【市況】【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 頼るべきはキラリ光るエッジ企業
株式アドバイザー 北浜流一郎
「頼るべきはキラリ光るエッジ企業」
●値動き重い主力株
パウエルFRB議長は、ジャクソンホールでの講演で、金融政策についてどんなことを話しただろうか。この原稿が読者の目に触れる頃には、その内容が明らかになっているはずだが、どんな内容であれ今後の市場への影響はさほどないと見てよい。
結局は、さらなる利下げはいつか、それとも現状維持を続けるか。この二択になるからだ。米国経済の好調さを考えると、中央銀行のトップとしては利下げの必要はない。これが常識的な判断になろうが、トランプ米大統領は1%の利下げを要求しているのだ。
同大統領の腹の中には、一にも二にも中国の覇権拡大の阻止があり、そのためにはFRBも協力すべきだとの考えがある。
パウエル議長としてもそれを無視するわけにはいかないと見てよく、今後0.25~0.5%の利下げを継続すると見るのが自然だ。それによって、米国市場の失速が避けられるのであれば、東京市場も平常運転が可能になるが、問題は主力株の値動きがあまりにも重いことだ。
トヨタ自動車 <7203> 、ソニー <6758> はなんとか戻り高値圏をキープしているが、日立製作所 <6501> 、パナソニック <6752> をはじめ、武田薬品工業 <4502> 、三菱商事 <8058> 、JT <2914> 、日本郵政 <6178> 、ソフトバンクグループ <9984> 、大成建設 <1801> 、旭化成 <3407> 、三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> ………などは惨憺たる状況に陥っている。
気になるのは、日本郵政のような問題を抱えた企業もあるが、他は特にこれといった悪材料もないのに上がらないこと。SBGに至っては絶好調ともいえるほどの収益を上げているのに、この会社の将来に対する漠然とした不安感から株は売られ続けている。
●個々の優位性に着目するとき!
主力株の多くがこうした状況では、当然これらに近づくのは投資効率がよくない。いわゆるエッジ(優位性)を失っているからだ。では、エッジがある銘柄とはどのようなものか。
まずはそもそも論で恐縮たが、私はエッジには2種類あるという考えだ。個別株が持つエッジと市場全体のそれだ。投資が儲かりやすいのは、市場全体に上向きのエッジがある時。しかし、いまはそれが欠けているのが実際。であれば、頼るべきは個々の企業のエッジになる。
そこで注目は、私の目から見てそれがある銘柄になり、まずはエムスリー <2413> だ。ソニーの関連企業で医薬品情報サイトの運営で知られているが、エッジとなるのは電子カルテに強いこと。知名度の高さから導入する医療機関は増加を続けると見てよい。
敵対的買収が増加傾向になることを考えると、企業は防衛のために株主の調査が不可欠になる。では、どこにそれを頼むか。アイ・アールジャパンホールディングス <6035> が良いとなるので、同社株も魅力的となる。 IRの支援にも強いが、株主情報に特化したコンサルタント業務が伸びていて、この会社の絶対的な強みになる。
末期ガン患者などの週末ケアを行うホスピス住宅を運営している日本ホスピスホールディングス <7061> [東証M]も、一時株価が急落してしまったが、エッジがあるビジネスと見てよく、株価は回復が見込める。
そして、私の大好き銘柄の一つ寿スピリッツ <2222> がある。地域限定の菓子メーカーを統括、全国の主要観光地で販売するビジネスモデルは明らかにエッジがあり、株価は高値圏ながら続伸があってもおかしくない。
最後にレアジョブ <6096> [東証M]だ。オンライン 英会話の最大手で、スカイプを使ってフィリピン人講師と会話することで英会話を身につけてもらう事業は、これまた明らかに大きなエッジありだ。
2019年8月23日 記
株探ニュース