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【特集】田部井美彦氏【待たれる夏空相場、膠着状態からの脱出はいつか】 <相場観特集>

田部井美彦氏(内藤証券 投資情報本部 投資調査部長)

―新型コロナの感染再拡大を警戒、業績回復を評価へ―

 4連休明けとなった27日の東京株式市場は、日経平均株価が小幅安。米株式市場の下落や為替の円高進行のなか、市場からは「相場は底堅い」という声も聞かれた。ただ、日経平均株価は2万2500円前後を中心とする膠着状態から依然として抜け出せない。新型コロナウイルスの感染再拡大や直近の米中対立の深刻化も相場の警戒要因となっている。果たして、8月に向けて夏空相場は広がるのか。今後の見通しを内藤証券・投資調査部長の田部井美彦氏に聞いた。

●「決算一巡のお盆後に上昇トレンド突入も」

田部井美彦氏(内藤証券 投資情報本部 投資調査部長)

 日経平均は、一進一退状態が続いている。この膠着相場は、決算発表が一巡する8月半ばのお盆明け頃までは続きそうだ。

 発表が本格化し始めている第1四半期(4-6月)決算の結果は良くないだろう。ただ、第2四半期(7-9月)以降は、各国が経済活動を再開した後の結果が、業績に出始めてくる。第2四半期からの業績回復が期待できるだけに、不透明感が強かった前回の決算発表時の4~5月頃とは状況は異なっている。

 前回の決算発表では多くの企業が業績見通しの発表を見送った。しかし、今回は業績見通しを出さないといけないと思う。業績見通しを出さない企業は、回復期待を織り込めないという見方から、悪材料視されるだろう。足もとで新型コロナウイルスの感染拡大が続いているが、致死率は低く再び経済活動を止めるようなことがなければ、業績回復期待への見方を大きく変える必要はないとみている。

 こうしたなか、8月相場の日経平均の予想レンジは下値が2万2000円程度、上値は2万3800円前後をみている。しばらくは一進一退が続くが、来月の後半からはトレンドは上向くと予想している。

 今後の景気回復の動きが期待されるなか、そろそろ年末商戦も意識される時期となる。このなか、東京エレクトロン <8035> やSCREENホールディングス <7735> 、村田製作所 <6981> や太陽誘電 <6976> といった半導体電子部品株は期待できるだろう。年末商戦に絡みソニー <6758> も見直したい。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)5Gにも絡み、伊藤忠テクノソリューションズ <4739> や日本ユニシス <8056> といった情報ソフトウェア関連株も注目ができる。セキュリティーなどにも絡むSBテクノロジー <4726> にも期待している。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(たべい・よしひこ)
内藤証券シニアアナリスト。株式市況全般、経済マクロの調査・分析だけでなく、自動車、商社、アミューズメント、機械などの業種を担当するリサーチアナリストとして活動。年間200社程度の企業への訪問、電話取材、事業説明会への参加などを通して「足で稼ぐ調査・情報の収集」に軸足を置いている。

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