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【市況】後場に注目すべき3つのポイント~金融政策による下支えとは言え、各国に日本の底堅さを示す

日経平均 <1分足> 「株探」多機能チャートより

23日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は小幅上昇、金融政策による下支えとは言え、各国に日本の底堅さを示す
・ドル・円は弱含み、ややドル売りの流れ
・値上がり寄与トップはファナック<6954>、同2位はアドバンテスト<6857>

■日経平均は小幅上昇、金融政策による下支えとは言え、各国に日本の底堅さを示す

日経平均は小幅に上昇。80.63円高の16633.46円(出来高概算12億4000万株)で前場の取引を終えた。朝方はグローベックスの米株先物でサーキットブレーカーが発動する状況となり、寄り付き前のシカゴ日経225先物が一時15060円まで急落する局面もみられたが、日経平均は小幅に上昇して始まった。その後は、先週見られたNT倍率の低下の反動といった流れにより、日経平均は寄り付き直後には一時16833.56円まで上げ幅を広げる局面に。ただし、その後は再び下げに転じる荒い値動きとなり、先週末の終値水準での推移が続いた。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは、医薬品、非鉄金属、保険、鉄鋼、鉱業が堅調。半面、空運、小売、精密機器、輸送用機器、化学、不動産が軟調。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、アドバンテスト<6857>、ファミリーマート<8028>、第一三共<4568>が堅調。一方で、テルモ<4543>、ダイキン<6367>、花王<4452>、エムスリー<2413>、7&iHD<3382>が冴えない。

グローベックスの米株先物でサーキットブレーカーが発動したほか、米上院民主党は、新型コロナウイルスの景気対策法案の採決に向けたマコネル共和党上院院内総務の動きを阻止したことが伝わり、シカゴ日経225先物が一時15060円まで急落するなかで、日本株においては底堅いスタートとなった。意外な値動きではあったが、今週は配当再投資のほか、年度末までの一部国内金融機関を中心とした売りがおさまると想定されることに加え、日銀のETF買い、一部年金買いといった需給面での下支えが意識されやすいところでもあり、冷静な動きとも捉えられる。

また、先週末には日銀のETF買い入れが2000億円超だったこともあり、前場の段階からETF買い入れへの思惑も高まったと考えられる。また、先週見られていたNT倍率低下に伴うTOPIX優位の展開が一先ず一服しており、225型優位の中で、日経平均を押し上げる格好になったと考えられる。しかし、週明けの米国市場の動向など、引き続き波乱含みの相場展開が警戒されるほか、前場の速い段階でのリバーサルも一巡との見方もあり、手掛けづらい相場展開は続きそうである。

一方で、日本と中国は新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込めているとの評価もみられている。欧州ではイタリアのデフォルトリスクも高まっているほか、米国では感染拡大による経済への影響が警戒されているなかで、相対的に底堅い値動きをみせてくるようだと、リスク回避姿勢の中ではあるが、売り込まれた日本への資金シフトも次第に意識されてくる可能性はありそうだ。前引けのTOPIXは1.0%下落していることもあり、日銀のETF買い入れが意識される。金融政策による下支えといった歪みではあろうが、底堅さを示すところであろう。


■ドル・円は弱含み、ややドル売りの流れ

23日午前の東京市場でドル・円は弱含み。朝方111円25銭を付けた後、ユーロ・ドルのじり高の影響で、ドルを下押し。また、日経平均株価はプラス圏を維持しているが、米株式先物や上海総合指数はマイナス圏が続き、日本株高を好感した円売りは縮小しつつある。
ここまでの取引レンジはドル・円は110円14銭から111円25銭、ユーロ・円は117円91銭から118円93銭、ユーロ・ドルは1.0636ドルから1.0721ドル。


■後場のチェック銘柄

・インフォコム<4348>、横河電機<6841>など、20銘柄がストップ高
※一時ストップ高(気配値)を含みます

・値上がり寄与トップはファナック<6954>、同2位はアドバンテスト<6857>


■経済指標・要人発言

【要人発言】

・安倍首相
「東京五輪、完全な形で実施が困難な場合は延期の判断せざるをえない」


<国内>
特になし

<海外>
特になし

《HH》

 提供:フィスコ

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