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【注目】前週末28日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

富士石油 <日足> 「株探」多機能チャートより

■富士石油 <5017>  272円 (+53円、+24.2%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率トップ。富士石油 <5017> が急反騰。旧村上ファンド系の投資会社として知られるシティインデックスイレブンスが、同社株の5.03%を保有したことが27日付で財務省に提出された大量保有報告書によって明らかとなり、これが株価を強く刺激する格好となった。石油元売りの中堅だが、PBRが0.3倍台と会社解散価値の約3分の1の水準に放置されている。なお、シティインデックスイレブンスの保有目的は純投資及び重要提案行為などを行うためとし、経営への関与を示唆している。

■ANAP <3189>  422円 (+80円、+23.4%) ストップ高

 ANAP <3189> [JQ]がストップ高。同社は27日、ZOZO <3092> が運営するZOZOTOWNの中国版「ZOZO」で、商品の販売を開始したと発表。業績への寄与などが期待されたようだ。「ZOZO」は、商品の販売に限らず、日本のファッション文化も発信するファッションメディアECサイト。越境ECに関する一連の法律や政策などに定められた条件をZOZOグループがクリアすることで、出店ショップの負担となる参入障壁を解消している。

■EPS <4282>  1,628円 (+300円、+22.6%) ストップ高

 東証1部の上昇率2位。EPSホールディングス <4282> がストップ高。27日の取引終了後、MBOの一環として、同社の代表取締役である厳浩社長が代表取締役を兼務する新鷹(東京都新宿区)が、同社株の非公開化を目指してTOBを実施すると発表しており、TOB価格1800円にサヤ寄せする格好となった。株式を非公開化することで、ビジネスモデルの大きな転換を図り、企業価値の更なる向上を図ることが狙い。買付予定数は3475万3934株(下限2002万2368株、上限設定なし)で、買付期間は5月28日から7月8日まで。TOB成立後、EPSは所定の手続きを経て上場廃止となる予定で、この発表を受けて東京証券取引所は、同社株式を5月27日付で監理銘柄(確認中)に指定している。

■フィルC <3267>  3,180円 (+503円、+18.8%) ストップ高

 東証1部の上昇率3位。フィル・カンパニー <3267> がストップ高。27日の取引終了後、21年11月期の連結業績予想について、売上高を45億円から50億円(前期比25.9%増)へ、営業利益を2億円から5億2000万円(同4.0倍)へ、純利益を5000万円から2億4000万円(同12.6倍)へ上方修正したことが好感された。同日付で販売用不動産の一つの売却契約の締結完了と同物件の販売額が空中店舗フィル・パーク事業における「開発販売スキーム」として過去最高販売額を更新することになったと発表しており、販売額が想定を上回ったことが要因としている。

■モリテック <5986>  501円 (+57円、+12.8%)

 東証1部の上昇率4位。モリテック スチール <5986> が急反騰。自動車向け板金加工の大手だが、独自の技術力を生かし業界初となる「無接点方式」のケーブル巻取り型充電スタンドを手掛けていることで電気自動車(EV)関連の一角として思惑人気を集めやすい。前日27日に産経新聞が「EV普及に向け、政府が2030年までに急速充電器を国内で3万基設置する目標を掲げることが27日、分かった」と報じており、これが同社の株価を強く刺激する格好となった。世界的なEVシフトの動きが加速するなか、菅政権も新たな成長戦略の骨子として脱ガソリン車のインフラ整備に積極姿勢をみせており、株式市場でも関連株は動意含みとなる銘柄が増えている。

■キャリアインデ <6538>  675円 (+63円、+10.3%)

 東証1部の上昇率5位。キャリアインデックス <6538> が急伸。同社は28日、自社が運営するアルバイト・派遣情報サイト「Lacotto(ラコット)」と、NTTドコモ(東京都千代田区)の仕事探しのプラットフォーム「dジョブ」の連携を開始したと発表。両社は今年4月1日に人材領域での業務提携を発表しており、今回の連携はその一環。この連携により、キャリインデは月間数十万のアクティブユーザーを持つ「dジョブ」からの集客を得ることができるという。

■レシップHD <7213>  613円 (+56円、+10.1%) 一時ストップ高

 東証1部の上昇率6位。レシップホールディングス <7213> が急反騰。28日付の日本経済新聞朝刊で「米国の交通会社から、バスの運賃箱を含めた運賃の収受システムを受注した」と報じられており、これが好材料視された。記事によると、運賃箱のデータを通じて、どの路線や停留所から運賃が支払われたかをクラウド上で管理できるシステムを納入するという。受注額は数億円とあり、業績への貢献が期待された。

■明豊ファシリ <1717>  884円 (+76円、+9.4%)

 東証1部の上昇率7位。明豊ファシリティワークス <1717> が3日ぶり急反発。4月21日に上ヒゲでつけた高値880円を上回り、年初来高値を更新した。同社はオフィス設計及び工場の施工管理といったコンストラクションマネジメント業務を行う。28日前場取引終了後、経済産業省の令和3年度デジタル行政に対応した本省庁舎執務環境整備に関する調査事業の一般競争入札に参加して落札を果たし、同事業において経産省と契約を締結したことを発表した。これを材料視する形で短期資金が集結する格好となった。

■中発條 <5992>  1,169円 (+90円、+8.3%)

 中央発條 <5992> が4日ぶりに急反発。同社は27日取引終了後に、5ヵ年の中期経営計画を策定したと発表。最終年度となる26年3月期の連結営業利益目標を50億円(21年3月期実績は12億6000万円)としていることが好感されたようだ。連結売上高の目標は1000億円(同746億5500万円)。自動車業界でCASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)対応が進展するなか、高付加価値化を可能とする新機構製品(モジュール化)の開発や、これまで踏み込めていなかった未開拓の領域においても、自社が得意とする既存技術を応用し、非自動車分野(鉄道、医療、ヘルスケア)での展開も加速させるとしている。

■ピグメント <4119>  2,288円 (+167円、+7.9%)

 日本ピグメント <4119> [東証2]が急反発し、年初来高値を更新した。同社は27日取引終了後に、5ヵ年の中期経営計画を策定したと発表しており、これが評価材料となったようだ。最終年度となる26年3月期の連結売上高目標は300億円(21年3月期実績は301億1700万円)、連結営業利益目標は20億円(同2億6400万円)。基本方針として「新たな事業機会の創出」「持続可能な社会への貢献」「経営基盤強化」を掲げている。なお、売上高については国内で21年4月1日以降「収益認識に関する会計基準」の適用により、受託加工品の売上高を純額で認識することによる影響を受ける見込みだとしている。

■TKP <3479>  2,427円 (+157円、+6.9%)

 ティーケーピー <3479> [東証M]が急反発。同社は27日、アパグループ(東京都港区)のアパホテル社長の元谷芙美子氏が社外取締役に就任したと発表しており、シナジーなどが期待されたようだ。元谷芙美子氏は宿泊事業に関する高い見識と豊富な経験を持っており、同社は今後の成長戦略のひとつであるビジネスホテル事業の強化につなげたい考え。フレキシブルオフィス事業であるTKP・リージャスに加え、フランチャイズ展開するアパホテルを3本目の柱として成長させることにより、収益基盤を拡大するとしている。

■ネクストーン <7094>  3,255円 (+200円、+6.6%)

 NexTone <7094> [東証M]が大幅高で3日続伸。27日の取引終了後、同社のデジタルコンテンツディストリビューション業務で展開していた、「無印良品」の店内で流れるBGM(MUJI BGM)のストリーミング配信が、5月19日の配信開始から約1週間で500万再生を達成したと発表しており、これが好材料視された。「MUJI BGM」は、良品計画 <7453> が保有する約300原盤に及ぶ世界16ヵ国・地域をテーマとした伝統音楽。現地で活動を続ける音楽家の演奏により制作され、無印良品の店頭及びネットストアでCDとして販売されており、ネクストーンでは同CD「MUJI BGM」シリーズ2~25の配信を19日からスタートしていた。

■日ケミコン <6997>  2,470円 (+149円、+6.4%)

 日本ケミコン <6997> が大幅反発で年初来高値を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が27日付で、投資判断「オーバーウエイト」を継続し、目標株価を2250円から2750円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。生産性改善が進展すると考え、アルミ電解コンデンサの前提をプラス方向に見直したことで、22年3月期の営業利益予想を64億円から70億円へ、23年3月期を同84億円から90億円へ上方修正している。

■KeePer <6036>  2,298円 (+110円、+5.0%)

 KeePer技研 <6036> が急反発。27日の取引終了後、上限を100万株(発行済み株数の3.54%)、または21億8800万円とする自社株を28日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表しており、これが好材料視された。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とすることが目的という。なお、取得結果はまだ発表されていない。

■荏原 <6361>  5,420円 (+230円、+4.4%)

 荏原 <6361> が大幅高で5日続伸。同社は27日、子会社荏原環境プラントが、シタラ興産(埼玉県深谷市)から「(仮称)レガリア 一廃・産廃処理施設建設工事」を受注したと発表しており、これが好材料視された。同施設は、独自技術であるTIF流動床焼却炉を導入し、産業廃棄物や一部自治体から受け入れる一般廃棄物など、多種多様な廃棄物を安定的に焼却処理することが目的。また、廃棄物を焼却処理する過程で発生する排熱を活用して発電を行い、施設内で使用する電力をまかなうとともに、余剰電力は新電力事業者を介して周辺地域に売電することで、電力の地産地消を行う計画という。また、同社は28日、海外グループ会社エバラ・パンプス・ヨーロッパ社がドイツのボレアル・ライト社とスポンサーシップ契約を締結し、ケニア国内における飲料水供給ビジネスを支援すると発表している。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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