【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):DCM、サイボウズ、Sansan
DCM <日足> 「株探」多機能チャートより
島忠<8184>がストップ高。ホームセンター大手のDCMホールディングス<3050>が、埼玉県などが地盤の島忠に対して株式公開買い付け(TOB)の検討を始めたとNHKや日本経済新聞など複数のメディアが報じたことを受け、同社株に買いが殺到した。18日夕方にTOBの検討を報じたNHKによると、DCMは島忠の50.1%を超える株式を取得して傘下に収める方向で最終調整を進めている、という。DCMの株価も18日取引終了後に業績予想の上方修正を発表したこともあり、この日は急伸している。
■DCMホールディングス <3050> 1,525円 +178 円 (+13.2%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
DCMホールディングス<3050>が急騰。18日の取引終了後、21年2月期の連結業績予想について、売上高を4381億円から4620億円(前期比5.6%増)へ、営業利益を210億円から301億円(同44.5%増)へ、純利益を130億円から195億円(同41.5%増)へ上方修正したことが好感された。上期において、新型コロナウイルス感染症による巣ごもり需要や在宅勤務の拡大など生活様式の変化に伴い、園芸用品、DIY用品などが売り上げを伸ばしたほか、猛暑の影響で季節商品も好調だった。また、19日付日本経済新聞朝刊で「島忠に対し株式公開買い付け(TOB)の検討を始めたことが18日、分かった」と報道したことも好材料視されたようだ。報道に対して会社側は、「当社の発表に基づくものではない。島忠も含め他社との提携・さまざまなM&Aの可能性を検討しているが、決定しているものはない」とコメントしている。
■ケアネット <2150> 3,030円 +289 円 (+10.5%) 本日終値
ケアネット<2150>が続急騰し、8月27日につけた年初来高値3120円の奪回を目前に捉えた。前週末18日も12%以上の上昇をみせており、ここにきて一気に人気が加速した。医療向け情報サイト「ケアネット・ドットコム」を運営しており、医師会員数は増勢一途にある。製薬メーカーの営業支援業務のほか動画配信による講演や医師向け教育コンテンツなど幅広く展開し、業界の需要を捉えている。前19年12月期まで4期連続で増収・大幅営業増益を継続。20年12月期営業利益は前期比3%増の6億2400万円を見込むが保守的とみられ、進捗率から大幅な上振れが有望視されている。
■ストライク <6196> 5,460円 +450 円 (+9.0%) 本日終値
ストライク<6196>が7連騰。18日の取引終了後、集計中の20年8月期単独業績について、売上高が62億7500万円から69億1600万円(前の期比36.2%増)へ、営業利益が22億3700万円から29億8100万円(同58.1%増)へ、最終利益が16億6700万円から22億200万円(同64.1%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。事業承継ニーズを中心にM&A市場が順調に拡大するなか、案件成約組数は134組と当初計画の143組を下回ったものの、大型案件(報酬総額が1億円以上となる案件)の成約が16組と当初計画の4組を大きく上回ったことから成約案件単価が上昇し売上高・利益を押し上げた。また、対面セミナー中止による広告宣伝費の減少なども利益上振れに寄与した。また、業績上振れに伴い、従来17円50銭を予定していた期末一括配当を24円に引き上げるとあわせて発表した。
■サイボウズ <4776> 3,510円 +250 円 (+7.7%) 本日終値
サイボウズ<4776>が大幅高で4連騰。テクニカル的にも戻り高値を次々と払拭し、7月14日の上場来高値3640円奪回も視野に入れる局面にある。中小企業を中心にグループウェアを提供し業務効率化を支援、パッケージソフトとクラウドサービスを2本柱に収益成長路線をまい進する。あす24日にマザーズ市場に新規上場するトヨクモ<4058>の大株主(第2位)でもあり、同銘柄上場に伴う一部株式売り出しで20年12月期第3四半期に投資有価証券売却益を特別利益として3億9800万円を計上する見込み。また、法人向けクラウドサービスで実績の高いトヨクモは上場後のセカンダリーでも人気化が予想されており、サイボウズが保有する残りの株式についても含み益拡大にマーケットの視線が集まりそうだ。
■Sansan <4443> 6,520円 +390 円 (+6.4%) 本日終値
Sansan<4443>は大幅続伸で上場来高値更新。この日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>及び三井住友銀行が実施する「テレワーク導入支援プログラム」に参加すると発表しており、これが好材料視された。同プログラムは、テレワークのためのIT導入・利用にかかる初年度の費用の一部をSMBCが負担するもので、支援総額は最大10億円を予定している。今回、Sansanが参加したことで、導入企業が同プログラムを利用する際にSansanを選択すれば、初年度費用を最大50万円までSMBCが負担することになるとしている。
■チェンジ <3962> 11,410円 +630 円 (+5.8%) 本日終値
チェンジ<3962>が大幅続伸、上場来高値を更新した。8月中旬を境に高水準の買いが継続、時価総額は1カ月あまりで2.5倍化した。菅氏はかつて地方活性化策としてふるさと納税に積極的な取り組みをみせており、首相就任後も従来の姿勢を明示している。同社は子会社を通じふるさと納税仲介サイトを展開、新型コロナ関連の企画も功を奏し、収益貢献が期待されている。20年9月期営業利益は期初予想から2度も増額し前期比3.2倍の34億円を計画するが、一段の上振れも視野に入っている。
■富士フイルム <4901> 5,283円 +246 円 (+4.9%) 本日終値
富士フイルムホールディングス<4901>は後場一段高。この日、傘下の富士フイルム富山化学が、新型コロナウイルス感染症患者を対象とした抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の国内第3相臨床試験で主要評価項目を達成したと発表しており、これが好感された。なお、富士フイルム富山化学は今後、同試験の詳細なデータ解析及び申請に必要な業務を迅速に進め、10月中にも製造販売承認事項一部変更承認申請を行う予定としている。
■テクマトリックス <3762> 2,288円 +75 円 (+3.4%) 本日終値
テクマトリックス<3762>が5日続伸。18日の取引終了後、未定としていた21年3月期の中間配当を7円にすると発表しており、前年同期実績(12円、ただし20年7月1日付で1株を2株に株式分割)に対して実質増配となることが好感された。なお、期末配当(前年同期18円)は引き続き未定としている。
■JMDC <4483> 8,860円 +280 円 (+3.3%) 本日終値
JMDC<4483>が大幅続伸し年初来高値9040円にツラ合わせ。大和証券が18日付で、投資判断を新規に「買い(1)」、目標株価を1万1000万円としたことが好材料視されたようだ。同社は、「データとICTの力で、持続可能なヘルスケアシステムを実現する」というミッションの下、ヘルスビッグデータ、遠隔医療、調剤薬局支援の3事業を展開しているが、同証券によると、実臨床の医療データである「リアルワールドデータ」の利活用が国内で進んでおり、主力のヘルスビッグデータ事業の成長が中期的な業績拡大を牽引すると予想している。
株探ニュース