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【市況】9日の中国本土市場概況:上海総合1.8%安で4日続落、ハイテク関連に売り

上海総合 <日足> 「株探」多機能チャートより

9日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比62.12ポイント(1.82%)安の3359.29ポイントと4日続落した(上海A株指数は1.82%安の3521.09ポイント)。昨年12月22日以来の安値水準に落ち込んでいる。


前日までの軟調地合いを継ぐ流れ。金利上昇圧力が意識される中、高PERのグロース株(成長株)など、割高感が意識された銘柄に売りが続いた。昼前に公表された人民元建て上海銀行間取引金利(SHIBOR)に関しては、翌日物などが前日に続き上昇している。中国10年債利回りも、今年の高い水準で推移する状況だ。

また、昨夜の米10年債利回りは、一時1.6%台を再び突破し、昨年2月以来の水準で推移している。資金流出にも警戒感。中国・香港間の相互取引スキームを通じた8日の売買では、香港経由の本土株取引が大幅な売り越しだった。「政府系ファンドが中国株の購入に動いた」と伝わる中、指数はプラス圏に浮上する場面がみられたものの、買いの勢いは続かず、引けにかけて再び下落の勢いを増した。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、ハイテク関連の下げが目立つ。半導体モジュール生産の嘉興斯達半導体(603290/SH)が8.9%安、半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(JCET:600584/SH)が6.5%安、LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)が6.0%安、金融機関向けセキュリティーソフトの深セン市金証科技(600446/SH)が3.9%安、情報技術サービスの上海宝信軟件(600845/SH)が3.2%安で引けた。上海市場のハイテク企業向け市場「科創板」では、上海科創50(Star50)が3.6%安。昨年7月23日に算出・公表開始して以来の安値を連日で更新した。


農業や食品飲料の銘柄ももさえない。穀物や乳製品生産の湖南全建米業(600127/SH)が7.1%安、トウモロコシ加工の万向徳農(600371/SH)が5.1%安、乳製品グループ大手の内蒙古伊利実業集団(600887/SH)が4.7%安、醤油メーカー中国大手の仏山市海天調味食品(603288/SH)が3.1%安で取引を終えた。そのほか、金融株、不動産株、公益株、素材株、インフラ関連株、防衛関連株なども売られている。


半面、海運株は高い。コンテナ海運大手の中遠海運HD(601919/SH)が6.8%上昇した。20年通期決算の上振れが手がかりとなっている。同業にも買いが広がった。空運株、小売株や自動車株の一角も物色されている。


一方、外貨建てB株相場は値下がり。上海B株指数が0.61ポイント(0.25%)安の240.56ポイント、深センB株指数が5.48ポイント(0.50%)安の1093.12ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

《FA》

 提供:フィスコ

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