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【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「トヨタが日本株上昇の原動力となるか」

株式評論家 富田隆弥

日経平均株価は5月13日の安値2万7385円からアヤ戻しが続く。日足チャートは25日移動平均線(27日時点、2万8671円)に差し掛かり、ここから75日移動平均線(同2万9235円)にかけて正念場を迎える。

◆75日移動平均線を突破するなら日足チャートは「好転」の可能性を強めるが、それを確認するまでは崩れた後のアヤ戻し(プルバック)だ。ここらで頭を叩かれると、再び下値模索リスクが生じかねない。そうした強弱観測を占う意味での「正念場」であり、チャート上の大きなポイントを迎える。

NYダウ平均は高値圏でもみ合いが続くが、6月になるとISM製造業景況感指数(1日)、米雇用統計(4日)と注目スケジュールが続くため、値動きは荒くなりやすい。国内ではワクチン接種の進展や経済正常化、企業業績の回復と先行き期待が募るが、6月11日のメジャーSQ(先物とオプションの清算日)を控えて乱高下する局面も想定しておきたい。

◆日本株上昇のカギを握る個別株として「トヨタ自動車 <7203>」に注目している。27日に株価は上場来高値9000円をつけたが、9月末の1→5の株式分割のほか4100万株を上限とする自社株買いを発表しており、それまでに1万円大台に乗せることも想定される。日本を代表するグローバル企業として全員参加型の様相を強めるなら、日経平均を押し上げる原動力となるだろう。

◆ただし、相場の柱としてのトヨタへの期待はあるものの、日経平均が75日移動平均線を突破するまでは乱高下しやすく、基本的に様子見のスタンスも必要だろう。

(5月27日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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