【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):日製鋼、明治HD、田辺三菱
日製鋼 <日足> 「株探」多機能チャートより
オプテックスグループ<6914>が急反発。5日の取引終了後、80万株(発行済み株数の2.17%)、または10億円を上限とする自社株買いを実施すると発表しており、これを好感した買いが入った。取得期間は8月6日から10月31日までで、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行とともに、株主還元の向上を図るのが目的としている。同時に発表した第2四半期累計(1~6月)連結業績は、売上高185億9300万円(前年同期比5.5%減)、営業利益13億1500万円(同49.6%減)、純利益9億2300万円(同52.7%減)と大幅減益となったが、第1四半期決算発表以降株価は下降局面にあっただけに、アク抜け感につながっているようだ。なお、19年12月期業績予想は、売上高400億円(前期比0.3%減)、営業利益34億円(同31.9%減)、純利益25億円(同33.8%減)と7月11日に発表した修正値を据え置いている。
■ワールド <3612> 2,234円 +221 円 (+11.0%) 本日終値 東証1部 上昇率4位
ワールド <3612> が急反騰。5日大引け後に発表した20年3月期第1四半期(4-6月)の連結税引き前利益が前年同期比36.5%増の84.7億円に拡大して着地したことが買い材料視された。主力のブランド事業でショッピングセンターを中心に展開するミドルロワーブランドの在庫効率が良化し、採算が改善したことが寄与。6月に連結化した神戸レザークロスに係る負ののれん益を計上したことも増益に大きく貢献した。上期計画の56.6億円をすでに49.6%も上回っており、業績上振れを期待する買いが向かった。
■三井倉HD <9302> 1,530円 +115 円 (+8.1%) 本日終値 東証1部 上昇率7位
三井倉庫ホールディングス<9302>が後場急浮上。午後1時30分ごろ、第2四半期累計(4~9月)連結業績予想について、営業利益を56億円から60億円(前年同期比3.0%減)へ上方修正したことが好感された。売上高は1200億円(同0.5%減)の従来見通しを据え置いたものの、コスト削減や粗利益改善施策など抜本的事業収益力の強化に関連する各種施策が順調に進捗していることに加えて、航空輸送業務における自動車関連貨物のプロジェクト輸送の発生や、倉庫業務において主要貨物の保管残高が高い水準で推移したことなどが寄与した。なお、20年3月期通期業績予想は、売上高2380億円(前期比1.6%増)、営業利益100億円(同16.6%減)の従来見通しを据え置いている。また、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高609億7400万円(前年同期比2.5%増)、営業利益33億6300万円(同17.4%増)だった。
■日本製鋼所 <5631> 1,788円 +115 円 (+6.9%) 本日終値 東証1部 上昇率10位
日本製鋼所<5631>が5日ぶりに大幅反発。同社は5日取引終了後に、20年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は69億9200万円(前年同期比0.1%増)となり、上半期計画95億円に対する進捗率が73.6%に達していることが買い手掛かりとなったようだ。売上高は539億3800万円(同1.4%減)で着地した。樹脂製造・加工機械やフラットパネルディスプレー(FPD)装置が苦戦したほか、前年同期に大型案件の売り上げがあったクラッド鋼板・鋼管が反動減となったことが影響した。一方、利益面では売上原価の減少が寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。
■アース製薬 <4985> 4,700円 +235 円 (+5.3%) 本日終値
アース製薬<4985>は大幅高で5日ぶりに大幅反発。5日の取引終了後に発表した第2四半期累計(1~6月)連結決算が、売上高1040億3100万円(前年同期比2.9%増)、営業利益74億200万円(同14.0%増)、純利益46億5000万円(同15.0%増)と2ケタ営業増益となったことが好感された。天候不順の影響で国内虫ケア用品の販売が伸び悩む一方、知覚過敏予防ハミガキ「シュミテクト」、家庭用マスク「快適ガード」などの日用品や、高機能食品、医薬品、医療機器、自動車など向け総合環境衛生事業が売り上げを伸ばしたことが牽引。また、コスト低減を図り、販管費比率が前年実績及び計画を下回ったことも寄与した。なお、19年12月期通期業績予想は、売上高1865億円(前期比3.0%増)、営業利益24億円(同2.3倍)、純利益5億円(前期1億4200万円の赤字)の従来見通しを据え置いている。
■明治ホールディングス <2269> 7,630円 +270 円 (+3.7%) 本日終値
明治ホールディングス<2269>が後場上げ幅を拡大。午後2時ごろに発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高2989億3500万円(前年同期比0.9%増)、営業利益206億3600万円(同4.4%増)、純利益145億円(同15.2%減)と営業増益となったことが好感された。食品事業で、「チョコレート効果」や「きのこの山・たけのこの里」シリーズが好調に推移したほか、粉ミルクが伸長。また、3月に実施したアイスクリームの価格改定の影響なども利益を押し上げた。なお、20年3月期通期業績予想は、売上高1兆3090億円(前期比4.4%増)、営業利益1080億円(同9.8%増)、純利益675億円(同9.1%増)の従来見通しを据え置いている。
■USENHD <9418> 803円 +13 円 (+1.7%) 本日終値
USEN-NEXT HOLDINGS<9418>が後場プラスに転じた。この日、傘下のUSEN Mediaが、荷物一時預かりシェアリングサービス「ecbo cloak(エクボクローク)」を運営するecbo(東京都渋谷区)と、シェアリングサービスの普及と推進に関する業務提携契約を締結したと発表しており、これが好感された。今回の提携の取り組みの第1弾として、USEN Mediaが運営する訪日外国人向けグルメサイト「SAVOR JAPAN」で、荷物預かりサービス「ecbo cloak」が使えるレストラン50選」を公開。今後は、USEN-NEXTグループの取引店舗への営業代行でも連携を図り、店舗の空きスペースを活用した新たな収益源や顧客接点を生み出すための取り組みを進めるとしている。
■田辺三菱製薬 <4508> 1,207円 +10 円 (+0.8%) 本日終値
田辺三菱製薬<4508>はしっかり。この日、自治医科大学と、国内で血友病Bに対する遺伝子治療用医薬品(遺伝子治療用製品)の研究開発に着手すると発表しており、これを好感した買いが入った。同研究開発は、田辺三菱を代表機関として日本医療研究開発機構(AMED)の18年度「医療研究開発革新基盤創成事業」に応募していた研究開発課題「血友病Bに対する遺伝子治療用製品の研究開発」が18年10月に採択されたことを受けて行われるもの。田辺三菱製薬と自治医科大学は今後、AMEDの支援のもと、共同で血友病Bに対する遺伝子治療用製品の創製に向けた研究開発を進めるほか、研究開発で得られた遺伝子治療技術を活用し、将来的には遺伝子異常が原因となる他の疾患への拡大展開を目指すとしている。
■図研 <6947> 1,814円 +8 円 (+0.4%) 本日終値
図研<6947>が続伸。5日の取引終了後に発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高60億8200万円(前年同期比7.8%増)、営業利益3億2900万円(同10.9%増)、純利益2億5900万円(同2.3%増)と2ケタ営業増益となったことが好感された。国内や欧米で主力の電気設計システム「CR-8000」シリーズが堅調に推移したことに加えて、国内子会社のネットワーク関連製品や建築業向け3Dソリューションの販売が大きく伸長したことが業績を牽引。新製品の開発加速で経費が増加したものの、売上高の増加で吸収した。なお、20年3月期通期業績予想は、売上高278億円(前期比3.8%増)、営業利益29億円(同4.9%減)、純利益21億7000万円(同2.7%増)の従来見通しを据え置いている。
■日本CMK <6958> 488円 -93 円 (-16.0%) 一時ストップ安 本日終値 東証1部 下落率4位
日本CMK<6958>が急落し一時ストップ安の481円に売られた。5日の取引終了後、20年3月期の連結業績予想について、売上高を940億円から870億円(前期比3.6%減)へ、営業利益を40億円から20億円(同46.9%減)へ、最終利益を27億円から12億円(同40.4%減)へ下方修正したことが嫌気された。米中貿易摩擦の影響を受けた不透明な経済情勢から自動車市場が減速していることを背景に、車載向けの販売が計画を下回る見通しであることや、通信関連機器向け、アミューズメント向けの販売も減少する見通しであることが要因としている。また、売上高の減少に伴い、国内生産工場の稼働率の低下が見込まれるほか、東南アジアで増産投資に伴う費用負担も重荷になるとしている。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)決算は、売上高213億1100万円(前年同期比3.5%減)、営業利益1億4400万円(同81.0%減)、最終損益7400万円の赤字(前年同期2億3900万円の黒字)だった。
株探ニュース