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【市況】株価指数先物 【週間展望】 ―ETF分配金絡みの売り需要は買い手控え要因に

SBG <日足> 「株探」多機能チャートより

「ETF分配金絡みの売り需要は買い手控え要因に」

 今週の日経225先物は、引き続き保ち合いレンジ内(2万2000~2万2700円レベル)での推移が続く可能性が高いと考えられる。ただし、カギを握るのがやはり世界各国で増加傾向が続く新型コロナウイルス感染者数の動向であり、上値の重荷となる可能性が想定される。米国では3日が独立記念日の振替祝日だったこともあり、3連休中の感染者数の動向が週明けにも伝わることになる。足元では3日連続で1日の感染者数が5万人を超えているほか、3日時点で感染数が増加傾向にある州は36に上っており、感染ペースが加速している。日中に伝わるニュースフローに振らされやすい需給状況だけに、方向感をつかみづらくさせそうだ。

 先週の日経225先物は、保ち合いレンジ内での推移だった。2万2000円を一時割り込む場面はあったものの、基本的には2万2000円レベルでの底堅さが意識されている。一方で、上値は25日移動平均線が抵抗ラインとして意識されており、レンジ上限レベルがやや切り下がってきている。先週末時点の25日線は2万2400円辺りに位置しており、次第に煮詰まり感も意識されやすいだろう。

 また、6月前半の高値、半ばに付けた安値を起点に、上値の切り下げと下値の切り上げが進み、三角保ち合いを形成してきている。200日移動平均線を上回っている状況であるため、保ち合いからの上放れが意識されやすいところだ。ただし、こう着感の強い相場展開が継続すると、一目均衡表の遅行スパンが過去の実線を割り込み、テクニカル面ではシグナルが悪化する。

 先週は参加者が限られていた影響もあって短期的なトレードが中心だったが、スタンスとしてはショート戦略に伴う戻り売りスタンスが目立っていた。2万2000円より下は売り込みづらい状況であるため、大きくポジションを傾けてはこないだろうが、日中の売買では5日線が位置する2万2200円辺りを中心レンジとして、25日線レベル(2万2400円処)でのショート、2万2000円に接近する場面でのカバーといったトレードに向かいやすいだろう。新型コロナに関連したニュースフローによっては、5日線レベルと2万2000円処でのより狭いレンジでの取引が意識されてくる。

 需給面においては今週、指数に連動するETF(上場投資信託)の多くで分配金が支払われる。分配金支払基準日は7月8日と10日が多く、各銘柄の権利落ちのタイミングで先物を買い建てて再投資を行い、分配金を支払う際にその先物を売るのが一般的と考えられている。日銀のETF買い入れによってETF残高は増えており、市場推計では約7000億円の売り需要の発生が見込まれている。ETFの分配金支払いのための売り需要については周知の事実ではあるが、少なくとも8日の段階では買い手控え要因になるだろう。

 一方で、9日のナイトセッション辺りから週末にかけては、需給通過を見込んだ押し目を狙う動きも考えられる。こうした需給要因もあって、戻りの場面ではショートポジションを積み上げる動きが出やすいとみられる。

 とはいえ、それでも大きく売り込みづらくさせているのが、現物株への物色の流れである。米国では依然としてアマゾン・ドット・コムなど「GAFA」と呼ばれる銘柄への資金流入が継続。国内においてもソフトバンクグループ <9984> や東京エレクトロン <8035> など、日経平均に対する指数寄与度の大きい銘柄への資金流入が続く。先週末のNT倍率(先物中心限月)は14.35であり、高いところでは14.40と高値を更新している。NT修正の動きを意識しつつも、ETFの需給要因を考慮すると、TOPIX先物売り、日経225先物買いによる裁定が働きやすい面もありそうだ。

 なお、経済指標では、米国で6月ISM非製造業景況指数(6日)、5月卸売売上高(9日)、6月卸売物価指数PPI(10日)が予定されている。6月ISM非製造業景況指数の改善が指数を押し上げる一因になる可能性があるが、スタンスとしては戻り売りに伴うショート戦略となり、早めのカバーが有効だろう。

――プレイバック・マーケット――

●SQ値
6月限 日経225 22,071.46  TOPIX  1550.43

◆日経225先物9月限(日中)
       始値   高値   安値   清算値 前日比
7月3日日中  22300  22310  22120  22280  +100
7月2日日中  22180  22250  22040  22180  +90
7月1日日中  22310  22330  22010  22090  -140
6月30日日中  22390  22420  22210  22230  +180
6月29日日中  22240  22250  21920  22050  -370 
6月26日日中  22450  22530  22340  22420  +200
6月25日日中  22210  22360  22090  22220  -240
6月24日日中  22530  22610  22420  22460  -100
6月23日日中  22620  22690  22180  22560  +240
6月22日日中  22280  22510  22240  22320  -190
6月19日日中  22440  22510  22290  22510  +310
6月18日日中  22320  22370  22050  22200  -330
6月17日日中  22380  22530  22180  22530  +170
6月16日日中  22040  22570  22000  22360  +1010
6月15日日中  22000  22190  21330  21350  -790

◇TOPIX先物9月限(日中)
       始値   高値   安値   清算値 前日比
7月3日日中  1552.5  1553.0  1537.0  1552.0 +8.0
7月2日日中  1544.0  1550.5  1533.5  1544.0 +7.0
7月1日日中  1556.0  1560.5  1531.0  1537.0 -21.0
6月30日日中  1573.0  1574.5  1551.5  1558.0 +6.0
6月29日日中  1564.5  1564.5  1546.0  1552.0 -20.5
6月26日日中  1571.5  1579.5  1566.5  1572.5 +15.0
6月25日日中  1561.5  1568.5  1552.0  1557.5 -17.5
6月24日日中  1583.0  1584.0  1572.0  1575.0 -11.5
6月23日日中  1587.5  1596.0  1565.5  1586.5 +14.0
6月22日日中  1571.0  1584.0  1568.0  1572.5 -13.5
6月19日日中  1586.5  1588.0  1571.0  1586.0 +14.0
6月18日日中  1577.0  1583.0  1562.5  1572.0 -19.0
6月17日日中  1584.5  1591.0  1573.0  1591.0 +9.0
6月16日日中  1564.5  1594.5  1557.5  1582.0 +61.0
6月15日日中  1550.0  1570.5  1517.0  1521.0 -38.0

●シカゴ日経平均 円建て
         清算値 前日比
7月3日  休場
7月2日 (9月限) 22315 +135
7月1日 (9月限) 22185 +95
6月30日(9月限) 22285 +55
6月29日(9月限) 22335 +285
6月26日(9月限) 22245 -175
6月25日(9月限) 22450 +230
6月24日(9月限) 22225 -235
6月23日(9月限) 22505 -55
6月22日(9月限) 22550 +230
6月19日(9月限) 22290 -220
6月18日(9月限) 22350 +150
6月17日(9月限) 22460 -70
6月16日(9月限) 22345 -15
6月15日(9月限) 21915 +565
※前日比は大阪取引所終値比

□裁定取引に係る現物ポジション裁定残(金額)
      売り     前週末比   買い   前週末比  
6月26日  1兆8206億円  -672億円  3788億円 +147億円
6月19日  1兆8878億円  -480億円  3640億円 +786億円
6月12日  1兆9358億円 -3999億円  2853億円 -1746億円 
6月5日   2兆3357億円  -896億円  4600億円 -384億円
5月29日  2兆4254億円 -1453億円  4984億円 +317億円
5月22日  2兆5707億円  +732億円  4666億円 +156億円
5月15日  2兆4974億円 +1437億円  4509億円 -681億円
5月8日   2兆3537億円  +687億円  5191億円 +195億円
5月1日   2兆2850億円 -1275億円  4995億円 +223億円

□裁定取引に係る現物ポジション(株数)
     売り      前日比     買い     前日比 
7月1日   7億5348万株   +449万株  2億1277万株   -606万株
6月30日  7億4899万株   +988万株  2億1884万株   +1149万株
6月29日  7億3910万株   +777万株  2億0734万株   +1316万株
6月26日  7億3132万株   -275万株  1億9417万株   +438万株
6月25日  7億3408万株   +853万株  1億8978万株   -301万株
6月24日  7億2554万株   -883万株  1億9280万株    +6万株
6月23日  7億3437万株   -881万株  1億9274万株   +541万株
6月22日  7億4319万株   -119万株  1億8733万株    +48万株
6月19日  7億4438万株   +528万株  1億8685万株   +284万株
6月18日  7億3909万株   -1176万株  1億8400万株   -162万株
6月17日  7億5085万株   -757万株  1億8563万株   +1720万株
6月16日  7億5843万株   -1370万株  1億6842万株   +1906万株
6月15日  7億7213万株   +1326万株  1億4936万株   +364万株
6月12日  7億5887万株 -1億3763万株  1億4571万株 -1億2451万株
6月11日  8億9651万株   -2169万株  2億7023万株   -734万株
6月10日  9億1820万株   +2553万株  2億7757万株   +4251万株
6月9日   8億9267万株   +2663万株  2億3505万株   +847万株
6月8日   8億6603万株   -2193万株  2億2658万株   -306万株
6月5日   8億8796万株   -653万株  2億2964万株    +94万株
6月4日   8億9449万株   -1106万株  2億2869万株   +751万株
6月3日   9億0556万株   -2802万株  2億2117万株   -3218万株
6月2日   9億3358万株   -2657万株  2億5336万株   +700万株
6月1日   9億6015万株   -337万株  2億4636万株   -334万株

■日本銀行による指数連動型上場投資信託(ETF)買い入れ推移(通常ETF分)
6月11日 1001億円
6月12日 1001億円
6月18日 1001億円
6月19日 1001億円
6月25日 1001億円
6月29日 1001億円

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