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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):古河電、メドレー、ソニーFH

古河電 <日足> 「株探」多機能チャートより
■UACJ <5741>  2,071円  +331 円 (+19.0%)  本日終値  東証1部 上昇率2位
 UACJ<5741>は続急伸し、一時21.8%高の2119円に買われた。19日取引終了後に20年3月期連結決算を発表。営業利益は前の期比31.9%減の101億2600万円となったものの、従来予想の75億円から上振れて着地しており、これが好感された。売上高は同7.0%減の6151億5000万円(従来予想は6250億円)となった。国内販売数量の減少やアルミ地金価格が下落したことが響いた。ただ、販売構成の見直しやコスト削減の早期実現を図ったことや、棚卸評価関係が想定を上回ったことが利益の上振れにつながった。なお、21年3月期業績予想は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により現時点で合理的な業績予想の算定が困難であるとして未定にしている。

■BASE <4477>  3,310円  +500 円 (+17.8%) ストップ高   本日終値
 BASE<4477>は上値追い鮮烈、値幅制限上限となる500円高は3310円まで買われる人気となった。連日の上場来高値で、きょうまで3日連続でストップ高に買われる異彩人気となった。同社は中小企業向けなどを主力にECサイト制作を行う。小売業界ではデジタルシフトに向けた投資を進めるリテールテックの動きが加速しており、そのなか、資金や技術力に乏しい中小企業でも簡単にECサイトの運営を可能とする同社のeコマースプラットフォーム「BASE(ベイス)」が注目されている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛の動きを背景に巣ごもり消費が活発化しており、同社の収益環境に吹く追い風が強い。「BASE」のショップ開設数は既に100万ショップを突破しており、EC顧客店舗の流通金額も急増傾向にあることで、株価を強く刺激する形となっている。

■ウシオ電機 <6925>  1,255円  +176 円 (+16.3%)  本日終値  東証1部 上昇率3位
 ウシオ電機<6925>が4連騰。今朝放送のテレビ朝日系情報番組「モーニングショー」で、新型コロナウイルス対策の一つとして、同社の紫外線殺菌・ウイルス不活化ユニット「Care222」が紹介されたことが好感されたようだ。なお、同製品については、米コロンビア大学など新型コロナウイルスに対する照射実験を進めているという。

■古河電気工業 <5801>  2,395円  +331 円 (+16.0%)  本日終値  東証1部 上昇率4位
 古河電気工業<5801>が急騰。株価は一時、前日に比べ19.5%高に買われた。19日取引終了後に発表された20年3月期連結業績は従来予想を上回って着地した。売上高は9000億円の見通しに対し9144億3900万円(前の期比7.8%減)、営業利益は200億円が235億6500万円(同42.3%減)、純利益が100億円に対し176億3900万円(同39.4%減)となった。北米光ケーブルの生産性が改善したほか経費抑制策が貢献した。また持分法投資損益や固定資産の売却なども貢献した。21年3月期の業績予想は未定とされたが、生産性の向上などを評価する買いが流入した。

■マネーフォワード <3994>  5,840円  +500 円 (+9.4%)  本日終値
 マネーフォワード<3994>が大幅続伸。株価は前日に比べ一時10%超の上昇となった。SMBC日興証券は19日、同社株の投資評価「1」を継続するとともに、目標株価を5000円から6600円に引き上げた。足もとの株価はグローバルなSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)企業の比較で売上成長率に対して割安とみている。また、長期的に新型コロナウイルスの影響はIT投資の選別やテレワークの拡大によりクラウドシフトを促進させる。特に、会計や請求書、経費精算、電子署名などバックオフィス業務でのクラウド化ニーズは引き続き高まっていくとみられ、同社の業務には追い風になると予想している。

■メドレー <4480>  3,385円  +265 円 (+8.5%)  本日終値
 メドレー<4480>は7連騰。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「政府は19日、国家戦略特区諮問会議を開き、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、時限措置として全国で初診から可能になっているオンライン診療について恒久化に向けた議論を始めた」と報じられており、オンライン診療システム「CLINICSオンライン診療」を展開する同社のビジネスチャンス拡大につながるとの思惑から買われたようだ。

■ソニーFH <8729>  2,595円  +183 円 (+7.6%)  本日終値
 ソニーフィナンシャルホールディングス<8729>がカイ気配スタートで4連騰。前日は取引時間中にソニー<6758>がTOB(株式公開買い付け)を通じて買収するとの報道を受けて売買停止となっていた。同日取引終了後、ソニーが同社に対してTOBを実施し、完全子会社化を目指すと正式に発表。TOB価格が前日終値を7.8%上回る1株2600円とあって、本日の株価はこれにサヤ寄せする形で買い気配値を切り上げる形となった。なお、買付期間は5月20日から7月13日までとし、TOBが成立した場合、同社株は上場廃止となる見通しだ。

■ブレインパッド <3655>  4,990円  +335 円 (+7.2%)  本日終値
 ブレインパッド<3655>、ALBERT<3906>などが大幅高に買われたほか、日本サード・パーティ<2488>、シグマクシス<6088>、KADOKAWA<9468>、PKSHA Technology<3993>、HEROZ<4382>など人工知能(AI)関連株が軒並み高い。米国ではAI向けGPUの新製品を発表したエヌビディアが同分野での優位性を評価され上場来高値を連日更新している。新型コロナウイルスの感染拡大の中にあってもクラウドサービスへのニーズは高く、「AIの活用を背景とした旺盛なデータセンター投資需要に改めて注目が集まっている」(国内ネット証券アナリスト)という。

■光通信 <9435>  23,020円  +1,240 円 (+5.7%)  本日終値
 光通信<9435>が後場一段高。正午ごろに発表した21年3月期連結業績予想で、売上高5250億円(前期比0.1%増)、営業利益750億円(同2.7%増)、純利益530億円(同2.6%増)と連続増収増益を見込み、年間配当を前期比18円増の420円を予定していることが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、一部事業で対面販売機会の減少に伴う新規契約数の減少や需要減少による減収が発生しているものの、法人サービス、個人サービスともに顧客契約数が増加していることから、毎月支払われる基本契約料金や使用料金、保険料金などのストック利益が増加する見通し。なお、20年3月期決算は、売上高5245億7000万円(前の期比8.3%増)、営業利益730億400万円(同13.6%増)、純利益516億7000万円(同4.3%増)だった。

■日本曹達 <4041>  2,990円  +144 円 (+5.1%)  本日終値
 日本曹達<4041>が大幅高で4日続伸。19日取引終了後、20年3月期の連結経常利益は前の期比16.0%増の103億1200万円だったと発表。従来予想の83億円を上回り、減益予想から一転して増益で着地となったことが好感されたようだ。カセイソーダや青化ソーダといった工業薬品の販売減少で主力の化学品事業は減収減益だったものの、プラント建設工事が増加した建設事業の収益拡大などで補った。持ち分法適用関連会社Novus Internationalで前の期に計上した損失が縮小したことも利益を大きく押し上げた。なお、21年3月期の業績と配当見通しは開示しなかった。

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