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【通貨】為替週間見通し:ドルはもみ合いか、3会合連続で米利下げの可能性

米ドル/円 <日足> 「株探」多機能チャートより

■英国の合意なきEU離脱回避で円買い縮小

先週のドル・円は強含み。英国のジョンソン政権が議会提出した離脱関連法案の審議日程案が否決されたことから、10月末の欧州連合(EU)離脱は困難な見通しとなった。英国のEU離脱を巡る情勢は不透明感を増しており、リスク回避的な円買いがやや強まる場面があった。しかし、EU(大使級会合)が英国の離脱延期申請を全会一致で支持し、ジョンソン英首相は10月末の離脱を諦めたことから、合意なきEU離脱は回避されるとの見方が広がり、リスク回避のドル売り・円買いは縮小した。

25日のニューヨーク外為市場でドル・円は、108円51銭まで下落後、108円77銭まで戻した。米中閣僚による電話会議が行われたことや、米通商代表部(USTR)が、「第1段階の通商合意成立は最終段階に入った」との声明を発表したことを好感してリスク選好的なドル買い・円売りが観測された。欧州中央銀行(ECB)は当面、大規模な金融緩和策を維持するとの見方が広がっていることも、ドル買い材料となり、ドル・円は108円67銭でこの週の取引を終えた。ドル・円の取引レンジ:108円25銭-108円77銭。

【今週の見通し】
■ドルはもみ合いか、3会合連続で米利下げの可能性

今週のドル・円はもみ合いか。米連邦準備制度理事会(FRB)は10月29-30日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を0.25ポイント引き下げる可能性があり、追加利下げを意識したドル売り・円買いがやや強まる可能性がある。最近発表された米国の主要経済指標が悪化していることも無視できない。9月小売売上高は5カ月ぶりにマイナスとなったほか、9月鉱工業生産、9月耐久財受注も悪化しており、景気減速の見方が広がっている。CMEが算出する「Fedウォッチ」は、10月25日時点で0.25ポイント(25bp)の政策金利引き下げを90%超の確率で予想している。

しかしながら、英国が10月31日に欧州連合(EU)から離脱を強行する(合意なき離脱)可能性はなくなったこと、米中通商協議は最終合意成立に向けて進展していることから、リスク回避の円買いは当面抑制される可能性も残されている。

【米・7-9月期国内総生産(GDP)速報値】(10月30日発表予定)
10月30日発表の7-9月期国内総生産(GDP)速報値は前期比年率+1.5%程度の成長が予想されており、経済成長率は鈍化する見通し。市場予想を下回った場合、ドル売り優勢の展開となろう。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)】(10月29-30日開催)
米連邦準備制度理事会(FRB)は29-30日開催のFOMCで、7月、9月に続き3会合連続で利下げに踏み切る可能性がある。FOMC終了後にパウエルFRB議長が記者会見を行なう。この場で12月の追加利下げの可能性が示された場合、ドル売りが強まりそうだ。

予想レンジ:107円00銭-110円00銭

《FA》

 提供:フィスコ

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