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【市況】今週の【早わかり株式市況】6週ぶり小反落、新型コロナ感染拡大で利食い優勢

日経平均 <週足> 「株探」多機能チャートより

■今週の相場ポイント
 1.日経平均は6週ぶりに小反落、新型コロナ感染拡大懸念で利食い優勢に
 2.週末SQ控え不安定、2万7000円大台替えを前に足踏み状態続く
 3.週央はワクチンの接種開始などを好感し大幅高も、上昇はこの日のみ
 4.MBO思惑背景にソフトバンクGが大幅高に買われ全体支える場面も
 5.ECB追加緩和も織り込み済み、個別はEVや水素関連など材料株が人気化

■週間 市場概況
 今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比98円(0.37%)安の2万6652円と6週ぶりに下落した。

 今週の東京市場は日経平均が2万7000円ラインを突破できるかに期待が募っていたが、波に乗れず利食い圧力が顕在化した。大台替えはまたもお預けに。新型コロナウイルスの感染拡大が一段と進み、市場心理を冷やしたほか、米国で追加経済対策に関して協議が難航したことも重荷となった。ECB理事会で追加金融緩和を決めたことは好材料ながら、反応は限定的だった。週末のメジャーSQを前に先物主導で振らされる場面もあった。

 7日(月)は前週末の欧米株高を引き継ぎ高く始まったものの、寄り付き天井となり、買いが続かず利益確定売りを誘発、日経平均は200円あまり下落した。8日(火)も下値を試す展開。ただ、中小型株が買い物を集め値上がり銘柄数が値下がりを上回った。9日(水)は急反発。英国でファイザーのワクチン接種が始まったことを受け、経済活動の正常化期待から買いが優勢となり、日経平均は350円あまりの上昇となった。ただし、今週高かったのはこの日のみ。10日(木)は新型コロナの感染拡大に対する警戒感が再び高まり、リスク回避の流れに。MBO思惑を背景にソフトバンクグループ <9984> が買われたことは全体指数の下支えとなったが、結局60円強安で引けた。メジャーSQ算出日となった11日(金)も寄り後は上値の重い展開に。前日のECB理事会で追加金融緩和が発表されたものの、米国では追加経済対策を巡る協議が進まないことや、週間の新規失業保険申請件数が想定を上回り、雇用情勢の改善が遅れていることを嫌気してNYダウが続落。これを引き継ぎ東京市場も買い気が盛り上がらなかった。ただ、個別ではEV関連や水素関連、ワクチン関連株などが物色人気となるなど材料株相場が続き、値上がり銘柄数が64%を占めた。

■来週のポイント
 日経平均が2万7000円大台を前に足踏み状態が続く中、新型コロナの新規感染者数が連日過去最多を更新していることから来週も上値が重い展開になりそうだ。

 重要イベントとしては、国内では14日朝に発表される日銀短観や16日朝に発表される11月貿易統計、17日-18日に開催される日銀金融政策決定会合が注目される。海外では14日に実施される米大統領選の選挙人投票や15日-16日に開催されるFOMC(米連邦公開市場委員会)、15日に発表される中国11月の小売売上高と鉱工業生産、16日発表の米国11月小売売上高に注視が必要だろう。

■日々の動き(12月7日~12月11日)

【↓】  12月 7日(月)―― 続落、朝高も高値警戒感から利益確定売りが優勢
 日経平均 26547.44( -203.80)  売買高11億6647万株 売買代金 2兆2428億円

【↓】  12月 8日(火)―― 3日続落、新型コロナウイルスの感染再拡大を嫌気
 日経平均 26467.08(  -80.36)  売買高10億2991万株 売買代金 2兆0444億円

【↑】  12月 9日(水)―― 4日ぶり急反発、ワクチンに対する期待膨らみ買い優勢
 日経平均 26817.94( +350.86)  売買高10億9609万株 売買代金 2兆3361億円

【↓】  12月10日(木)―― 反落、新型コロナの感染拡大で利益確定売りが優勢
 日経平均 26756.24(  -61.70)  売買高11億8216万株 売買代金 2兆7269億円

【↓】  12月11日(金)―― 続落、円高進行で利益確定売りが優勢
 日経平均 26652.52( -103.72)  売買高12億8218万株 売買代金 2兆8820億円

■セクター・トレンド
 (1)全33業種中、20業種が下落
 (2)日本取引所 <8697> などその他金融が下落率トップなど金融株が安い
 (3)輸出株はまちまち
   オリンパス <7733> など精密機器やNEC <6701> など電機は軟調も、日産自 <7201> など自動車は上昇
 (4)内需株もまちまち
   菱地所 <8802> など不動産、三菱倉 <9301> など倉庫・運輸は安いも、SB <9434> など情報・通信、セブン&アイ <3382> など小売りは高い
 (5)王子HD <3861> などパルプ・紙が値上がり率トップ
 (6)EV、水素、ワクチン関連株が人気化

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数上位5テーマ)
 1(1) 電気自動車(EV)
 2(22) 水素 
 3(2) 再生可能エネルギー
 4(6) 全固体電池
 5(68) 水素ステーション
  ※カッコは前週の順位

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