たに5%を超えたことが判明、これが需給相場に拍車をかけている。
■サニックス <4651> 385円 (+40円、+11.6%)
東証1部の上昇率2位。サニックス <4651> が急反騰。3日に行われた国土交通省、経済産業省、環境省による有識者会議「脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会」で、国や地方自治体が公共建築物を新たにつくる場合は太陽光発電設備の設置を標準化することが盛り込まれていることを受けて、同社や明治機械 <6334> など太陽光発電関連の一角に思惑的な買いが入ったようだ。
■ASTI <6899> 3,200円 (+326円、+11.3%)
ASTI <6899> [東証2]が大幅高で3日続伸。5月14日に発表した中期経営計画で紹介された浜松市に建設予定の大原工場(仮称)が4日付の自動車専門紙電信版で取り上げられており、これが好材料視されたようだ。新工場は、電動車向け製品など低炭素社会関連事業の集約拠点として21年内に着工し、23年に完成する予定だ。
■富士石油 <5017> 300円 (+29円、+10.7%)
東証1部の上昇率3位。富士石油 <5017> が急反騰し年初来高値を更新した。旧村上ファンド系のシティインデックスイレブンス(東京都渋谷区)が3日の取引終了後、財務省に変更報告書を提出し、富士石油株の保有割合が5.03%から6.20%へ増加したことが判明しており、これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は引き続き、投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為などを行うこととしている。報告義務発生日は5月27日。
■稀元素 <4082> 1,837円 (+161円、+9.6%)
東証1部の上昇率7位。第一稀元素化学工業 <4082> が全体下げ相場に逆行し大幅高で4日続伸、連日の年初来高値更新となった。電材向けジルコニウム化合剤の大手で自動車排ガス触媒も製造するほか、燃料電池材料や電気自動車(EV)向け2次電池材料も手掛けていることで脱炭素関連の有力株として注目度が高い。業績面では22年3月期にトップラインが前期比24%増の高い伸びを見込んでおり、増収効果を背景に営業利益は前期実績に対し約1.5倍の30億円を計画している。信用買い残も軽く、株式需給面でも買いやすさがある。2017年9月に上場来高値1805円をつけているが、3年9ヵ月ぶりの更新が目前となった。
■東天紅 <8181> 1,103円 (+95円、+9.4%)
東証1部の上昇率8位。東天紅 <8181> が大幅に3日続伸。4日、上野動物園のジャイアントパンダ「シンシン」に妊娠の兆候が確認されたことが複数のメディアで報じられており、これを受けてパンダ関連株に位置づけられる同社に思惑的な買いが入ったようだ。同じく、仏料理店の老舗で上野周辺にも店舗を構える精養軒 <9734> [JQ]も上昇した。
■中発條 <5992> 1,327円 (+101円、+8.2%)
東証1部の上昇率9位。中央発條 <5992> が続急伸し年初来高値を更新した。3日の取引終了後、自動車の足回りに使用するシャシばね「スタビライザー」が、マツダ <7261> とホンダ <7267> に新たに採用されたと発表しており、これを好感した買いが入った。同製品は、車のカーブ時の走行安全性を高める重要な部品で、高い性能や品質が評価されたという。マツダへのシャシばねの納入は18年ぶりで、受注獲得に合わせて藤岡工場(愛知県豊田市)と100%子会社の長崎中発(長崎県)の工場それぞれに生産ラインを1本ずつ新設し、22年1月納入に合わせ生産体制を整える予定。また、ホンダはタイ子会社での受注獲得で、21年10月に生産を開始する予定。なお、タイでのシャシばね事業は、今後更なる拡販が決まっており、順次能力増強を図るとしている。
■フェローテク <6890> 3,210円 (+225円、+7.5%)
フェローテックホールディングス <6890> [JQ]が続急伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が3日付で、投資判断「バイ」を継続し、目標株価を3200円から4200円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、収益及び財務面で多大な負担となっていたシリコンウエハ子会社の非連結化と半導体マテリアル、パワー半導体用基板、電動車関連ビジネスなどの成長加速などを評価。また、旺盛な半導体設備需要及び生産活動の状況などを踏まえて、同証券の営業利益予想を22年3月期は157億円から160億円へ、23年3月期は180億円から192億円へそれぞれ上方修正している。
■バイセル <7685> 3,995円 (+275円、+7.4%)
BuySell Technologies <7685> [東証M]が急反発。4日、国内5店舗目となるリユース店舗である「なんばCITY店」(大阪市中央区)をオープンしたと発表しており、これが好材料視された。「なんばCITY店」は関西初の店舗で、同社店舗としては最大の敷地面積を生かし、ゆとりのある個室スペースを用意。同社では、気軽にリユース体験を提供するために19年12月からリユース品の買い取り・販売を行う店舗出店を進めており、今回の出店による業績への貢献が期待されている。
■小野測器 <6858> 585円 (+40円、+7.3%)
東証1部の上昇率10位。小野測器 <6858> は急伸。4日付の朝日新聞朝刊で、「自動車が実際に走行した時の燃費(実燃費)を正確に把握するため、国土交通省は、燃費を記録する装置を新車に搭載するよう、メーカーに義務づける方針を固めた」と報じられており、燃料計測装置や燃料流量計などを手掛ける同社に思惑的な買いが向かったようだ。記事によると、自動車メーカーが公表する「カタログ燃費」と実燃費とのずれを指摘する声が高まっていることを背景に、国交省が来週にも関係規定を改正し、早ければ23年10月以降の新車から順次適用する方針という。
■ワールド <3612> 1,588円 (+101円、+6.8%)
ワールド <3612> が大幅高で4日続伸。3日の取引終了後に発表した5月度の月次売上概況で、既存店売上高が前年同月比82.9%増と3ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。前年は緊急事態宣言の影響で休業店舗数が4月末時点で2227店あり、5月中に営業再開が進み月末には161店まで減少したものの、その反動が大きかった。
■ナノキャリア <4571> 308円 (+18円、+6.2%)
ナノキャリア <4571> [東証M]が続急伸。4日午前、遺伝子治療製品「VB-111」の国内独占開発権および販売権に関してライセンス契約を締結しているイスラエルのVBLセラピューティクス社が、同製品の承認申請が1年早まる可能性を明らかにしたと発表しており、これが好感されたようだ。同社では、同製品の国際共同第3相臨床試験の主要評価項目として今回、無増悪生存期間が追加されたことで、結果取得の時期が早まるなど、成功の可能性が高まることが期待されるという。また、同試験が順調に進捗し、国内においても製造販売承認申請にスムーズに移行できるよう、国内規制当局とも協議しながら引き続き準備を進めていくとしている。なお、同件による22年3月期業績への影響はないとしている。
※4日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。
株探ニュース