【特集】利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第4弾 24社選出 <成長株特集>
ナガオカ <日足> 「株探」多機能チャートより
下表では、本決算月にかかわらず、19年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している24社を選び出し、7-9月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、日本リビング保証 <7320> [東証M]。7-9月期(第1四半期)は住宅の保証サービスで長期保証契約を獲得したほか、BPO事業で大手家電メーカーから家電延長保証業務の大型案件を受注し、経常利益は1.2億円と過去最高だった直前の4-6月期を72.9%上回って着地。上期計画の1.4億円に対する進捗率は84%に達しており、業績上振れが期待される。
2位に入ったナガオカ <6239> [JQ]の7-9月期(第1四半期)はエネルギー関連事業で前期に受注したプラント内部装置の大型案件の製造が進んだ。また、材料調達で大量購入による価格引き下げに成功し、原価が大幅に低減したことも利益を押し上げた。好調な業績を踏まえ、20年6月期の経常利益予想を2期ぶり最高益に大幅上方修正した。これがポジティブサプライズとなり、株価は3日連続ストップ高するなど急騰し、上場来高値を更新している。
選出リストではリビング保証を筆頭に、連続で四半期ベースの最高益を更新した企業が目立つ。4位のMCJ <6670> [東証2]は「マウス」ブランドを中核にパソコンの製造販売事業を展開する。直近3ヵ月の7-9月期(第2四半期)は高付加価値・特化型のハイスペックパソコンなどの販売が伸び、3四半期連続で経常利益の最高益更新を達成した。
5位の手間いらず <2477> [東証M]は複数の宿泊予約サイトの情報を一括管理するサイトコントローラ「TEMAIRAZU」の好調が続く。7-9月期(第1四半期)は宿泊予約サイトやシステムとの連携による集客機能の強化などを背景に、TEMAIRAZUの契約施設数を伸ばした。経常利益は実に10四半期連続となる最高益更新を果たした。
8位にリスト入りした二輪車部品・用品メーカーのデイトナ <7228> [JQ]は、消費税増税前の駆け込み需要を追い風に、ツーリング用品やヘルメットなどの出荷が大きく伸びた。業績好調に伴い、19年12月期の経常利益を従来の7.9%減益予想から一転して29%増益に上方修正し、2年連続で最高益を更新する見通しとなった。
21位のジーエヌアイグループ <2160> [東証M]は中国で主力の特発性肺線維症治療薬「アイスーリュイ」が引き続き好調だったうえ、米国子会社では医療機器の販売が伸び、7-9月期(第3四半期)は2四半期連続で過去最高益を更新した。好調な業績を踏まえ、11月29日に今期2回目となる経常利益予想の上方修正に踏み切った。株価は13日に約1年10ヵ月ぶりに2500円台を回復、その後も頑強な動きを続けている。
久しぶりに最高益を更新した企業に目を向けると、19位のJFEシステムズ <4832> [東証2]が50四半期ぶり、23位の三協フロンテア <9639> [JQ]は32四半期ぶりの大復活を遂げている。JFEシステムズはJFEグループのシステム刷新案件が増加したほか、IAFコンサルティングの買収効果も収益を押し上げた。
一方、三協フロンテアは首都圏再開発や東京五輪関連工事などを背景に良好な需要が続くなか、ユニットハウスのレンタルや展示場における販売が増勢だった。また、生産供給能力の改善など原価低減を進めたことも利益拡大につながった。両社とも株価も大復活しており、JFEシステムズは約18年ぶり、三協フロンテアは約25年ぶりの高値圏を快走している。
●“青天井”シリーズ ─────
・利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第1弾 27社選出
・利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 31社選出
・利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 25社選出
も併せてご覧ください。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<7320> リビング保証 72.9 121 70 13.6 242 213 42.2
<6239> ナガオカ 66.4 356 214 68.7 847 502 14.1
<3461> パルマ 61.4 376 233 9.3 530 485 16.9
<6670> MCJ 22.5 3721 3038 3.9 10071 9690 11.9
<2477> 手間いらず 19.7 298 249 31.8 1164 883 51.3
<8704> トレイダーズ 19.0 1138 956 102.5 1750 864 10.1
<7638> NEWART 17.7 1090 926 13.5 2710 2388 7.8
<7228> デイトナ 16.0 333 287 29.0 805 624 7.0
<6548> 旅工房 15.8 330 285 2.7 342 333 38.9
<9029> ヒガシ21 15.3 391 339 2.7 950 925 11.1
<3917> アイリッジ 15.1 99 86 18.5 250 211 79.2
<3020> アプライド 14.2 515 451 2.0 1400 1373 5.3
<3768> リスモン 14.0 196 172 7.1 500 467 18.9
<7748> ホロン 13.8 420 369 36.4 1106 811 26.0
<6556> ウェルビー 13.4 508 448 21.5 1787 1471 38.9
<8117> 中央自 11.7 1637 1466 19.8 5700 4758 10.9
<7461> キムラ 8.9 673 618 0.6 1645 1635 9.2
<6095> メドピア 6.3 187 176 38.1 765 554 63.0
<4832> JFEシステ 6.2 1295 1219 16.0 4000 3448 11.4
<3323> レカム 4.9 389 371 55.8 1000 642 20.3
<2160> ジーエヌアイ 3.6 349 337 236 1224 364 281
<9049> 京福電 3.3 471 456 8.9 950 872 8.3
<9639> 三協フロンテ 1.0 2064 2044 14.9 7000 6090 10.6
<6565> ABホテル 0.9 443 439 21.6 1700 1398 25.8
※18年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
株探ニュース