【市況】米国株式市場見通し:米中関係の悪化が相場の重しに
先週のFOMCでは利下げが決定されたものの、雇用情勢や個人消費は堅調であり、今後の金融政策については、引き続き米中通商協議の行方や経済指標の良し悪しから占う展開が続くだろう。一方で、トランプ大統領が9月1日より中国からの輸入品3000億ドル相当への関税措置に言及したことから、米中貿易摩擦を巡る先行き懸念が高まると予想され、株価の重しとなりそうだ。
また、9月3日のレイバー・デーの祝日頃まで夏季休暇に入る投資家や市場関係者も多く例年、閑散取引となる時期だが、休暇を前後して一旦ポジションを手仕舞う動きが、相場全体の上値を抑える可能性があることに注意したい。
今週は、食肉メーカーのタイソンフーズ(5日)、高級ホテルのマリオット・インターナショナル(5日)、エンターテイメントのウォルト・ディズニー(6日)、カジノ・ホテル運営のウィン・リゾーツ(6日)、薬剤給付管理会社のCVSヘルス(7日)、旅行口コミサイトのトリップアドバイザー(7日)、損害保険のAIG(7日)、配車サービス大手リフト(7日)やウーバー(8日)、メディアのバイアコムやCBS(8日)などの発表が予定されている。新規株式公開(IPO)が期待外れとなり、多額の赤字を計上しているウーバー及びリフトは決算で何らかの成長を示せるかが焦点となる。
経済指標では、7月ISM非製造業指数(5日)、6月卸売在庫(8日)、7月生産者物価指数(9日)などの発表が予定されている。生産者物価指数は今後の金融政策を占う重要な指標となるインフレ率に影響を与えるため、注目したい。9日には中国の消費者物価指数や生産者物価指数の発表も予定されている。
(Horiko Capital Management LLC)
《FA》
提供:フィスコ