【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):スルガ銀、太陽誘電、東エレク
スルガ銀 <日足> 「株探」多機能チャートより
スルガ銀行<8358>が商い急増のなか大きく株価水準を切り上げた。25日取引終了後、創業家がファミリー企業を通じて保有する同行の株式を、家電量販店大手のノジマ<7419>が取得することを発表、これを受けて再建への期待感から個人投資家の短期資金などを交えた投資資金流入を誘った。今回の株式買い増しに伴い、ノジマの議決権比率は4.99%から18.52%に急上昇し、同社の筆頭株主となる。
■富士通ゼネラル <6755> 1,946円 +145 円 (+8.1%) 本日終値 東証1部 上昇率9位
富士通ゼネラル<6755>が急反発し、年初来高値を更新した。同社は25日取引終了後に、20年3月期通期の連結業績予想を修正。営業利益見通しは従来の175億円から185億円(前期比26.8%増)に引き上げた。足もとで空調機及び情報通信システムの販売が好調なことに加え、コストダウン効果などもあり、第2四半期累計(4~9月)の連結営業利益が62億3800万円(前年同期比34.5%増)と従来予想の50億円を上回って着地したことを反映した。
■藤森工業 <7917> 3,710円 +160 円 (+4.5%) 本日終値
藤森工業<7917>が大幅高し年初来高値を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が25日付で、投資判断を新規に「バイ」、目標株価4500円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券では、食品、トイレタリー分野など幅広く普及しているスタンディングパウチが、足もとで複数回の詰め替え用途で需要を伸ばしている点を評価。同社ではこれらの需要に応えるべく、キャップ付きスタンディングパウチの生産能力を拡張中で、並行して、効率的な生産ラインへの改良も進めているため、ライフサイエンス部門の業績が中長期的に成長を続けると見込んでおり、今後は同部門の安定成長などへの再評価期待で更なる株価上昇を予想しているという。
■CYBERDYNE <7779> 704円 +27 円 (+4.0%) 本日終値
CYBERDYNE<7779>が続伸。午前10時30分ごろ、台湾の大手医療機器専門商社グループであるCHCヘルスケア・グループ(承業生医企業集団)と提携し、台湾でHALの運用を開始すると発表しており、これが好感された。CHCヘルスケア・グループは台湾及びその周辺地域で20社の子会社を有するホールディングカンパニー。今回の提携では、今年11月からHAL腰タイプ介護・自立支援用4台がグループ傘下の病院である怡仁綜合医院で運用を開始するほか、医療用HAL下肢タイプ及び単関節タイプについては、同グループと連携してTFDA(台湾衛生福利部食品薬物管理署)の医療機器承認手続きを進める予定。また、承認後はグループ子会社の久和医療儀器を通じて、台湾の他の医療機関へのHAL導入を進めるとしている。
■イビデン <4062> 2,479円 +92 円 (+3.9%) 本日終値
イビデン<4062>と新光電気工業<6967>が大幅続伸し、そろって年初来高値を更新した。両社は半導体パッケージの大手企業で、25日の米株式市場で米インテルの株価は前日比8%高と急騰したことから連想買いが流入した。インテルが24日に発表した7~9月期の売上高は191億9000万ドルと市場予想を上回った。19年通期の売上高予想も引き上げた。特にデータセンター向け半導体が伸びており、生産能力の増強姿勢も示された。これを受け、インテルとの関係が深いイビデンと新光電工に買いが集まっている。
■日本車輌製造 <7102> 2,709円 +93 円 (+3.6%) 本日終値
日本車輌製造<7102>が4日続伸。前週末25日の取引終了後、20年3月期の連結業績予想について、売上高を870億円から910億円(前期比0.2%減)へ、営業利益を27億円から38億円(同55.3%減)へ、最終利益を25億円から37億円(同59.8%減)へ上方修正したことが好感された。上期において主力の鉄道車両事業が国内・海外ともに伸長したのをはじめ、輸送用機器・鉄構事業や建設機械事業などが好調に推移したことが要因。また、各事業の利益率が向上していることも寄与する。なお、同時に発表した第2四半期累計(4~9月)連結決算は、売上高460億3700万円(前年同期比31.4%増)、営業利益35億1100万円(同4.4%増)、最終利益31億9100万円(同13.5%減)だった。
■扶桑化学工業 <4368> 2,837円 +95 円 (+3.5%) 本日終値
扶桑化学工業<4368>が続伸し年初来高値を更新。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が25日付で、投資判断を新規に「バイ」、目標株価3200円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券では、電子材料及び機能性化学品とライフサイエンスの両部門で超大型投資に伴う減価償却費は21年3月期をピークに減少に転じると予想。営業利益は償却増の影響を吸収しきれず20年3期まで2期連続の減益を想定するが、21年3月期は増益転換し、22年3期には増益率が拡大すると見込んでいる。株価は減価償却費の増加による営業減益は織り込み済みで、今後、四半期決算で営業減益率の縮小傾向、半導体市況の好転などが確認されるに伴い更なる上昇を予想している。
■太陽誘電 <6976> 2,999円 +89 円 (+3.1%) 本日終値
太陽誘電<6976>、TDK<6762>など米アップルの有力サプライヤーである電子部品株に買いが流入。アップルの株価はiPhoneの販売好調に伴う生産台数の上方修正などを評価される形で騰勢を強めており、前週末も1.2%高に買われ上場来高値を更新。時価総額世界トップの座を揺るぎないものとしているが、今週は同社の好決算発表への思惑も募るところ。そうしたなか、同社の有力サプライヤーである日本の電子部品メーカーにも海外機関投資家の買いが入る形で上値指向が強い。
■東京エレクトロン <8035> 22,515円 +635 円 (+2.9%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、ディスコ<6146>、SCREENホールディングス<7735>など半導体製造装置関連が買われた。東エレクは新高値、スクリーンも昨年9月以来の8000円大台乗せを果たした。米中貿易協議の進展期待が再び高まっており、米国株市場では半導体関連をはじめハイテク関連株に物色の矛先が向いている。インテルが好決算を受けて前週末に8%を超える急伸をみせ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も2%強の上昇で続伸しており、東京市場でも関連株に強い追い風となった。
■田辺三菱製薬 <4508> 1,295円 +23 円 (+1.8%) 本日終値
田辺三菱製薬<4508>が続伸。前週末25日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(4~9月)連結業績について、売上高が1870億円から1880億円(前年同期比10.4%減)へ、営業利益が50億円から125億円(同63.8%減)へ、純利益が40億円から80億円(同68.0%減)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。国内医療用医薬品でクローン病などの治療剤ステラーラをはじめとする重点品が堅調に推移したことに加えて、研究開発費及び販管費の一部が下期にずれ込むことが要因としている。
株探ニュース