【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):ユニゾHD、カオナビ、東エレク
ユニゾHD <日足> 「株探」多機能チャートより
ユニゾホールディングス<3258>が急騰。同社株へのTOB(株式公開買い付け)を巡る報道を受け、朝方から売買停止となっていたが、午前11時6分から売買を再開した。同社はエイチ・アイ・エス<9603>から敵対的TOB(株式公開買い付け)を受けているが、日本経済新聞・電子版は16日、「ソフトバンクグループ<9984>傘下の投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループと組み、HISとは別にTOBを実施する方向で最終調整している」と報じた。フォートレスが友好的な第三者であるホワイトナイト(白馬の騎士)となるという。週明けにもHISが提案しているTOB価格の1株3100円を上回る条件で、フォートレスがユニゾHDに対してTOBを開始し、HISによるTOB不成立を狙う。HISはユニゾに対して23日を期限にTOBを実施しているが、市場には、ホワイトナイトの登場でTOB価格引き上げへの期待が膨らんでいる。
■カオナビ <4435> 6,780円 +430 円 (+6.8%) 本日終値
カオナビ<4435>が大幅続伸。14日に発表した20年3月期第1四半期(4~6月)単独決算が好感され、前日にストップ高まで上昇した流れが継続。また、前日に短期的な株価トレンドを示す25日移動平均線を上抜けたことが買いに拍車をかけている面もあるようだ。なお、第1四半期決算は、売上高が5億7600万円(前年同期比62.4%増)、営業損益が600万円の黒字(前年同期は3600万円の赤字)に浮上。クラウド人材マネジメントシステム「カオナビ」の成長が続いており、同期間末時点の利用企業数は1408社となっている。
■ブックオフG <9278> 1,526円 +82 円 (+5.7%) 本日終値
ブックオフグループホールディングス<9278>が続伸し、上場来高値を更新した。16日付の日本経済新聞が「業績が低迷してきたブックオフグループホールディングス(GHD)が復調している」と報じたことで、再評価機運が高まっているようだ。なお、同社が9日に発表した20年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は、売上高が208億2800万円(18年10月1日に単独株式移転により設立されたため、前年同期との比較なし)で着地。営業利益は9億4500万円となり、通期計画18億円に対する進捗率は52.5%となった。同期間の国内既存店売上高が平均で4.9%増と好調だったほか、今年5月に実施した九州地区でのフランチャイズ9店舗の直営化や前期の新規出店が寄与した。なお、通期業績予想は従来計画を据え置いている。
■アトラエ <6194> 2,602円 +115 円 (+4.6%) 本日終値
アトラエ<6194>が大幅高。ここにきて底放れが鮮明、5日・25日移動平均線のゴールデンクロスも示現している。成功報酬型のIT業界向け求人サイトを運営、ITやエンジニアなどの人材をビッグデータを活用して企業とマッチングする「Green」を展開しており収益を伸ばしている。また、組織改善ツールの「wevox」も引き合い旺盛で、導入企業は既に950社を超えている。19年9月第3四半期営業利益は前年同期比22%増の6億4800万円と好調。通期予想7億円は増額修正の可能性がある。
■ダイヘン <6622> 2,875円 +63 円 (+2.2%) 本日終値
ダイヘン<6622>が反発。きょう付けの日経産業新聞で「開発した電気自動車(EV)向けのワイヤレス充電システムが注目を集めている」と報じられており、これが好材料視されたようだ。記事によると、地面と車の底に設置した2つのコイルを共鳴させて、車載バッテリーに蓄電する仕組みで、駐車場などに設置した装置に停車するだけで、自動で給電するという。将来的には信号待ちや走行中への応用も視野に入れて開発を進めるともあり、関心が高まっているようだ。
■東京エレクトロン <8035> 18,800円 +365 円 (+2.0%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、SUMCO<3436>など半導体関連株が頑強な値動きをみせている。前日取引終了後に米グラフィック半導体大手のエヌビディアの5~7月決算が発表され、1株利益が市場予想を上回ったことで、時間外取引で大きく株価水準を切り上げている。前日のフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は安かったものの、ここ半導体関連は市況底入れ期待が浮上しており、これを背景に東京市場でも関連銘柄に物色の矛先が向いている。
■イオンファンタジー <4343> 3,030円 +51 円 (+1.7%) 本日終値
イオンファンタジー<4343>はしっかり。15日の取引終了後に発表した7月度の売上概況で、国内事業の既存店売上高は前年同月比0.5%増と6カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。なお、曜日調整後の既存店売上高は同3.8%増となり、4カ月連続で前年を上回った。7月は、オリジナルキッズメダルなどを新規導入したメダル部門が好調に推移。また、プライズ部門も「トイ・ストーリー」などの映画関連商材を中心に好調を維持した。
■JXTG <5020> 430.3円 +7.2 円 (+1.7%) 本日終値
JXTGホールディングス<5020>が反発。午前中に、子会社などを通じて20%の権益を保有する英国北海のマリナー油田で、原油生産を開始したと発表しており、これが好材料視された。マリナー油田は、英国北海のシェトランド諸島東方沖約150キロメートルに位置する計4鉱区に広がる大型油田。同社は12年に同油田の権益を取得し、13年2月の英国政府による開発計画の承認後、生産開始に向けて開発作業を進めていた。なお、同件による20年3月期連結業績への影響は軽微としている。
■ファンコミ <2461> 547円 +9 円 (+1.7%) 本日終値
ファンコミュニケーションズ<2461>は5日続伸。15日の取引終了後に発表した7月度の月次業績で、連結ベースの売上高は前年同月比3.7%減と4カ月連続で前年実績を下回ったが、足もとの業績低調は織り込み済みとの見方が強い。主力でアフィリエイト広告サービスのCPA型アドネットワーク事業が同5.6%減となったことが響いた。一方、アドネットワークや行動ターゲティングなどCPC/ターゲティング型アドネットワーク事業は同2.7%増とプラスに転じ、スマートフォンアプリの企画・開発などを行うその他は同15.6%減だった。
■日立ハイテクノロジーズ <8036> 5,600円 +60 円 (+1.1%) 本日終値
日立ハイテクノロジーズ<8036>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が15日付で、投資判断を「ニュートラル」から「オーバーウエート」とし、目標株価を5000円から7000円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では、従来は米中貿易摩擦の激化による悪影響を懸念し「半導体市況の底入れ待ち」を予想していたが、予想以上に強い5G関連需要や、日韓の半導体材料問題などで予想よりメモリ市況が早く底打ちする可能性が出てきたことなどから状況が好転したと指摘。このため見方を「半導体のシクリカルな拡大局面への期待」に変更したとしている。
株探ニュース