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【市況】株価指数先物【引け後コメント】CTA(商品投資顧問業者)ファンド経由の資金が動き出す


大証9月限
日経225 22950 +380 (+1.68%)
TOPIX 1590.5 +27.0 (+1.72%)

 日経225先物は、前日比380円高(+1.68%)の2万2950円で取引を終了。米国市場の上昇のほか、モデルナの新型コロナウイルスワクチンの初期段階の安全性試験で、患者全員が抗体を獲得したと伝わったことが材料視された。グローベックスのNYダウ先物が300ドル高程度で推移していたこともあり、寄り付きは2万2790円とシカゴ先物清算値(2万2700円)を上回って始まると、その後も強含みの展開となり前場半ばに2万2930円まで上げ幅を広げた。その後、上海指数が下げに転じたこともあり、2万2800円後半レベルでのこう着が続いたが、大引けにかけてはレバETFに絡んだ調整買いに伴う需給のほか、短期筋のショートカバーも加わり、2万2950円と高値で取引を終えた。

 ギャップスタートで足元の保ち合いレンジ上限レベルを明確に上放れたことにより、ショートカバーの流れも強まりやすく、終日強含みの展開となった。もっとも、米モデルナの新型コロナウイルスワクチンの抗体獲得のインパクトが大きく、引き続き新型コロナウイルスに関連する報道に振らされやすい需給状況であることは変わらないだろう。グローベックスのNYダウ先物の値動きにより、今晩の米国市場におけるNYダウの300ドル高は織り込まれている。米国市場で伸び悩みなどがみられるようだと、ナイトセッションで利益確定の流れが強まる展開は警戒されるところ。ナスダック指数を対象としている米国上場のETFからの資金流出もみられていることから、NT倍率の修正を想定したTOPIX先物へのシフトも考えておきたい。

 手口面では、日経225先物はABNアムロが1620枚、ソジェンが1070枚、UBSが600枚程度の売り越し。対してクレディスイスが1320枚、野村が1170枚程度の買い越しだった。TOPIX先物は、ABNアムロが1820枚、メリルが1390枚、BNPパリバが1140枚程度の売り越し。一方でクレディスイスが2850枚、バークレイズが1500枚程度の買い越しだった。日経225先物の野村の買い越しはレバETFに絡んだ調整買いと観測される。また、日経225先物、TOPIX先物いずれもクレディスイスが買い越している。原油先物相場は緩やかながらもリバウンド基調が続いており、40ドルを固める動き。景気敏感セクターへの物色もみられてきており、CTA(商品投資顧問業者)ファンド経由の資金が流入している可能性がありそうだ。

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