【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(2):郵船、富士通、三井不
郵船 <日足> 「株探」多機能チャートより
日本郵船<9101>、川崎汽船<9107>など海運株が上昇、全体地合い悪のなか業種別値上がり率で断トツに買われた。前週を境に鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は下落に転じ、特に24日は151ポイントの急落となった。ただ、海運大手の業績は既に最悪期を脱しているとの認識がマーケットに浸透しつつある。コンテナ船事業では大手3社が部門統合して設立したONE社が、貨物構成の最適化などの合理化努力が発現、今期は損益黒字化が見込まれるなど、先行きに明るさが出ている。
■クスリアオキ <3549> 7,180円 +110 円 (+1.6%) 本日終値
クスリのアオキホールディングス<3549>が6日ぶりに反発。26日の取引終了後に発表した7月度(6月21日~7月20日)の月次営業速報で、既存店売上高が前年同月比2.8%増となり、3カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。客数数が同1.5%増と引き続き堅調に推移したほか、客単価が同1.3%増と5カ月連続で伸長したことが寄与した。なお、全店売上高は同14.7%増だった。
■富士通 <6702> 8,698円 +101 円 (+1.2%) 本日終値
富士通<6702>が全体軟調地合いに抗して続伸し、連日の年初来高値更新。前週末は一時800円を超える上昇でマーケットの注目を集めたが、きょうも大口の実需買いが流入し、目先筋の利益確定売りを飲み込んだ。きょう午前、オーストラリア国立大学からスーパーコンピューターを受注したことを発表しており、これが株価上昇を後押ししているようだ。スーパーコンピューター分野では世界屈指の実力を有し、量子コンピューター分野の開発にも積極的に取り組んでいる。
■三井不動産 <8801> 2,508.5円 +17.5 円 (+0.7%) 本日終値
三井不動産<8801>が反発。きょう付けの日本経済新聞朝刊で「三井不動産とNTT、東京電力ホールディングスが東京都千代田区の内幸町で大型再開発に乗り出す」と報じられており、将来的な業績への貢献が期待された。記事によると、帝国ホテルから東電の本社までを含む一体開発で、オフィスや商業施設を含む複数の高層ビルを建てる予定だという。20年の東京五輪・パラリンピック後として都内最大級の再開発となる見通しとあることから注目が高いようだ。
■SHOEI <7839> 4,705円 +5 円 (+0.1%) 本日終値
SHOEI <7839> が反発。26日大引け後、19年9月期の連結経常利益を従来予想の34.5億円→39億円に13.0%上方修正。従来の8.5%減益予想から一転して3.4%増益を見込み、2期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。欧州でヘルメットの主力モデルや新製品の販売が好調なことに加え、販管費が想定を下回ることも上振れに貢献する。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の86円→98円(前期は93円)に増額修正したことも評価材料となった。
■東邦チタニウム <5727> 880円 -133 円 (-13.1%) 本日終値 東証1部 下落率2位
26日に決算を発表。「上期経常を一転39%減益に下方修正、通期も減額」が嫌気された。
東邦チタニウム <5727> が7月26日大引け後(15:00)に決算を発表。20年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常利益は前年同期比51.7%減の6.7億円に大きく落ち込んだ。併せて、4-9月期(上期)の同利益を従来予想の29億円→17億円(前年同期は28億円)に41.4%下方修正し、一転して39.4%減益見通しとなった。
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■日テレHD <9404> 1,537円 -136 円 (-8.1%) 本日終値 東証1部 下落率4位
日本テレビホールディングス<9404>は急反落。前週末26日の取引終了後、20年3月期の連結業績予想について、売上高を4340億円から4290億円(前期比1.0%増)へ、営業利益を470億円から430億円(同13.6%減)へ、純利益を360億円から330億円(同14.8%減)へ下方修正したことが嫌気された。足もとでスポット広告市況が低迷していることが要因としている。なお、同時に発表した第1四半期(4~6月)連結決算は、売上高1019億900万円(前年同期比1.1%減)、営業利益99億1900万円(同21.1%減)、純利益84億3900万円(同15.8%減)だった。
■前田工繊 <7821> 1,835円 -161 円 (-8.1%) 本日終値 東証1部 下落率5位
26日に決算を発表。「4-6月期(3Q)経常は14%減益、未定だった今期配当は1円増配」が嫌気された。
前田工繊 <7821> が7月26日大引け後(15:00)に決算を発表。19年9月期第3四半期累計(18年10月-19年6月)の連結経常利益は前年同期比4.4%増の40.5億円に伸び、通期計画の54億円に対する進捗率は75.1%となり、5年平均の76.7%とほぼ同水準だった。同時に、従来未定としていた今期の年間配当は19円(前期は18円)実施する方針とした。
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■椿本チエイン <6371> 3,475円 -140 円 (-3.9%) 本日終値
椿本チエイン<6371>が大幅続落。同社は産業機械用と自動車用チェーンで世界最大手。前週末の26日取引終了後、20年3月期第1四半期(4~6月)の決算を発表した。売上高が前年同期比0.7%増の558億9400万円と微増となったものの、営業利益が同32.6%減の36億5900万円、最終利益が同23.9%減の32億100万円と大幅な減益となったことが嫌気された。主力のドライブチェーンやコンベアチェーンなどは米州や東アジアにおける販売が低調だったほか、自動車部品事業における設備投資に伴う減価償却費増、マテハン事業における工事費用が増加したことで減益に転じた。なお、通期業績見通しについては据え置かれた。
■日立金属 <5486> 1,132円 -14 円 (-1.2%) 本日終値
日立金属<5486>が4日続落。同社は高級金属製品や磁性材料等で世界高シェアを誇る。16年3月期から営業減益が続いているおり、足もとでは特殊鋼のほか、エレクトロニクス・半導体関連市場の減退や各種製造装置・工作機械の需要不振など外部環境も厳しい。前週末26日取引終了後、20年3月期第1四半期(4~6月)の決算を発表。売上高が前年同期比9.9%減の2339億5300万円、最終利益が同81.0%減の32億4200万円だった。同社の通期計画に対する最終利益の進捗率は11.3%に留まっていることがネガティブ。ただ、日立グループの再編が行われているなか、同社には売却・再編の可能性もあることから強弱感が対立し、株価の下げ幅が限定的。
株探ニュース