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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):テラ、ブシロード、凸版

テラ <日足> 「株探」多機能チャートより
■テラ <2191>  1,721円  +300 円 (+21.1%) ストップ高   本日終値
 テラ<2191>が連日のストップ高。同社は19日取引終了後、メキシコで実施中の新型コロナウイルス感染症治療の臨床試験について、同国イダルゴ州知事がその成果を見極めた上で、近々に薬事申請に向けて共同作業に着手すると共同会見で発言したことを発表、これが株価を改めて刺激する格好となった。株価は今月9日に2175円の高値をつけたが、その後は新型コロナ治験を巡る週刊誌記事などが嫌気され1000円近辺まで大きく値を崩す場面もあった。1000円台前半のもみ合いを経て、前週末を境に再び上値指向を強めてきた。

■クミアイ化学工業 <4996>  1,003円  +113 円 (+12.7%)  本日終値  東証1部 上昇率2位
 クミアイ化学工業<4996>が急反発。19日取引終了後、米ゴーワン社と殺菌剤「ペンシクロン」の日本国内における独占販売契約を締結したと発表しており、競争力の強化を期待する買いなどが入ったようだ。ペンシクロンは、Rhizoctonia solaniが引き起こす植物病害に安定して高い効果を示す殺菌剤の有効成分で、世界の多くで使用されている殺菌剤。水稲、ばれいしょ、てんさいなどで使用される製品は8月1日から開始し、芝用製品のセレンターフやタフシーバは、10月1日から子会社の理研グリーンが一元販売するという。同日発表した20年10月期上期(19年11月~20年4月)の連結経常利益は54億7300万円(前年同期比15.5%減)と従来予想の53億円を小幅に上回って着地。売上高はほぼ横ばいだったものの、販管費や為替差損の増加などが響いた。

■ブシロード <7803>  2,790円  +285 円 (+11.4%)  本日終値
 ブシロード<7803>は大幅高で5日続伸し一時、前日比12.6%高の2820円に買われた。前週末19日の取引終了後に発表した第3四半期累計(19年8月~20年4月)連結営業利益が22億1400万円(前年同期比11.4%減)と2ケタ減益となったものの、想定内の業績悪化にとどまったことから、買いが流入した。コロナ禍により全体的に受注が減少するなか、IPを軸としたイベントや音楽ライブを無観客で開催しオンラインで配信するなどの施策が寄与し、売上高は252億2400万円(同7.2%増)となった。ただ、モバイルオンラインゲーム部門で一部自社配信アプリの運営管理費やメディア部門で複数のアニメに係る償却費の増加があったほか、「D4DJ」など新規IPへの投資費用が響いた。なお、20年7月通期連結業績予想は、合理的に算定することが困難と判断し引き続き未定としている。

■大阪有機化学工業 <4187>  2,204円  +209 円 (+10.5%)  本日終値  東証1部 上昇率5位
 大阪有機化学工業<4187>が急伸して一時、前週末比348円(17.4%)高の2343円に買われ、上場来高値を更新した。前週末19日の取引終了後、第2四半期累計(19年12月~20年5月)連結業績について、営業利益が18億8200万円から23億8400万円(前年同期比35.1%増)へ、純利益が13億4100万円から16億9200万円(同26.8%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。売上高は145億6100万円から143億4200万円(同1.1%増)へ下振れたものの、半導体材料を中心に電子材料事業の販売が好調に推移したことが利益を押し上げた。同時に、上期業績の上振れに伴い、20円を予定していた中間配当を23円にするとした。年間配当は43円(従来予想40円)を予定している。

■MDV <3902>  1,225円  +108 円 (+9.7%)  本日終値  東証1部 上昇率6位
 メディカル・データ・ビジョン<3902>が急動意、10%近い上昇で上値指向を明示、今月3日につけた年初来高値1198円奪回を視界に捉えた。同社は医療機関や製薬会社向けに医療ビッグデータの独自構築と利活用サービスを提供するが、日本最大級の量と質を誇る診療データベースを確保していることが強みでヘルステック関連の有望株として頭角を現している。データベースは今年5月末時点で既に3100万人を超えており、中期的な成長期待が強い。足もとの業績も好調で営業利益は19年12月期に前の期比倍増以上の伸びを示したが、20年12月期も2ケタ成長が見込まれている。

■電算システム <3630>  3,830円  +250 円 (+7.0%)  本日終値
 電算システム<3630>が大幅高で3日続伸。この日、混雑状況を見える化し「3密」を軽減するデジタルサイネージの提供を開始すると発表しており、これが好感された。同製品は、セキュア(東京都新宿区)が提供するAI・画像解析ソリューション「comieru(コミエル)」に加えて、客数情報解析ソリューション「Vemcount」と連携が可能なデジタルサイネージソリューション。出入口に設置したステレオカメラで入退店者をカウントし、店内の人数や最大3段階の混雑状況を取得し、取得したデータはクラウド型デジタルサイネージ「StratosMedia(ストラタスメディア)」とリアルタイムで連携して出入口のディスプレーに表示するという。これにより、あらかじめ設定した数値を超えると、注意喚起や入場制限の画面に自動的に切り替わるほか、複数の出入口を持つ店舗でも利用できるのが特徴という。

■ノジマ <7419>  2,595円  +127 円 (+5.2%)  本日終値
 ノジマ<7419>が5日ぶりに反発。前週末19日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表しており、これが好感された。上限を150万株(発行済み株数の2.99%)、または45億円としており、取得期間は6月22日から21年5月31日まで。経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を図るためとしている。

■塩野義製薬 <4507>  7,087円  +150 円 (+2.2%)  本日終値
 塩野義製薬<4507>が3日続伸で新高値。22日付の日本経済新聞は「専門の技師や検出器を使わず、30分程度で新型コロナウイルスを判定する検査法が実用に向けて動き出す」と伝え、具体的には日本大学の桑原正靖教授らが作ったウイルス検査で、月内に塩野義と量産向け検査キットの開発でライセンス契約を結ぶと報道した。この検査方法は、PCR検査より簡便で大量検査が可能であり、同社は検査キットが診断に使えると判断すれば、厚生労働省に薬事承認を申請し、今秋の実用化を目指すという。この報道が好感され、同社株には買いが集まった。

■GSユアサ <6674>  1,843円  +30 円 (+1.7%)  本日終値
 ジーエス・ユアサ コーポレーション<6674>が後場動意づき、一時5%近く上昇した。傘下のGSユアサはきょう、自社販売する車載用リチウムイオン電池「EHW4S」がトヨタ自動車<7203>のハイブリッドシステムに初採用されたと発表しており、これが材料視されたようだ。「EHW4S」のセル・モジュールはグループのブルーエナジーが製造しており、このほどトヨタが6月17日に発売した新型ハリアーのハイブリッド仕様車に搭載。「EHW4S」は優れた低抵抗化技術の採用により、入出力特性を同社従来製品と同等としたうえで、ハイブリッドシステムに求められるエネルギー量の最適化をおこない、同社従来製品から10%以上の軽量化と20%以上の小型化を実現しているという。

■凸版印刷 <7911>  1,856円  +21 円 (+1.1%)  本日終値
 凸版印刷<7911>が4日ぶりに反発。前週末19日の取引終了後に発表した20年3月期連結決算が、売上高1兆4860億円(前の期比1.5%増)、営業利益664億1300万円(同45.2%増)、純利益870億4700万円(同2.1倍)と大幅増益だったことが好感された。半導体市況の低迷でフォトマスクが苦戦したエレクトロニクス事業分野は落ち込んだが、セキュア関連でキャッシュレス決済関連サービスやICカード関連、プレミアム商品券が好調に推移した情報コミュニケーション事業分野は前年を上回った。また、コスト削減なども奏功した。なお、21年3月期通期業績予想は、新型コロナウイルス感染症の影響を合理的に算出することが困難であるとして未定としている。

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