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【経済】NYの視点:米9月JOLT求人件数、18カ月ぶり低水準も失業者数は依然上回る、労働市場は健全


米労働省が発表した9月JOLT求人件数は702万件と、昨年3月来の低水準となった。小売り、ヘルスケア、プロフェッショナルサービス、建設分野などで求人件数が減少。一方で、州・地方政府の求人は622万件と、2000年の統計開始以降で最高を記録した。

求人件数は昨年11月に過去最高を記録したのち減少基調にある。今年に入り、貿易への不透明感、または、適切な雇用者が見つからないことを理由に企業は新規雇用を控えている。しかし、求人件数は総失業者数を依然、100万件超上回っており、労働市場は依然健全な状況と言える。8月分も705.1万件から730万件へ、大幅に上方修正された。米労働省が先週発表した10月雇用統計でも失業率は3.6%と50年ぶりの低水準付近を維持。また、雇用者数も10万人台の伸びを保ち、労働市場が持続的なペースで引き続き拡大している証拠となった。

JOLTによると採用者数は0.9%増の593万人。採用率は3.9%。解雇者数は1.3%増の581万人だった。

市場への労働者の自信をあらわすとして注目される項目、退職率(Quits rate)の9月分は2.3%と、3カ月ぶりの低水準。昨年同月からは変わらず。危機前の水準2.1%を依然上回った。

■雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善 危機前の水準と比較
9月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.3%(8月1.2%、昨年1.2%) 1.4%
10月失業率(Unemploynent rate):3.6%(9月3.5%)        5%
9月求人率(Job openings rate):4.4%(8月4.6%、昨年4.7% )   3%
9月退職率(Quits rate):2.3%(8月2.4%、昨年2.3%)     2.1%
10月広義の失業率(U-6):7.0%(9月6.9%)       8.8%
9月採用率(Hiring rate):3.9%(8月3.9%、昨年3.8%)      3.8%

◎状態が危機前より依然悪い
10月長期失業率:36.8%(9月36.9%、2018年36.3%)     19.1%
10月労働参加率:63.3%(9月63.2%)         66.1%
10月雇用者数(Nonfirm payrolls):前月比+12.8万人(9月+18万人) +16.18万人

《CS》

 提供:フィスコ

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