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【特集】タマホーム Research Memo(1):地域特性に合致した地域限定商品の投入効果で、注文住宅の市場シェア拡大が続く

タマホーム <日足> 「株探」多機能チャートより

■要約

タマホーム<1419>は、1998年に福岡県で創業した住宅デベロッパーで、徹底的な効率化により注文住宅の低価格化を実現し、業界大手の一角を占めるまでに成長している。戸建分譲やマンション販売のほか、オフィスビルのサブリース、区分所有権販売事業へと事業領域を拡大しながら、更なる収益成長を目指している。

1. 2019年5月期の業績概要
2019年5月期の連結業績は、売上高で前期比11.3%増の186,874百万円、営業利益で同58.3%増の7,366百万円と2ケタ増収増益となり、いずれも過去最高を更新した。注文住宅の受注棟数が戦略商品である地域限定商品※を中心に前期比13.0%増の10,604棟と好調に推移し、販売棟数でも同6.7%増の8,444棟と3期連続で伸長したことが増収要因となった。利益面では、地域限定商品の販売構成比上昇や受注増に伴う広告宣伝費、人件費の増加により、住宅事業が減益(前期比1,642百万円減)となったものの、販売用不動産の売却や戸建分譲事業の拡大、オフィス区分所有権販売事業の本格始動等による不動産事業の増益(同4,170百万円増)でカバーした。

※地域限定商品とは、地域特性や消費者ニーズを分析し、競合商品と同等以上の品質を維持しつつ、価格面で割安感を打ち出した商品で、主力商品の「大安心の家」よりも平均価格はやや低めの設定としている。


2. 2020年5月期業績見通し
2020年5月期の連結業績は、売上高で前期比7.0%増の200,000百万円、営業利益で同4.5%増の7,700百万円と増収増益が続く見通し。住宅事業は豊富な受注残を背景に販売棟数で前期比1ケタ増となり、不動産事業は戸建分譲等の伸長により増収が続く。利益面では、地域限定商品の値上げ効果により住宅事業が増益に転じるほか、不動産事業も増益を見込んでいる。なお、2019年10月に予定されている消費税率引き上げの影響は軽微にとどまると見ている。前回(2014年)の税率引き上げ時には、増税前の駆け込み需要を受注し過ぎた反動でその後の受注低迷が長引き、業績悪化の要因となったが、今回は前回の経験を踏まえた受注活動に取り組んでいるほか、地域限定商品によるシェア拡大が進むことも一因だ。実際、2019年6月の受注額は前年同月比1%増と業界に先駆けてプラスに転じている※。

※注文住宅は、2019年4月契約分から新消費税率が反映されることになったため、大手各社の受注は4月以降6月まで総じてマイナス圏で推移している。


3. 中期経営計画の進捗状況
2019年5月期からスタートした中期経営計画「タマステップ2021」では、注文住宅着工棟数No.1を目指し、事業改革にて新たな事業の柱を構築することを基本方針として掲げ、2021年5月期に売上高2,400億円、営業利益120億円、営業利益率5.0%を目標として掲げている。注文住宅及び戸建分譲の販売棟数は、2021年5月期に1.1万棟(2019年5月期8,916棟)を目指しており、リフォーム事業やオフィス区分所有権販売事業などを新たな事業の柱として育成していく。初年度の業績は期初計画を上回る順調な滑り出しを見せており、2020年5月期も会社計画からの上積みを目指している。

4. 株主還元策
同社は株主還元策として配当金と株主優待制度を導入している。配当に関しては、継続的な安定配当と経営成績に応じた積極的な還元を方針としており、2018年5月期以降、連結配当性向で40%程度となっている。2020年5月期の1株当たり配当金は前期比7.0円増配の60.0円(配当性向41.9%)と4期連続増配を予定している。また、株主優待制度では、5月末及び11月末の株主に対して、同社特製QUOカードの贈呈(保有期間に応じて500円または1,000円)を行っている。なお、2019年7月10日付で自己株式取得を発表している。取得上限株数は50万株、取得総額9億円で取得期間は2019年8月23日までとなっている。

■Key Points
・注文住宅の拡大と販売用不動産の売却益計上により、2019年5月期は過去最高業績を更新
・2020年5月期も注文住宅事業と戸建分譲事業の主力2事業の成長により増収増益が続く見通し
・「注文住宅着工棟数No.1」達成を目指し、中期経営計画は順調に滑り出す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《ST》

 提供:フィスコ

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