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【市況】今週は決算発表がピークを迎える/オープニングコメント

NYダウ <日足> 「株探」多機能チャートより

 11日の日本株市場は、底堅い相場展開が見込まれる。8日の米国市場ではNYダウが455ドル高だった。米中が声明を発表し、ライトハイザーUSTR代表とムニューシン財務長官、中国の劉鶴副首相がパンデミック以降初めて貿易協議を開催したことを明らかにすると、米中関係の悪化懸念が後退し上昇して寄り付いた。引けにかけては、景気底入れへ期待感から上げ幅を一段と拡大した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比70円高の20210円。円相場は1ドル106円70銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行の展開が意識されそうである。ただし、先週末に500円を超える大幅な上昇で節目の2万円を回復した反動も意識されやすいところである。ショートは振りづらいだろうが、利益確定の流れも出てくるところであるほか、決算発表がピークを迎えることもあり、積極的な上値追いの流れは限られそうである。

 また、ペンス米副大統領は自身の報道官の新型コロナウイルス陽性が8日に判明したことから、自主隔離に入ったと、事情に詳しい関係者が明らかにしたと伝えられている。閣僚の感染拡大が警戒されやすく、週明けの米国市場の動向を見極めたいとする模様眺めムードが強まる可能性がありそうだ。そのため、上値追いは限られそうだが、経済活動再開に向けた動きが意識されるなか、2万円処での底堅さが意識されやすいとみられる。

 その他、決算については今期計画を開示しない企業が多いが、足元の状況から織り込まれている面もあるだろう。そのため、業績悪は織り込まれる中、決算発表後はアク抜け的な動きに向かう展開を意識した押し目拾いのスタンスに向かおう。VIX指数は30を下回ってきており、原油相場も2週連続で上昇するなど、出口戦略を意識した長期目線による物色の広がりがみられてこよう。
《AK》

 提供:フィスコ

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