【市況】【↓】日経平均 大引け｜ 反落、新型コロナウイルスへの警戒感強く安値引け (3月3日)

日経平均株価
始値　　21651.99
高値　　21719.78(09:05)
安値　　21082.73(15:00)
大引け　21082.73(前日比 -261.35 、 -1.22％ )

売買高　　17億6490万株 (東証1部概算)
売買代金　 3兆0719億円 (東証1部概算)

-----------------------------------------------------------------

■本日のポイント

　１．日経平均は朝高後に売り込まれる展開となり、この日の安値で引ける
　２．前日の米国株はNYダウが過去最大の上げ幅を記録したが、これに続けず
　３．新型コロナの感染拡大に対する警戒感は根強く、依然として売り圧力強い
　４．今晩予定の主要7ヵ国による電話会議では一部報道で政策への期待感剥落
　５．2万1000円トビ台まで下落、東証1部の値下がり銘柄数は1900超

■東京市場概況

　前日の米国市場では、NYダウは1293ドル高と8日ぶりに急反発した。新型コロナウイルスの感染拡大による悪影響に対応するため、主要中央銀行が協調金融緩和に踏み切るとの期待が高まり、上げ幅は過去最大となった。

　東京市場では、朝方は大きく買い優勢で始まったものの買いが続かず、その後日経平均株価は一貫して下値を切り下げる展開となり、安値引けとなった。

　3日の東京市場は、朝方はリスクオンのムードが強かった。前日の米国株市場で金融緩和期待を背景にNYダウが過去最大の上げ幅を記録、これを引き継ぐ形で大きく買いが先行したが、寄り後は一貫して水準を切り下げる展開となった。主要国が金融政策で協調緩和の動きをみせるとの思惑はポジティブ材料だが、新型コロナウイルスの経済への影響を警戒する売り圧力は依然として強い。前引け時点では小幅高で着地したものの、TOPIXは既にマイナス圏に沈んだ。後場は更に下値を試す格好となり、大引けは2万1000円トビ台まで水準を切り下げこの日の安値で引けている。東証1部の値下がり銘柄数は1900超となった。日本時間今晩に開かれる見通しの主要7ヵ国の財務省・中銀総裁による緊急電話会議について、具体的な政策対応が盛り込まれないとの報道が失望売りにつながった。

　個別では、ソニー<6758>が売りに押され、トヨタ自動車<7203>も軟調。東京エレクトロン<8035>が朝高後に安くなり、キヤノン<7751>も値を下げた。ファーストリテイリング<9983>、リクルートホールディングス<6098>なども下落した。エイチ・アイ・エス<9603>が大幅安、ノーリツ鋼機<7744>、サニックス<4651>も急落した。キャリアインデックス<6538>、北の達人コーポレーション<2930>などの下げも目立つ。
　半面、売買代金トップのソフトバンクグループ<9984>がしっかり。オリエンタルランド<4661>も堅調。帝人<3401>が大きく買われた。カーブスホールディングス<7085>がストップ高となり、ブイキューブ<3681>も値幅制限いっぱいに買われた。ビーロット<3452>、テモナ<3985>なども急伸。このほか、オルトプラス<3672>も活況高となった。

　日経平均へのプラス寄与度上位5銘柄はＳＢＧ <9984> 、エーザイ <4523> 、ＮＴＴデータ <9613> 、スズキ <7269> 、武田 <4502> 。5銘柄の指数押し上げ効果は合計で約18円。うち11円はＳＢＧ1銘柄によるもの。
　日経平均へのマイナス寄与度上位5銘柄はファストリ <9983> 、東エレク <8035> 、ファナック <6954> 、ダイキン <6367> 、アドテスト <6857> 。5銘柄の指数押し下げ効果は合計で約84円。

　東証33業種のすべての業種が下落。下落率の小さかった上位5業種は(1)電気・ガス業、(2)空運業、(3)精密機器、(4)情報・通信業、(5)鉱業。一方、下落率の大きかった5業種は(1)証券商品先物、(2)水産・農林業、(3)倉庫運輸関連、(4)その他金融業、(5)機械。

■個別材料株

△ツクイ <2398>
　三菱ＵＦＪＭＳ証券が目標株価を800円へ引き上げ。
△サントリＢＦ <2587>
　ＳＭＢＣ日興証券が投資評価を引き上げ。
△帝人 <3401>
　新型肺炎に子会社展開の喘息治療薬投与で良好な結果と報告。
△霞ヶ関Ｃ <3498> [東証Ｍ]
　熊本市のホテル事業でALL－JAPAN観光立国ファンドの出資を招聘。
△ブイキューブ <3681>
　テレワーク関連で材料満載。
△ＡＩｉｎｓ <4488> [東証Ｍ]
　「DX Suite」が1000契約を突破。
△サムコ <6387>
　上期経常を47％上方修正・19期ぶり最高益更新へ。
ワークマン <7564> [ＪＱ]
　2月既存店売上高は29ヵ月連続で前年上回る。
△広済堂 <7868>
　麻生の保有割合上昇で思惑。
△ヨンキュウ <9955> [ＪＱ]
　マルハニチロ <1333> と資本・業務提携を締結。

▼倉元 <5216> [ＪＱ]
　6日に予定していた事業再生改革案の決議を3月下旬に延期。
▼Ｎｕｔｓ <7612> [ＪＱ]
　証券取引等監視委員会による強制調査と社長交代を発表。

　東証1部の値上がり率上位10傑は(1)カーブスＨＤ <7085> 、(2)ブイキューブ <3681> 、(3)ビーロット <3452> 、(4)テモナ <3985> 、(5)粧美堂 <7819> 、(6)協栄産 <6973> 、(7)ミダック <6564> 、(8)ソウルド <6553> 、(9)キャリアＬ <6070> 、(10)オルトＰ <3672> 。
　値下がり率上位10傑は(1)ランド <8918> 、(2)ＨＩＳ <9603> 、(3)レナウン <3606> 、(4)ノーリツ鋼機 <7744> 、(5)サニックス <4651> 、(6)ロジスネクス <7105> 、(7)ＥＭシステム <4820> 、(8)だいこう <8692> 、(9)高速 <7504> 、(10)オーイズミ <6428> 。

【大引け】

　日経平均は前日比261.35円(1.22％)安の2万1082.73円。ＴＯＰＩＸは前日比20.75(1.36％)安の1505.12。出来高は概算で17億6490万株。東証1部の値上がり銘柄数は189、値下がり銘柄数は1938となった。日経ジャスダック平均は3390.90円(6.06円安)。

［2020年3月3日］

株探ニュース