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【特集】DEAR・L Research Memo(7):中経の初年度は進捗順調。ジャパンM&Aソリューションとの業務資本提携

ディアライフ <日足> 「株探」多機能チャートより

■中長期の成長戦略

1. 中期経営計画「Go For The Future 2021」初年度の進捗は良好
ディア・ライフ<3245>は、2021年9月期を最終年度とする中期経営計画「Go For The Future 2021」を遂行しており、2019年9月期は初年度にあたる。継続的な成長を維持しながら、2020年代の発展に向けた布石を打つことが目的となる。初年度の進捗は良好である。主力の不動産事業の重点テーマである「開発・投資事業量の拡大」においては、事業規模300億円分を確保し、今後は更にその規模を拡大する計画だ。「成長投資の推進」においては、コインスペース(株)と資本業務提携、OYOグループと提携等、積極的に布石が打たれた。一方で、人材サービス分野でのアライアンス・M&Aは実現しなかった。

数値目標では、ROE15%以上、ROA10%水準、自己資本比率30%以上をすべてクリアし、経常利益においても最終年度50億円にむけて成長軌道を描いている。

2. ジャパンM&Aソリューションとの業務資本提携
同社は2019年11月に、ジャパンM&Aソリューション(株)と、M&A分野における業務提携及び資本提携を行うことを決定した。ジャパンM&Aソリューションは、メガバンク・投資銀行におけるM&A関連業務経験者により設立され、事業承継、事業再編、事業再生などのニーズを持つ中小企業を対象としてM&A業務行っている。特徴として「相談されたら断らない」を標榜する日本では数少ないM&A会社として、企業規模などにとらわれず、M&A成約件数日本一を目指している。最低報酬金額も5百万円というリーズナブルな料金体系でも注目される。

同社としては、ジャパンM&Aソリューションが取り扱う事業承継、事業再編、事業再生案件等の中で対応が必要となる不動産投資情報や、同社グループの事業機会の拡大や新たな事業領域の創出のシーズとなり得る企業・事業投資情報等の入手・活用機会の増加が見込まれる。本業の不動産分野、人材分野のM&A、次世代の柱となる事業への投資など多様なシナジーが実現できる可能性がある。出資金額、出資比率は非公開だが、出資金額は軽微であり、出資比率は関連会社とはならない範囲の比率である。

3. OYOグループとの業務提携
同社はインド発の世界第二位の新興ホテルチェーンであるOYOグループと提携し、国内でのアパートメントサービス事業の推進に協力する業務提携を行い、既に実績が出始めている。

具体的には、2019年5月にOYO TECHNOLOGY&HOSPITALITY JAPAN(株)(以下「OYO T&H」)との間で、「不動産の管理委託に関する情報の相互提供及び検討」にかかる業務提携を開始。OYO T&Hは、現在世界24カ国で不動産経営を行うインドのホテル運営企業OYO(オヨ)とヤフー(株)の合弁企業として2018年に設立され、日本の賃貸住宅事業に参入した。日本で展開する「OYO LIFE」は、テクノロジーを活用し、スマートフォンひとつで物件探し、契約や支払いのインフラ整備から退去まで一気通貫のサービス提供を実現することで、気軽に家具・家電付きの部屋を借りることができるサービス。世界で急成長しているOYOの運営ノウハウを元に、日本の賃貸物件に手軽さと利便性をもたらし、日本の賃貸住宅業界に変革を起こすことが期待されている。

今回の業務提携では、同社が東京圏で保有する賃貸物件及び開発中の都市型マンションを優先的にOYO T&Hに情報提供を行い、OYO T&Hは当該物件を調査した上で、アパートメントサービス「OYO LIFE」物件として借り上げる。既に3棟複数区分での契約がスタートしており、今後の拡大が予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《ST》

 提供:フィスコ

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