【市況】来週の株式相場に向けて=「トリプルブルー」先取りは継続か
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足もとの相場を支えているのは、来月3日の米大統領選では「民主党が大統領選に加え議会選挙でも上院・下院を制しトリプルブルーを達成するのではないか」(アナリスト)との観測だ。民主党の増税策を警戒していたマーケットは、いまは7兆ドル超ともいわれる財政支出に対する期待を強めている。新型コロナウイルス感染拡大が続く状況下では、まず財政支出が実施されるとの観測が強まり、バリュー系の景気敏感株を見直す動きが強まった。
実際のところは、接戦州を中心に民主党のバイデン氏とトランプ大統領との差はさほど大きくなく、議会選挙も民主党が上院を制することができるかは不透明だ。しかし、実際の大統領選挙まで「トリプルブルー」を前提に相場は形成されそうな気配だ。こうしたなか、当面は堅調な相場が予想され、東証マザーズを中心とする中小型株も上昇基調が見込める。
来週は、米国株を中心に重要イベントが予定されている。まずは13日のJPモルガン・チェース、シティグループなどを皮切りに米国で決算発表がスタートする。特に、14日にはオランダのASML、15日には台湾のTSMCといった大手半導体関連企業が決算を予定しており、半導体関連株の値動きが注目される。さらに、13日にはアップルがイベントを予定している。5G対応の新型「iPhone12」がお披露目されるとの観測も出ており、注目度は高い。15日に予定されている米国大統領選の第2回テレビ討論会が開催されるかどうかは、不透明な情勢だ。
国内では13日に東宝<9602>、15日にファーストリテイリング<9983>などの決算発表が予定されている。13日に日通システム<4013>が東証マザーズに、16日にアースインフィニティ<7692>がジャスダックにそれぞれ新規上場する。
(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS