【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):任天堂、三菱UFJ、グンゼ
任天堂 <日足> 「株探」多機能チャートより
任天堂<7974>が4日ぶり反発。国内外で新型コロナウイルス感染第2波への警戒感が強まっている。レジャー分野でゲーム関連は巣ごもり消費の象徴となっており、「ニンテンドースイッチ」の需要活況な同社に追い風が改めて意識されている。ソフトでは「あつまれ どうぶつの森」が大ヒットしており、再び外出自粛の思惑が浮上するなか、コロナ耐性の強い銘柄として個人投資家など短期筋の買いに厚みが加わっている。
■三菱UFJ <8306> 421.1円 +3.4 円 (+0.8%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などが頑強な値動きをみせるほか、第一生命ホールディングス<8750>も上値指向をみせるなど大手金融株が買い優勢の展開となっている。米国では新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない状況で、経済活動が再び停止され景気底入れが遅れることへの警戒感が強まっている。こうした状況下で米長期債利回りも上昇傾向にあり、今週明け29日終値で0.62%台まで低下していた10年債利回りは前日終値時点で0.67%台後半まで上昇している。米長期金利の上昇は日本のメガバンクや生保にとって運用環境の改善につながることで、株価にプラスに働いている。
■グンゼ <3002> 3,975円 +30 円 (+0.8%) 本日終値
グンゼ<3002>が反発。岩井コスモ証券は1日、同社株の投資判断「A」を継続した。目標株価は4800円(従来6060円)とした。20年3月期の連結営業利益は前の期比0.8%増の67億4600万円と増益を確保したが、新型コロナウイルスの影響でアパレルの店頭販売が減少したこともあり期初計画を下回って着地した。同社では21年3月期業績予想は未定としているが、同証券では前期比5.1%減の64億円と減益を見込んでいる。ただ、足もとでは、ペットボトル飲料のラベルフィルムなどに使用されるハイブリッドタイプの収縮フィルムが伸びているほか、アパレル事業は完全無縫製・カットオフなど差異化技術商品による収益貢献が見込める。中期的には安定的な成長が期待できることを評価し、最上位の投資判断を継続している。
■東京エレクトロン <8035> 27,930円 +195 円 (+0.7%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>が売り物をこなし強調展開、上場来高値更新が続いている。世界的な半導体需要の高まりを背景に米国株市場ではインテルやエヌビディア、アプライドマテリアルズなどの半導体関連株が買い人気を集めており、東京市場でもその流れが波及している。同社は半導体製造装置の国内トップで、EUV露光技術などの新たな市場が立ち上がるなか、世界的な半導体メーカーの設備投資需要を取り込むことが期待されている。
■TDK <6762> 10,300円 -230 円 (-2.2%) 本日終値
TDK<6762>が続落。岩井コスモ証券は1日、同社株の投資判断を「A」から「B+」に引き下げた。目標株価は1万1900円(従来1万4000円)に見直した。モバイル機器向けリチウム2次電池は堅調だが、同社は受動部品の車載向け売上比率が高く、業績が力強さを取り戻すタイミングが遅れる可能性を指摘している。20年3月期の連結営業利益は前の期比9.2%減の978億7000万円となった。受動部品と磁気応用製品が減益で同利益は1000億円を割り込んだ。21年3月期の同利益も前期比28.5%減の700億円が見込まれている。新型コロナウイルスの感染拡大による世界経済の停滞で自動車やスマホ向け販売が影響を受けることが懸念されている。
■クレアホールディングス <1757> 159円 +21 円 (+15.2%) 本日終値
クレアホールディングス<1757>は6連騰し、年初来高値を更新している。1日の取引終了後、子会社クレアが販売するダチョウ抗体を配合した新型コロナウイルス感染症対策商品「V BLOCK SPRAY」などに関して、パースジャパン(東京都文京区)と売買基本契約書を締結したことを発表しており、これが好感された。パースジャパンは、病院内における患者のアメニティ環境の構築を手掛け、特に病院向けテレビレンタルでは業界最大手クラスの実績を有している。今回の売買契約を締結したことにより、クレアが同商品を安定的に販売し、収益をねん出できる効率的な商流の構築につながるとしている。なお、同商品の販売実績を積み上げたうえ、業績に重大な影響を与えることが判明した場合、速やかに開示するとしている。
■Abalance <3856> 814円 +106 円 (+15.0%) 一時ストップ高 本日終値
Abalance<3856>が急反騰、商いも増勢でマーケットの注目を集めている。法人向けソフト開発を祖業とするが、現在は太陽光発電事業に経営資源を注いでいる。政府が打ち出した「ムーンショット型研究開発制度」では、ターゲットの1つに「地球環境再生のために、持続可能な資源循環の実現による、地球温暖化問題の解決(Cool Earth)と環境汚染問題の解決(Clean Earth)を目指す」という目標が掲げられており、同社はその関連有力株との位置づけで、株価の先高を見込んだ投資資金が流入している。6月中旬にマドを開けて急騰したが、ここで日足一目均衡表の雲抜けを果たしており、中期的にも13週・26週移動平均線のゴールデンクロス接近で注目されやすいタイミングにあった。
■スーパーバリュー <3094> 786円 +100 円 (+14.6%) ストップ高 本日終値
スーパーバリュー<3094>がストップ高。同社は埼玉県を中心に食品スーパーとホームセンターを併設した複合店舗を展開。外出自粛による「巣ごもり消費」に加え、東京に勤務している「埼玉都民」の需要がテレワークで地元に回帰するとの期待が浮上している。同社の4月の既存店売上高は前年同月比12.6%増、5月は同14.2%増と好調。業績拡大期待で同社株には買いが集まっている。
株探ニュース