【市況】富田隆弥の【CHART CLUB】 「今週がポイントに? そろそろ打診買いも」
株式評論家 富田隆弥
◆さて、3月11日現在、日経平均株価は2万9211円(終値)と、2月16日のザラバ高値3万714円から調整局面が続く。3月5日にザラバ安値2万8308円まで下げた後は戻りを試す構えだが、割り込んだ25日移動平均線(2万9449円)を未だ突破できず、反発力は心もとない。
◆一方、NYダウ平均と独DAX指数は連日で過去最高値を更新している(10日終値、NYダウ3万2297ドル、独DAX1万4540ポイント)。この快進撃に比べて日経平均のもたつきが目につくが、冴えない理由は日本の「3月」という特殊要因にある。メジャーSQ、確定申告、期末、年度末などが重なり、一時的に「売り」が出やすいところと言える。
◆だが、需給悪を通り過ぎると、「4月、新年度」を睨んで「買い」優勢になることが想定される。ここ数年の日経平均の3月の安値日を見ると、昨年は3月19日、2019年は3月25日、18年は3月26日であり、いわゆる「彼岸底」になっている。
◆今年の彼岸は3月17日で、その前後には16~17日にFOMC、18~19日に日銀金融政策決定会合の重要イベントがある。日経平均は2月高値から1ヵ月で7.8%調整し、75日移動平均線(2万8007円)に迫り、日足RCI(13日線、25日線)が底値圏に到達するなど、今週がポイントになる可能性があり、「打診買い」に動くタイミングになりそうだ。
◆話は変わるが、米国テキサス州で2月11日の早朝、高速道路で路面凍結により車130台以上が絡む玉突き事故が起きた。非営利団体医療組織の救助隊員であったマクダニエルさんも事故に巻き込まれ、乗っていた車は原型を留めぬほど大破したが、エアバックに包まれて重傷は免れた。そして、救助隊の服を着ていたことから現場にいた消防士に頼まれ、犠牲者の治療を手伝ったという。そんなニュースが話題になり、ご覧になられた方もいるのではないだろうか。
◆マクダニエルさんが乗っていたのは「トヨタ・FJクルーザー」で、翌日に彼は「トヨタが私の命を救った」と電子掲示板に投稿した。それを見て感銘を受けたトヨタの現地販売店は「トヨタファミリーの一員であることを嬉しく思います」と述べ、トヨタ車をマクダニエルさんに贈呈したという。「当たり前のことをしただけだ」というマクダニエルさんの心意気、そして粋な計らいをした トヨタの関係者に拍手を送りたい。
(3月11日 記、毎週土曜日に更新)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース