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【市況】明日の株式相場戦略=アフターコロナ、DX関連に吹く薫風

 きょう(21日)の東京株式市場は、日経平均が5日ぶりに前日終値を下回る展開となった。もっとも下げ幅は40円あまりにとどまり、ようやく上昇が一服したという印象。前日の米株高はあまり日経平均には影響を及ぼしにくいタームに入っており、おのずと視線の先は取引時間中の米株価指数先物に向かいやすくなる。きょうは、その影響が出た1日といってもよさそうだ。

 トランプ米大統領は、新型コロナウイルスに蹂躙される形となった自国経済を前に大統領選を意識したリカバリーショットを放たなければならない。分かりやすくその対象は中国だ。米中対立の先鋭化が盛んに言われるようになっており、株式市場は再びトランプ・ツイッター砲に神経質になるタイミングではある。以前よりマーケットは大統領の雄叫びに“耐性”ができているとはいえ、アルゴリズム売買の動きにも注意が必要となる。

 あすは、日銀の臨時金融政策決定会合があるが、ここでは企業の資金繰り支援が眼目で、追加緩和の可能性についてマーケットはそれほど期待していないと思われる。中国では全人代が開幕、GDP成長率の見通しについては開示しないという見方もあり、当局の景気刺激策への期待はあるものの、米中対立のさなか過度な期待はできない。

 物色の流れとしては人工知能(AI)関連株が一気に噴き上げてきた。象徴的なのはFRONTEO<2158>できょうはストップ高で買い物を残して引けた。2カ月前の同社の株価は150円台だったから、ほぼ3倍化したことになる。サイオス<3744>も大勢二段上げの様相。一時ストップ高目前まで買われた後伸び悩んだが、緩んだところはしたたかに買いが入ってくる。目先の押し目はマークしたい。

 また、新型コロナウイルスに対応した動きで「AIサーマルカメラ」の発売を発表したテクノホライゾン・ホールディングス<6629>も人気が加速している。依然として株価指標面では割高感には乏しい。オンライン教育など教育ICT関連の一角でもあり、国策銘柄として収益環境も追い風であり、5日移動平均線との上方カイ離修正場面は狙えそうだ。

 アフターコロナの世界で変わるビジネスのパワーバランス。勝ち残りに向けて優位に立つのはやはりAIや次世代半導体を含めたIT周辺企業ということになりそうだ。特に日本は欧米や中国と比べITインフラで大きく出遅れているという現実があり、いわゆるデジタルトランスフォーメーション(DX)の担い手となる企業が商機をつかみやすく、それが成長シナリオにもつながる。グロース株投資という観点では、株価はこのシナリオの部分を評価することになる。

 最近取り上げたNECネッツエスアイ<1973>は通信ネットワークに強いシステムインテグレーターで親会社のNEC<6701>の好調な業績が株高の原動力となっており、上値指向が強い。また、小型株ではクラウドに注力しスマート農業分野で実績が高い大和コンピューター<3816>に注目。ここ動意含みとなっているが、まだ出遅れ修正の初動とみられる。更に、金融業界向けを主力とするソフト開発会社でRPAとAI技術を融合させたソリューションで実力を発揮するニーズウェル<3992>や、M&A戦略を駆使してITベンチャー企業連合を形成するアクモス<6888>などは株価3ケタで値ごろ感もあるだけに、人気化素地が高いと思われる。

 目先急騰後に調整を入れているノムラシステムコーポレーション<3940>は独SAPのERPソフトに特化したシステムを導入するほかRPA分野も開拓、足もとの業績は絶好調に推移しており、押し目狙いで妙味がある。このほか、ソフト開発などに必要なIT系の技術者を派遣する企業にもビジネスチャンスが生まれることになる。アルトナー<2163>はその有力候補としてチェックしておきたい。

 日程面では、あすは日銀の臨時金融政策決定会合が行われるほか、4月の全国消費者物価指数、4月の全国百貨店売上高などが発表される。海外では、中国で全国人民代表大会(全人代)が開幕。このほか4月の英小売売上高など。インドネシアは休場となる。
(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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