【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):三井ハイテク、スマレジ、三菱重
三井ハイテク <日足> 「株探」多機能チャートより
三井ハイテック<6966>が前週末に続く大幅高、株価は2営業日で1000円以上の上昇となり、一気に4000円台に乗せた。実質上場来高値圏をまい進する展開。半導体リードフレーム大手で金型技術では超精密加工で抜群の実力を有する。電気自動車(EV)向け駆動用のモーターコアの商品競争力が高く、今後同社の業績を強く後押しするとの見方が強まっている。足もとの業績も好調で、21年1月期営業利益は26億円(前期実績1900万円)と急拡大する見通し。
■スマレジ <4431> 5,210円 +465 円 (+9.8%) 本日終値
スマレジ<4431>が大幅続伸。11日の取引終了後、店舗関連ソリューション事業者を対象とした投資・育成支援事業をスタートすると発表しており、これが好材料視された。新たにスタートするCVC事業「スマレジ・ベンチャーズ」は、同社が展開するサービスとシナジーのある店舗向けソリューション事業に取り組む企業を対象として、投資相談及び投資の実行を行うというもので、スマレジ・プラットフォームを強化するのが狙い。また、出資先企業を対象に育成支援や情報共有をはじめとするメンタリングを提供し、スマレジとの事業展開やSaaSセールスチームによる代理販売などのサポートを実施するアクセラレータープログラム「スマレジ・アップテンポプログラム」を提供するとしている。同時に発表した第2四半期累計(5~10月)単独決算は、売上高14億7900万円(前年同期比19.0%減)、営業利益3億4500万円(同34.4%減)、純利益2億3600万円(同34.8%減)だった。なお、21年4月期通期業績予想は、売上高32億5100万円(前期比横ばい)、営業利益6億7800万円(同9.6%減)、純利益4億9100万円(同10.1%減)の従来見通しを据え置いている。
■三菱重工業 <7011> 2,949円 +207 円 (+7.6%) 本日終値
三菱重工業<7011>は大幅高で4日続伸。12日付の日本経済新聞朝刊で、「政府が2035年の配備をめざす次期戦闘機の開発体制の大枠が固まった」と報じられており、なかで「三菱重工業を開発主体として、米防衛大手でF35などの開発実績をもつロッキード・マーチンが技術支援する」とあることが好材料視された。次期戦闘機は日米が共同開発した航空自衛隊のF2戦闘機の後継機で、艦船や地上への攻撃、空中戦を全てこなすマルチロール機となるとされる。防衛省は約90機を生産する計画で、報道通り三菱重が開発主体となれば、1970年代に三菱重が開発したF1戦闘機以来となる。
■ハイレックス <7279> 1,412円 +97 円 (+7.4%) 本日終値
11日に決算を発表。「今期経常は42倍増益へ」が好感された。
ハイレックスコーポレーション <7279> [東証2] が12月11日大引け後(15:15)に決算を発表。20年10月期の連結経常利益は前の期比97.7%減の1.8億円に落ち込んだが、21年10月期は前期比42倍の79億円にV字回復する見通しとなった。
⇒⇒ハイレックスの詳しい業績推移表を見る
■明電舎 <6508> 2,206円 +140 円 (+6.8%) 本日終値
明電舎<6508>が大幅高で3日ぶりに反発。12日付の日本経済新聞朝刊で、「100億円程度を投じて、国内外で電気自動車(EV)に使うモーターや関連部品を増産する」と報じられており、増産効果による業績への貢献を期待した買いが入った。記事によると、21年に中国浙江省でEV向けモーターの工場を稼働するほか、国内では愛知県や山梨県の工場で増産し、22年3月期には生産能力を年96万個と3年間で3倍に高めるとしている。
■関東電化工業 <4047> 800円 +49 円 (+6.5%) 本日終値
関東電化工業<4047>がマドを開けて大幅高に買われ、フシ目の800円台を回復。同社株の800円台乗せは8月14日以来4カ月ぶり。独自フッ素系や塩素系技術を手掛けているのが特徴で、EV向けリチウムイオン電池用電解質の六フッ化リン酸リチウムを供給している。2次電池関連では11月中旬から12月初旬にかけて古河電池<6937>が大相場を演じたが、関電化も古河系の特殊ガス大手で、株価の出遅れ感から水準訂正への期待が浮上している。
■セレス <3696> 2,740円 +134 円 (+5.1%) 本日終値
11日に発表した「米マリオットとポイント交換で提携」が買い材料。
ポイントサイト「モッピー」が米マリオット・インターナショナルが提供する「Marriott Bonvoyポイント」と提携。国内ポイントサイトとしては初のポイント交換を開始。
■前田建設工業 <1824> 963円 +46 円 (+5.0%) 本日終値
前田建設工業<1824>が大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が11日付で、投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエート」とし、目標株価を1000円から1150円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。建築、土木の利益拡大を主因とする22年3月期への利益成長が株価に十分織り込まれていないと考えることに加え、水道コンセッションの事業者選定が進むことで独自要因での利益成長期待が高まる局面になると評価。21年3月期の営業利益予想を403億円から406億円へ、22年3月期を同448億円から468億円へ上方修正した。
■シンフォニア <6507> 1,521円 +71 円 (+4.9%) 本日終値
シンフォニア テクノロジー<6507>が続急伸となり、一時90円高の1540円まで駆け上がり、約2週間ぶりに年初来高値を更新した。時価は昨年5月以来1年7カ月ぶりの高値圏に入った。電子精密機器などの製造を手掛けるが、自動車用試験装置分野でも高い実績を持つ。インバータ負荷シミュレータなどEV用試験装置で幅広く需要を獲得し、世界的な電気自動車(EV)シフトの動きを背景に収益機会が高まっている。信用買い残も枯れた状態が続いており、株式需給面からも上値が軽い。
■イトクロ <6049> 1,569円 +58 円 (+3.8%) 本日終値
イトクロ<6049>が大幅続伸。前週末11日の取引終了後に発表した21年10月期単独業績予想で、売上高46億2000万円(前期比19.6%増)、営業利益15億2000万円(同33.3%増)、純利益9億7800万円(同3.1倍)と大幅増益を見込むことが好感された。全事業で新型コロナウイルスの影響から回復を見込み、「塾ナビ」などの既存事業を安定成長させるとともに、20年10月期に事業投資が完了した「みんなの学校情報」や買収した「医学部予備校ガイド」「コドモブースター」などの成長を見込む。また、引き続き教育に関連する事業のM&Aも積極的に行うとしている。なお、20年10月期決算は、売上高38億6200万円(前の期比11.9%減)、営業利益11億4000万円(同20.6%減)、純利益3億1700万円(同65.5%減)だった。
株探ニュース