【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):協和キリン、KeePer、日製鋼
協和キリン <日足> 「株探」多機能チャートより
協和キリン<4151>が3日ぶりに急反発し年初来高値を更新した。同社は1日、開発中のアトピー性皮膚炎治療薬「KHK4083」について、米アムジェンと共同開発・販売に関する契約を締結したと発表しており、これが材料視されたようだ。同剤は、協和キリンが保有している「完全ヒト抗体作製技術」と抗体依存性細胞傷害活性(ADCC)を高める「POTELLIGENT技術」を利用したヒト型抗OX40モノクローナル抗体で、活性化T細胞を選択的に減少させることが確認されている。現在、主要7カ国(G7)地域で約3000万人以上が罹患しているアトピー性皮膚炎を対象として、米国や欧州、日本で開発が進められており、アトピー性皮膚炎の治療薬として画期的医薬品になりうる開発品だという。なお、今回の契約に基づき、アムジェンは同剤の開発や製造を主導し、協和キリンが単独で販売活動を担当する日本を除き、グローバルで販売するとしている。
■KeePer技研 <6036> 2,492円 +183 円 (+7.9%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
KeePer技研<6036>が急伸し年初来高値を更新した。1日の取引終了後に発表した5月度の月次速報で、既存店売上高は前年同月比36.1%増の大幅な増収となり、13カ月前年実績を上回ったことが好感された。会社側によると、「人々の清潔意識」の高まりに加えて、SNSなどを通じてKeePerの評価が上がり、高価格帯の「EXキーパー」や「クリスタルキーパー」などの施工が大幅に増加していることが要因。なお、全店の売上高は42.3%増だった。
■日本製鋼所 <5631> 3,020円 +185 円 (+6.5%) 本日終値
日本製鋼所<5631>が急反発。SMBC日興証券が1日付で、同社株の投資評価「1」を継続し、目標株価を3500円から3700円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券によると、注目度が高いEVセパレータ用フィルムシート装置の受注動向は再び顧客の投資意欲が活発化している印象と評価。加えて中国、ロシアにおける石化プラント増設による造粒機受注の大幅増加や、グローバル景況感の改善により射出成形機受注の伸長を見込み、22年3月期第1四半期から受注は前年同期比で大きく回復すると予想している。年初来株価パフォーマンスはセクターで相対的に出遅れており、投資機会としている。
■第一稀元素化学工業 <4082> 1,673円 +90 円 (+5.7%) 本日終値
第一稀元素化学工業<4082>が大幅続伸、一時5%を超える上昇で1676円まで買われ、5月24日以来約1週間ぶりに年初来高値更新となった。時価は2017年10月以来、約3年8カ月ぶりの高値圏を走るが、同年9月につけた上場来高値1805円奪回も視野に入ってきた。電材向けジルコニウム化合剤の大手で自動車排ガス触媒材では世界トップシェアを誇るが、このほか燃料電池材料や電気自動車(EV)向け2次電池材料などにも展開していることで注目度が高い。業績も急回復が見込まれており、22年3月期営業利益は前期比49%増の30億円を予想している。
■H2Oリテイ <8242> 939円 +50 円 (+5.6%) 本日終値
1日に発表した「5月百貨店事業売上高は1.1%増」が買い材料。
5月百貨店事業売上高は前年同月比1.1%増。
■住友ベークライト <4203> 4,755円 +240 円 (+5.3%) 本日終値
住友ベークライト<4203>は大幅続伸。同社は1日、食品包装用多層フィルム・シート及び産業用各種複合フィルムの値上げを発表しており、採算向上を期待した買いが入った。値上げ幅は10%以上で、7月納入分から値上げする。原料価格や輸送費用の大幅な上昇に対して、構造改革を含めた継続的なコスト削減に努力してきたが、設備の維持費用も増加しており、自助努力だけで収拾するのは困難と判断したという。
■インソース <6200> 2,218円 +111 円 (+5.3%) 本日終値
インソース<6200>が大幅高で8日ぶりに反発。午前11時50分ごろ、日本最大級のLMS(学習管理システム)「Leaf(リーフ)」を無料バージョンアップすると発表しており、これが好材料視された。利用者から要望の強かった最大2倍速でeラーニング(動画)の視聴が可能な動画再生速度調整機能を搭載したのが特徴で、これにより0.75倍から2倍速の間でeラーニング(動画)の視聴スピードを調整することが可能となり、受講者の理解力に応じて、快適に視聴することができるようになるという。
■ジェイテクト <6473> 1,214円 +59 円 (+5.1%) 本日終値
ジェイテクト<6473>が大幅続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が1日付で、投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を1400円から1600円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、収益構造改革後の業績拡大ポテンシャルが大きいとみているほか、株価バリュエーションには割安感があると判断。設備投資の回復感の高まりから工作機械の事業利益予想を上方修正したことや、機械器具部品は半導体不足の影響が想定より軽微だったことから販売予想を引き上げ、かつ収益構造改革の更なる進展を想定し、機械器具部品全体では事業利益予想を上方修正しており、22年3月期は事業利益726億円と大幅増益を見込み、23年3月期以降も増益が続くと予想している。
■INPEX <1605> 804円 +32 円 (+4.2%) 本日終値
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>といった石油関連株が高い。INPEXは前日に比べ4%強の上昇となった。1日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が3連休前の5月28日に比べ1.40ドル高の1バレル=67.72ドルに上昇した。一時68.87ドルと18年10月以来、2年7カ月ぶりの水準に上昇する場面があった。1日に開催された石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどから成る「OPECプラス」の閣僚会議では、7月まで協調減産を段階的に縮小する方針を確認。世界的な景気回復観測が強まり原油需要が膨らむなか、需給が緩むことへの警戒感が後退した。また、米国では夏場のドライブシーズンに向けたガソリン需要拡大への期待が膨らんでいる。
■日本郵船 <9101> 4,790円 +175 円 (+3.8%) 本日終値
日本郵船<9101>が一時175円高の4790円に買われたほか、商船三井<9104>も150円高の4650円まで上値を伸ばし、海運セクターは業種別騰落率でも値上がり上位に食い込んでいる。欧米では新型コロナワクチンの普及が進み、感染者数の減少が顕著となっている。経済活動の正常化期待から、グローバル物流を担う海運は収益環境に吹く追い風が意識されている。ここばら積み船市況の運賃動向を表すバルチック海運指数は水準を切り下げているものの、足もとでは発表された中国の5月の製造業PMIが好調で、物流需要が活性化するとの思惑が海運株の上昇を後押しした。
株探ニュース