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【市況】来週の株式相場戦略=決算発表本格化へ、「緊急事態宣言」の行方も注目

日経平均 <日足> 「株探」多機能チャートより
 今週の日経平均株価 は635円(3.2%)安と3週ぶりの下落となった。先週には、2万円に接近しながらも大台替えはならなかった。このため、今週は利益確定売りが膨らんだ格好だ。来週は、週半ばからゴールデンウイーク(GW)に入る。市場参加者も限られるなか、日経平均株価の上値は重い展開が続きそうだ。来週の予想レンジは1万8800~1万9700円。

 来週の市場参加者は限られそうだが、注目イベントは多い。まず第1には、日米欧の中央銀行による金融政策決定会合が開かれる。27日に日銀、28~29日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、30日に欧州中央銀行(ECB)と続く。米国はゼロ金利政策と量的緩和の再開などのカードをすでに切っており、日米欧のなかでは「最も日銀の動向への関心が高い」(市場関係者)ようだ。日銀は追加金融緩和に向けて、「現在80兆円としている国債購入めどを撤廃する」とも報じられた。日銀の追加緩和の決定に対して、市場がどんな反応を示すかが関心を集めている。

 第2には、来週から日本企業の決算発表が本格化する。この決算発表が、市場へのインパクトは一番大きいとみられている。特に、28日に発表される富士通<6702>や野村総合研究所<4307>といったIT系企業の決算に対する期待は高い。また、30日には村田製作所<6981>と日本電産<6594>などの決算が予定されている。

 第3には、政府の「緊急事態宣言」の期限が5月6日とされていることから、この期間の延長の有無が来週には公表されそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大は続いていることから「5月いっぱい頃までの延期を宣言するのでは」(市場関係者)との見方がある。期間の延長は「長い目では感染拡大の抑制につながるものであり、市場はすでに延期を織り込んでいる」(同)ともみられている。

 足もとでは、日経平均株価は軟調な一方で東証マザーズ指数が今週で3週連続の上昇を記録している。全体相場は手掛かり材料難の状態が予想されるが、中小型株を中心とする個別株物色の流れは続きそうだ。
(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

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